くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

再放送中「おしん」の底力

 

たまたま見かけたドラマなのだがすっかりはまる

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主役のおしんを演じた3人の俳優たち

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目次

 

調べてみてわかったのだがドラマが始まった1983年から84年にかけてドラマの平均視聴率がなんと52.4%。最高視聴率は62.6%

とてもじゃないがこんなすごい番組は後にも先にもこの「おしん」だけだろう 。

ちなみに、今やっている「なつぞら」。

こちらが平均で20%越えで大変優秀のお声がかかる。

おしんを調べてみてわかったのだが、このドラマは朝ドラとしては1年間の放送で行われていた。

普通、今の朝ドラは半年クールで行われる。

 1年間かけて切々と物語を紡いでいくその熱意には頭が下がる。

物語は明治から昭和にかけての1人の女性の1代記。

最初に乙羽信子が出てきて、年取ってからの回想なんだろうなと思ってみたが、実際のところそれほど単純な作りにはなってはいない。

 15分の放送枠の中で、巧みに時代を超越した物語をこしらえている。

もちろん、回想が持つ表現の巧みさは十分に生かされていて、見るものがどこを中心に見るべきかをあらかじめ案内しているような、複雑な物語にもかかわらず、ストーリーの説明が親切であることを感じてしまう。

私が注目しているのは、主役となる俳優たちの演技。

子役だった小林綾子さんの演技は最初から賞賛される意見が多かったのだが、ここ最近になって田中裕子さんに変わってきている。

この田中裕子なる女優。大変な実力者だと痛感する。

この当時すでに大女優の仲間入りを果たしていた彼女は、ほとんど気負うところなく、主人公おしんになりきっている。

おしんの心の中にある葛藤が田中裕子を通して見るものに伝わってくるのである。

また原作者 橋田寿賀子の取材力にも敬服する。

この時代のしかも東北地方の小作の暮らしぶりや経済活動その他の調査が綿密になされた感がある。

この時代は農村部ではごく普通に口減らしが行われていた。

よく食うや食わずと言うが、小作農民の悲惨な暮らしぶりが克明に描かれている。

また感心するのは、物語全体の流れの中に各ディティールの説明が綿密になされていること。

脚本家橋田寿賀子の真骨頂と言えるだろう。

このドラマの知名度は日本国内にとどまらず主にアジア全域に広まっていると聞く。

物語の中で繰り広げられる人間模様が、毎回15分の枠の中で生き生きと描かれていることに他ならない。

 4月の1日から始まったばかりなので来年まで放送は続くのだろう。

何故か朝これらのドラマを見ることがルーティーンとなったようだ。

 36年前みんな若かった

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びっくりしたシーン

 この上半身裸の小林綾子さん。1972年生まれなのでこの撮影の時は小学校5年生。

多分10歳と数ヶ月の年齢。

この年齢の女子がたとえ子供といっても、上半身裸で撮影に臨むなど正直驚き以外の何物でもない。

このシーンは前半の木材問屋でのあの意地悪なお手伝いさんとの印象的なシーン。

泥棒の嫌疑をかけられて、裸にされて調べられるシーン。

このドラマを見ていて、正直なところここまでやらなくてもと思ったのだが、シナリオにこのように記述されていたのだろう。

現場でその通りの物語を再現するところが、このドラマの本気度がうかがえる点である。

これがもし、13歳とかそれ以上ならば絶対に許可できない撮影だろう。

小林綾子さんとしてもギリギリの演技だったに違いない。

さて、他にも著名な俳優はたくさん出ていたのだが、今から30年以上も前のドラマ。

誰も彼もが1世代以上若いのである。

当時子役だった人たちも今や中年に差し掛かるわけだし、田中裕子さんなどはもう還暦を超えているのである。

しかしこのドラマに出演した俳優たちは、皆参加できたことを誇りに思っているに違いない。

物語が面白いとかそうでないとか言うレベルではなく、たくさんの人に支持され大ヒットしたドラマなわけだから。

驚くほどシリアスなストーリー

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米問屋の大女将

エルセーヌ

長岡輝子さん 。既にご存命では無いのだが、この時すでに大女優。

米問屋の切れ者の大女将。まさにドンピシャではまっていたと思う。

このような商売に関わる事柄をストーリーに組み入れることで、物語は驚くほどシリアスになっていったと言える。

当時の人たちの、様々な立場での胸の内、そして今ではほとんど死語なのだが身分の差や、今でも通用する金銭感覚、損得感情などが巧妙に描かれていた。

またここでの商いは、お金を儲けるだけではなく、信頼と信用に基づく人間関係が1番であることをストーリーの上で如実に物語っていた。

おしんが世界各国で評価される1番の理由は、物語の中に繰り広げられるこの辺のマインドだと個人的には確信している。

役者たちが、様々な役どころに於いて存分に演技できていることが、ドラマを大いにヒットさせた。

この物語をずっと見続けてみて、やはり脚本が良いのだろうと今のところそのように思い始めている。

最後まで見届けるのは、ある意味確認作業と言える。

朝ドラ100回記念

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ヒロイン広瀬すず

 今大ヒット中の朝ドラ「なつぞら」はまさにNHKの朝ドラ100回記念に相応しいヒット中の物語。

この物語が北海道を舞台に出発しているところが、北海道人としてとても誇りに思うのである。

既に物語は東京でのストーリーが展開し始めている。

一体どのようにドラマが展開されるのか、まさに興味が尽きないところだが、このドラマのサービス映像とも呼べるいくつかの試みがある。

それは、かつてこのNHKの朝ドラに出演していたかつての主役級の女優たちを惜しみなく出演させること。

おしんの小林綾子さんはあの、天陽くんの母親の役である。

また比嘉愛美さん、山口智子さんなどこれからも続々と出演してくるのかもしれない。

とにかく1日15分しか放送しないのでこのわずかな時間でそれなりの完結が求められるわけだし、それでいて次の回に続くストーリー性が求められる。

朝ドラの撮影はいろんな意味において強行軍だと言えるだろう。

シナリオは聞くところによると1週間単位で作られてあり、撮影も1週間分まとめて行うと聞いている。

様々な俳優のスケジュールもあるだろうし、現場のスタッフや、その他ロケ現場の確保など、クリアしなければならない事は山ほど。

それでも15分間のドラマは、作るに値するのだろう。

私のような視聴者が、毎朝その放送を待っているわけだから、しかもそれは一人2人ではなく、数字が示すところによればかなりの大勢だと言える。

私の知り合いには、毎回録画をしてライブラリーにため込んでいるものさえいるのである。

こうしている間にも明日の物語の展開がそこそこ気になってきたりして、最近の朝のルーティーンはとても楽しいと思えるように。