昨日から始まった大相撲秋場所。
場所を両国国技館に戻して、たくさんの期待を受けながら力士の登場を待つ。
折しもちょうど台風接近の天気の悪い中の初日となった。
今場所の目玉はなんといっても大関を陥落した貴景勝や、日本国籍を取得した横綱白鵬。
注目力士がどんな活躍をできるのか、相撲ファンの興味が尽きないところ。
目次
白鵬を襲ったアクシデント
白鵬の対戦相手北勝富士。
いつも気合十分の立ち会いで挑んでいく押し相撲は、なかなかの迫力があるが、昨日は見事に金星。
白鵬は立ち会いで珍しく張り差しを狙ったのだ。
しかし、かつてのような勢いがない状態では、ほとんど効果を表す事はなく 揉み合った上に一方的に寄り切られてしまったのだ。
実はこの相撲が元で、古傷の右手小指を骨折してしまったとのこと。
つまり2日目以降は休場することに。
日本国籍を取得してやる気は十分だったが、既に全盛期の力は無い。
これからはとにかく横綱としてどの程度のことができるのかをきちんと考えなければ、年齢を考慮しても何年も相撲が取れるわけではないだろう。
ここ最近の白鵬は、場所のはじめの何番かは、きわどい綱渡りの相撲で勝つ内容が多かったと思う。
全盛期の頃の圧倒的な力、安定感は今は求めるべきものもない。
昨日の1番で残念な結果になった。
再出発貴景勝
場所前のインタビューなどを何度か見る機会があったが、貴景勝は今場所を覚悟の場所と決めているようだ 。
それはとりもなおさず相撲の型。
彼の場合は、突き押しが心情の力士 。
マワシをとって組んで などとやっていると、相撲の幅は広がるかもしれないが、気をつけなければ相撲にまとまりがなくなってしまう。
突き押しの型は徹頭徹尾前に出ることにあるのだ。
彼自身の言葉でその内容にこだわるとのこと。
よほどのことがあっても突き押しの相撲に徹するはず。
当然のことながら大関を目指すためには現在の関脇で、10番勝たなければならない。
決して楽な話ではないだろう。
しかし今の実力から見て不可能な数字とも思えない。
初日の1番で見せたような迷いのない突き押し。
それを千秋楽まで貫き通せるかどうかがカギになる。
豪栄道と栃ノ心


豪栄道は無難に一勝。
もっとも、この相手にあっさり負けてしまうようでは先が思いやられるのだが。
豪栄道の持ち味は前さばきのうまさと相撲の速さ。
そして先手を取った時の相撲カンの良さが心情の力士。
まだ場所が始まったばかりで何とも言えないのだが、ぜひともがんばって優勝争いに加わらなければならないだろう。
栃ノ心は、やはり怪我がついて回っているので本来の実力が発揮できていない。
巨漢力士の逸ノ城相手の場合、先手で攻められないとこの相撲のような不意の反撃を食らうことに。
あっさりと投げをくらってしまって星を落とすことに。
怪我が治らないまま無理を続けた結果である。
今場所も最後まで相撲を取れるのかどうか。
せっかく大関に復帰できたのだ。
何とかがんばって活躍してもらわないとまた大関陥落の憂き目にあうのだ。
相撲を見る限りでも、本来の力強さが発揮できるまでの流れになっていない。
相手力士も大関が相手となれば当然のことながら研究してくるのである。
自分十分な体制になど絶対にさせてはくれないだろう。
そこを乗り越えられなければ白星を重ねられることにはならない。
誰が場所の目玉になるのか
鶴竜はどうやら大きな問題もなく白星発進できている。
初日で先の事はまるで読めないが、やはり1人横綱で鶴竜が 1番優勝に近い位置にいるはず。
白鵬がいないことが何よりも追い風になっているのだ。
このチャンスを生かして連続優勝するわけにはいかないだろうか。
前半戦をどういった内容で越せるのかがポイントになる。
今場所は大関の高安が休場しているので、 見所が1つ減った気がするのだが。
今の相撲界はもっともっと世代交代が進まなければいけないだろう。
既に1線で活躍している力士たちは、 30歳を超えているものも多い。
お相撲さんの30歳は引退するか、現役続行するかの分岐点にあたる。
長く相撲を取り続けるためにはそれなりのメンテナンスを続けなければ、行き当たりばったりで稽古をしていても思うようなことにはならない。
相撲が長く続いてファンを楽しませてくれるためには、力士たちまた親方衆のさらなる努力が必要と思われる。
昨日相撲を見ていて感じたのだが、相撲の取りやすさを重視して、体重を減らしてきた力士が多かったこと。
体が大きくて、目方があればいいと言う考えはあまり褒められたものではない。
相撲を取るための理想的な体の管理が、それぞれできてきた事は良い事と思いたい。