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美術家パブロピカソ
そしてチェリストでもあり指揮者 パブロカザルス
2人とも同時期にスペイン出身の芸術家として活躍しました。
奇しくも2人ともパブロと名乗ります。
実は調べてみるともう1人。
パブロネルーダ この方は南米チリの詩人ノーベル賞作家ですね。
さてここでの紹介はピカソとカザルス。
2人とも平和であることをこよなく愛し望んだ芸術家
お互いスペイン出身と言うことで、あの当時のスペインの軍事政権に激しく反発したのですね。
ピカソの代表的な作品にゲルニカがあります。
この絵はドイツ軍によるゲルニカの無差別空爆に対する抗議として描かれたようです。
絵は多分に多くのメッセージを含んでいるが、ピカソはほとんど語ることなく沈黙を貫いた。
ピカソ独自の手法でキュービズムと呼ばれる描き方。
現代の美術家でピカソの影響を受けなかった人はいないくらい、20世紀では、ほぼ頂点に君臨する美術家と言える。
ピカソのキュービズムを理解できる人は少数派と言えるかもしれない。
絵を見たときにこれはピカソと一瞬でわかることができるが、その辺の良し悪しを判断できるほどの感性は残念ながら持ち合わせてはいない。
ただ感じるのは、すごい絵だなと言う事。
この絵はどうやら工業用のペンキで描かれているようだ。それゆえに痛みに対する対策も大変らしい。
ピカソと同時代に活躍したスペイン出身の芸術家にサルバドールダリがいる。
ダリはピカソのキュービズムを完全に理解していたとされている。
まだ学生の時分、自画像を描いて、ピカソのアトリエを訪ねその絵をピカソに見せて批評を頼んだところ、ピカソの激しい憎悪のこもった自分に対する眼差しを見て、自分がピカソに匹敵する芸術家であることを確信したとされるエピソードがあるが、ピカソが名前も知らぬ若者に対して、激しい嫉妬心を抱くほど、ダリの絵の完成度は高かったようだ。
パブロカザルスの存在
20世紀最大のチェロ奏者と言われる。
チェロの近代的な奏法を確立した人としても知られている。
彼以前のチェロの奏法は両脇を体にくっつけて演奏すると言うもの。
しかし、それは演奏上あまりに窮屈で、表現する上で具合が悪いので両手が自由に使えるように彼自身が奏法を考案したのである。確立するのにおよそ10年以上もかかったとされている。
カザルスの演奏を称賛する声はとても多い。
しかし平和を愛するカザルスは、スペインがフランコ政権になって軍事政権となったことに抗議し、そのことを周りの国が認めたことにより長く演奏活動を封印した。
多くの要請があったにもかかわらず弓を持つ事はなかったのである。
彼の音楽の上での功績は様々あるが、いくつか挙げるとすれば、練習曲でしかなかったバッハの無伴奏チェロ曲を世の中にきちんと紹介したことだろう。
今では誰もが知る名曲であるが、この映像は本人の演奏によるもの。
チェロはどちらかと言えば音質も低く暗く、暗い印象があるのだが、この演奏を聞くと、驚くほど軽やかに伸びやかに聞こえる。
演奏を見ていて感じるのは右手の弓を引く腕の動きが実に自在で軽やかにパフォーマンスしていること。
近代のチェロ奏者は、皆このカザルスの影響受けていると言っていい。
またカザルスが好んで演奏する曲があった。
Traditional Catalan Christmas song: El Cant dels Ocells, Casals & Horszowski (1961) 鳥の歌 カザルス
この曲は、カザルスの生まれ故郷カタルーニャ地方の民謡と聞く。
哀愁を帯びたメロディーは、聴く者して少し悲しい気持ちにさせる。
ひょっとしたら、たくさんの戦争犠牲者に対する彼のお弔いの気持ちを表現したかったのかもしれない。
カザルスはあのシュバイツアーと並んで、熱心な原爆禁止のための運動に勤しんでいた。
まとめ
ピカソやカザルスの活躍した時代は戦争との関わりがとても強い
芸術が戦争反対のためのメッセージに使われる事は多いと言える。
この2人は、まさにそういった時代の代表と言えるだろう。