マーラーを聴く楽しみ
目次
グスタフマーラーこの名前を知らない人はいないだろう。
マーラーはオーストリア出身の作曲家である。19世紀を代表する音楽家。
演奏会ではいまだに頻繁に取り上げられる人気の作曲家と言っていい。
しかし知っているのはそこまでで、マーラーの人となりにきちんと触れる人はごく少数派である。
複数の映画に取り上げられたことが
映画の題材としても取り上げられている。
1番新しくて有名なのはこちら。
この映画はwowowで1度だけ見ている。マーラー役の俳優が驚くほど本人に似ているのでびっくりした記憶が。
映画の中には有名なフロイトも登場するのである。
フロイトはマーラーの精神科のコンサルとして、診察するのだが、マーラーが作曲の際に湧き上がる様々な雑念は、彼の幼児体験によると指摘。
この診察の後、マーラーの悩みは一気に解消に向かったとされている。
若い妻との結婚
マーラーは 1860年生まれで41歳のときに23歳の若い妻と結婚している。
当時、ウィーンの社交界の花であった彼女はマーラーと最初の結婚をして2人の娘を授かる。
マーラーは18歳年下の子の若い妻との生活にいささか疲れていた感がある。
作曲家として、また指揮者として当時、第1人者の称号を得ていたのにもかかわらず、彼自身は創作活動の最中に湧き上がってくる雑念に悩まされていた。
悩み深き作曲家
この悩みはとても深く、心理学の世界では歴史に残るあのフロイトの診察をわざわざ受けているぐらいである。
マーラーの作品の1番の人気のポイントは、音楽全体に漂う奥行きだろう。
聞き手の側の心の奥底まで届くような曲作り。
繊細、それでいて大胆。多くの人の指示を受ける理由である。
おそらくこちらが1番有名だろうと思われる。
マーラー - 交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章 アダージェット カラヤン ベルリンフィル
この曲を作曲した頃のマーラーが、おそらく頂点だろうと思われる。
ごくオーソドックスなストリングスを奏でているにも関わらず、聞き手の心の奥まで届く節回しは、とても繊細で切ない。
この心のひだを絶妙に表現できるのがマーラーの真骨頂である。
マーラーは時代的には現代音楽の作曲家シューンベルクの少し前にあたるのだが、彼とも親交を結んでいて、その音楽を評価している。
またフランスのドビッシーとも親交があった。
しかしながら当時のマーラーの得ていた名声は、主に指揮者としてである。
作曲家としては必ずしも正当な評価を受けていたとは限らない。
まとめ
マーラーが有名になったのは、1970年代から80年代にかけてのブームであろう。
この頃の映画「ベニスに死す」でもマーラーの曲は用いられ、映画に花を添えていた。
生前マーラーは、“後に私の時代がやってくる”と 公言していたらしいが、まさにその通りになったと言える。
今ではマーラーの名前を聞かない人はいない。しかし悲しいかな、私たちが知りえているのは、あくまでもブームの中の名前である。
マーラーの曲、特に交響曲が10曲( 10番は未完成)ほどあるのだが、全曲をきちんと聞く事はなかなかかなわない。
かく言う私も、せいぜい聞いているのは1曲か2曲。
しかしどれもが皆、完成度の高い作品と言える。
考え事をして“沈思の海に沈む”なんてときにはマーラーはもってこいだと思うのだが