有名なのは97年に封切られた映画
目次
映画はタイタニックの沈没のエピソードをもとに作られた恋物語と言っていい。
監督自身の気持ちの中ではロミオとジュリエットにモチーフを得たラブストーリーを作るつもりだったようだ。
このときのキャメロンはターミネーターシリーズが第2作まで終わっていて 、その人気は不動のものとなっていた。
またターミネーター以外にもアビス、エイリアン2など有名な作品を次々と手がけてしかも興行を成功させていて、監督としては一流の評価。
さて、監督のキャメロンは、ほぼ完璧主義者。
ターミネーターの時の撮影など、撮影のプロットが既に頭の中に完全に出来上がっていて、現場で試行錯誤することなどほぼなかったと聞いている。
有名な監督たちはおしなべて妥協する事はほとんどない。
あの黒澤明も超がつく位の完璧主義者だった。
ルーカスやスピルバーグは現場でコミニュケーションをとりながら撮影することもよくやっている。
その辺のやりとりはメイキング映像を見ると、ハリソン・フォードなどと盛んに意見交換しながら撮影する様子が見てとれるのである。
キャメロンの場合は最初にきっちりと脚本を書き上げているようだ。
必要に応じてオーディションも行うが、脚本を渡して台詞を言わせてみるようだ。
実はこのときのテストのディカプリオがあまりにも素晴らしく、キャメロンの気持ちを決定づけたと言っていい。
自分のイメージは第一に大切にしているが、様々なスタッフの意見を全く取り入れないことでもないらしい。
ジェームズキャメロンの肝いり
タイタニックは1912年の4月に沈没している。そして海底探査で発見されたのは1985年。70年以上も水深3650メートルに沈んでいた。
キャメロンがタイタニックの撮影をしようと決めたのはロシアの調査先の報告の映像を見てから。
どうやらその中で様々な事実が明らかにされ、また当時の調査記録から様々な人間模様が報告されていたらしい。そのことに非常な感銘を受けたようだ。
キャメロンがタイタニックの撮影をしようと決めたのは94年の頃。
撮影はまず海底の直接の調査から始まったようだ。
水深4000メートルまで無人で操作できる 探査機をチャーターし、それに基づいて必要な調査を綿密に行ったと聞いている。
この調査が終わった段階で初めて脚本の着手に取り掛かり、映画の撮影が始まったのである。
今ではタイタニックの現在地も海底の様子も全て映画とは関係なく公開されている。
沈没原因も色々と究明がなされていて、ほぼ全貌が把握されているようだ。
燃料の石炭の火事が出港前に起こっていて 、船体の外壁が著しく強度が落ちていたとの報告がある。
もし、氷山にちょっとでも擦ったならばそこから大きな亀裂が生じて船に致命的なダメージを与えたであろうことが現在は第一原因とされているようだ。
また当時の気象条件も、いわゆるベタ凪の状態で氷山を発見しにくい状況だった。
発見がやや遅れたこと、回避行動もやや遅れたこと、この2つがどうやらさらに足を引っ張ったようだ。
およそ 1500人以上の乗客はあらかたはなくなったようである。
沈没地点の北大西洋は氷山が浮かぶ位、極めて寒く、もし海中に放り出されたとしても数十分程度で、低体温症でなくなるとされている。
何時間も冷たい海水に浸かって助かる道理がないのだ。
主役のヒロインは本当はこの2人のどちらかだった可能性が
グイネスパルトロー クレアデインズ。
キャメロンは当初は主役の2人は無名の新人を考えていたようだが、色々と検討していくうちに、ヒロインはこの2人になる可能性もあったようだ。
調べてみるとケイト・ウィンスレットがキャメロンに自分自身の熱意をアピールしてそれで採用された経緯がある。
またディカプリオの方は、ディカプリオ本人があまり乗り気ではなかったようだ。
周りからいろいろ説得されてそれで主役を受けた経緯がある。
悲劇の航海を調べてみると
船の大きさは当時としてもナンバーワンクラスと言っていいだろう。
タイタニックの事故を受けてこの時、姉妹船として作られた2隻の船があった 。
安全を考慮して大幅な改良がなされたようだ。
タイタニック自体で見てみると、船自体の強度が映画の中でも描かれていたが大きさに比較して小さいとされる。
沈没するときに船体が2つに折れて沈んでいくシーンがあった。
これは船首から水中に入っていくときに船尾が持ち上がるのだが、その時に空中に船体が出てしまうのだが、持ちこたえられずばっきり折れてしまうというもの。
2つに折れた船は完全に離れてしまうわけではなく、沈みゆく船首に船尾が引きずられて沈没したようだ。
この後大勢の人は海に投げ出されて、海面を漂うことに。
この海面上で大勢が亡くなったと聞く。
大体タイタニックは沈没しないと言う触れ込みだった。
そのせいで避難用のボートも乗組員乗客全員の分は用意されていなかったと聞く。
そのような不完全な状態で避難活動もおそらくはままならなかったはず。
船員の多くもなくなっている。
海中のタイタニックは、水深3650メートルの海底でサビに埋もれて沈んでいるが、実はこのサビは腐食が早いらしく、タイタニック本体の鉄もあと100年ほどで形が判別できない位に溶けてしまうと言われている。
船を引き上げる話はいくつか計画はあったようだが実現はしていない。
そもそも悲劇の航海で沈んだ船なので、今更引き上げて何かができるわけでもない。
そのまま静かに眠っておいてもらうほうがいいのかもしれない。
まとめ
聞くところによるとジェームズキャメロンは自分の映画に主題歌のような歌が入るのを極端に嫌うらしい。
映画にとって音楽は必要不可欠なのだが、確かに主題歌のある映画も多数存在はしているものの必ずついているものでもない。
あのターミネーターの音楽も、最初聞いたときに?が2つつく位、あまりに斬新すぎて違和感を覚えた記憶が。
今ならば何の抵抗もなくすんなり聞けるのだが。
実はタイタニックの主題歌My Heart Will Go Onは、キャメロンのスタッフが、といっても音楽担当の作曲家なのだが、自分自身の自信作としてこの曲を作って、詩をつけて、知り合いのセリーヌ・ディオンに歌わせてデモテープをこしらえたようだ。
セリーヌディオンも実に乗り気で快くオーケーして録音したらしいのだ。
さてキャメロンだが、実はこの音楽担当のスタッフがキャメロンの機嫌の良い時を狙ってとにかくこの曲を聴いてくれとセリーヌの歌を効かせたらしい。
結果は言うまでもなくとても素晴らしいの一言だったようだ。
我々が耳になじみのこの主題歌はそのようないきさつがあることが、なかなかユニーク。
キャメロンの完璧主義は有名で、様々なものを全て1人でやってしまうきらいがあるのだが、必ずしも他の人の意見を聞き入れないわけではない。
タイタニックはキャメロンの情熱と様々な人たちの協力がうまく噛み合うことによって出来上がった傑作だと言える。
アカデミー賞も実は総なめにしているのである。
記憶によれば、主演男優賞と主演女優賞以外の作品その他の賞はすべて受賞したはずである。
ちなみにこの年の主演男優賞はあの有名な戦場のピアニストのエイドリアン・ブロディ。
記憶によればディカプリオはこの頃から何度もアカデミー賞にノミネートされていた。
今でも受賞した話は聞かないので、彼はまさに無冠の帝王かもしれない。
役者としての値打ちはディカプリオはかなりの逸材だと誰もが思うだろう。
しかしながら、役者の演技の評価以上に映画は随分と支持をされた。
監督キャメロンは、今はあのアバターの撮影にかかりっきりと聞いている。
おそらく、また大勢の観客を動員するようなすごいものをこしらえるのに違いない。