くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

パッヘルベルのカノンの知名度

 

バッハよりも30年ほど古い生まれ

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パッヘルベルの肖像画 驚くほど少ない

目次

 

パッヘルベルは1653年の生まれ。南ドイツに生まれた音楽家で、パイプオルガンの名手とされていた。

生まれを調べてみると決して音楽家一家の出ではない。

父親はワイン商で最初の妻と子供を流行り病でなくしており、その後結婚した後妻の間に生まれた子がパッヘルベルである。兄弟は多く5男二女と言われている。

バッハと同じで有名なオルガン奏者

パッヘルベルはいくつかの仕事を歴任しているがどこでも優れたオルガン奏者としての評価を得ていた。

決して音楽一家の出ではなかったのだが、本人の努力と類稀な才能が音楽家として成功に導く要因となったようだ。

特にパイプオルガンの腕前は相当なもので、様々なシチュエーションでオルガン奏者として雇われている。

パイプオルガンと言う楽器は非常に気難しい楽器である。

誰彼簡単に扱える代物ではなく、メンテナンスもデリケートなわけだし、何よりも演奏するときにはアルバイトを雇ってふいごに風を送る必要があった。

普通は手押しではなく足踏み式のタタラを踏むのである。

このような状況で演奏活動や作曲活動するには、オルガンを所有しているところにきちんと雇われる必要があるわけだ。

 

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この当時の音楽家ではパイプオルガンは必須のアイテム

オルガン演奏家としてのパッヘルベルは教師も兼任していた。あのヨハンセバスチャンバッハの1族もパッヘルベルの教え子だったようだ。

セバスチャンバッハは調べてみると9歳のときにこの中年のパッヘルベルに合っている可能性が指摘されている。

当時のドイツではあまりに有名な音楽家で知らぬ人がいない位の有名人。

活躍の場は主に南ドイツであったようだが、北ドイツのおもだった作曲家にも多大な影響を与えていたようだ。もちろんバッハにも影響を与えている。

有名なカノンは様々なシーンで使われている

映画の主題歌としてもとても有名ですよね。

私が最初に知ったのはフランス映画の1969年度作品「夫婦」

映画は性的不能に悩む夫と不倫に悩む妻のちょっとマイナーな物語。

この当時のフランス映画ではアランドロンを始めとする二枚目が活躍する中で、こういった映画が作られるあたりが多分にフランス人気質を感じます。

余談にはなりますが、アランドロンはフランスではそれほど人気のある俳優ではなかったと記憶しています。1番人気はジャンポールベルモンドです。

フランスの映画はかっこいい俳優よりもストーリーの説得力の方がはるかにものを言うんですね。

そう考えるとこの音楽は少し切なげで雰囲気によく合っていると思います。

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シンプルな楽譜の様子 ほとんど全世界で知られている

楽譜で見ても、演奏される音が聞こえてきそうな位、有名ですよね。

曲をワンフレーズ聞いたならば聞いたことがない人がいない位ほとんど毎日テレビラジオ等から流れてくるでしょう。

音楽は非常にわかりやすい特徴を持っているんですね。

パッヘルベルの活躍した当時は音楽の主流は副旋律音楽。つまりフーガとかトッカータとかの対位法を用いた複雑な音楽技法 。

もちろんパッヘルベルは作曲家としてこのような方法を用いることもあるのですが、どちらかと言えばイタリアの歌曲のようなわかりやすさを追求していたきらいがあります。

カノンを聞いてみてわかる通りに同じフレーズを繰り返しているんですね。

この繰り返すことによる心地よさがこの曲の大きな特徴でしょう。

普通の対位法を用いた音楽では、このような繰り返しのパターンはなかなかチョイスしません。

まとめ

オリジナルでは無いですがかなり有名なのでこちらを紹介しておきます。


涙のカノン(レイモン・ルフェーヴル)

実は私がこの曲を知ったのは、レイモンルフェーブルの涙のカノンとして発表されたとき。

私がまだ高校1年生。今からちょうど50年ほど昔の話。

ラジオの深夜放送でこの曲が流れているのを聞いて、友達に頼んでこの曲とその他にも何かよさそうなものがあれば録音してとカセットテープを持ち込んでお願いしたのがきっかけ。

その時はこの曲のオリジナルがパッヘルベル作曲とだけしかわからなかったのだが、

その後フランス映画の主題歌に抜擢されていたり、他にも様々なシチュエーションでこの曲が使われていることを知ることに。

オリジナルは、レイモンルフェーヴルのようにドラムが入ったりはしない。

もっとバロック音楽らしい厳かな響きが続くのである。

レイモンルフェーヴルは、あの当時とても人気のあったイージーリスニング楽団の著名な代表だった。同時期有名だったのはポール・モーリアがいる。

レイモンルフェーブルは実は1番人気で有名な曲は「シバの女王」だろう。

もう一方のポール・モーリアは、「エーゲ海の真珠」が有名だと思う。

とても懐かしい時代のエピソードと言える。

フランス以外でも、アメリカは主にビックバンドの楽団が多かったと思うが、同様な楽団でパーシー・フェイスとかクラシックの専門だったけれどパイヤール管弦楽団とか、今ではほとんどメジャーではないがそういった楽団がたくさん存在していて、日本にもしょっちゅうやってきてコンサートを開いていたと記憶する。

 様々なシチュエーションでいろんな音楽が流れているが、そのルーツは驚くほど古かったりすることの一例だと感じます。