春からずっと続いてきたなつぞらも、いよいよ今週で終わり。
今日の放送を含めてもあと6回。
毎日欠かさず見てきたので、確かに随分と愛着が湧いたかも。
ここからのエピソードは物語の最後の総仕上げ。
なつたち家族と仲間の物語がここに完結する。
目次
いよいよ優ちゃん小学生
あの保育園に通っていた優ちゃんも、いよいよ小学校に入学。
このちょっと前から、十勝の柴田牧場からおばあちゃんの富士子さんが助っ人に。
松嶋菜々子さん。
昔からよく存じ上げている女優さんだが、すらりとした長身で誰の目から見ても美人。
確か今は女のお子さん2人のママのはず。
なつぞら で演じている富士子さんの役柄は、優しさと強さの象徴として描かれている。
なつたちもどれだけ富士子さんに助けられたか。
そして、このたび めでたく名乗り出ることができるようになった千遥親子。
そうした家族たちの登場シーンでも、まるで違和感のない演技が。
清原伽耶は今17歳。
子供を抱えたアラサーのお母さんの役柄をまるで違和感なくこなしている。
ネットで色々と調べてみても、オーディションなしで彼女を主役にして朝ドラが作られるのではないかともっぱらの噂。
ぜひとも見たいもの。
“料亭杉の子”の料理人としての腕前を披露することになった優ちゃんの入学祝い。
テレビで放送されていたわずか数秒間のお重の映像。
撮影用と思いつつも、とても美味しそうに見えてしまう。
これはドラマの設定が少々ずるいかも。
話が簡単に整ってしまうもんね。
大草原の少女ソラにも別れのエピソードが
大草原の少女ソラにも別れのエピソードが描かれるように。
それはほかならぬレイとお父さん。
ソラのところで飼っていた馬が死んでしまうのだ 。
当時としては貴重な農耕馬だったろうが、しかし馬も命ある生き物、病気もするし、また歳もとって力も衰えていく。
家族の中では重要な働き手になるので、ストレスなどもかかって普通に生きるよりも寿命が短いとされる。
そうした大切な家族である馬も物語の中で死んでしまうことに。
馬の死をきっかけに獣医になりたい思いをお父さんに打ち明けるレイ。
学校へ行って勉強するためには、みんなといる牧場を離れなければならない。
このシーンを描くのになつたちはこだわりの作業をするのだ。
もともとの絵コンテでは星空のシーンとなっていたが、エピソードの最後の方で朝日が昇るようにしたいと。
なつ自身が十勝の朝日に励まされて頑張ってこれた経緯があるからと。
この朝日が昇るシーンでアニメーターたちのとっておきのこだわりが表現される。
それは光が差し込むことによってできてくる影。
そして朝日とともに吹いてくる風。
実は、宮崎駿のアニメを初めて見たときに、その絵から風と湿度、そして温度のようなものを感じた。
私の中のイチオシは天空の城ラピュタだが、そこでも風を感じていたと思う。
あの作品を高く評価するのは物語から感じられる空気感。
大草原の少女ソラも同じような効果を狙ったようだ。
こうしてこだわりの別れのシーンは完成する。
大人気アニメの宿命
物語の中で描かれたソラは放送から半年 経った今、大人気アニメとなっている設定。
さてこれだけの人気を支えているものは、一言で言えば作っているスタッフたちのこだわり。
一久さんもなつも自分自身の体験が反映されているので、ほぼ妥協する事は無い。
マコさんがハラハラドキドキするのよそに、放送用の絵コンテを簡単に変更してしまう 。
普通は絵コンテができてくれば、後は全力で作業を進めるしかないので、そこで試行錯誤することなどありえないのだが。
マコプロダクションのメンバーにはそれが普通に起こってしまう。
こうして締め切りの執ような攻撃をひたすら受けながら、自転車操業で物語が作られていく。
本当に自転車操業で、こぎ続けなければ簡単に倒れてしまうのだ。
漫画やアニメーションの世界が、どれほど凄まじい世界かは話には聞いていたが。
寝る暇などない。
締切日までスタジオに泊まり込みは当たり前。
自宅に仕事を持ち帰ることもごく普通。
放送が始まるとこういったことが最終日まで続く。
それもこれも、放送を見てくれる人たちが感動してファンレターをいっぱい送ってくれるから。
ちょうど優ちゃんの入学式の頃なので、設定は4月の最初。
番組の放送は6月までなので、それまでは今のスケジュールが続くことに。
泰樹さんにも届く風
大人気番組“大草原の少女ソラ”を十勝の柴田牧場で、テレビの真ん前で見ている泰樹さん。
彼にとってはソラはなつの思い出と被る。
彼はソラになつとの出会いの頃のエピソードを見ていたと言える。
俳優草刈正雄がこの物語の中で示した圧倒的な存在感。
なつぞら自体が泰樹さんの開拓者の歴史と重ね合わせて描かれているから。
物語の始まりとなるべきキャラクターなのだ。
まるで例えにならないが、スター・ウォーズのアナキンスカイウォーカーのような役どころ。
後にダースベイダーとなって不幸に見舞われる悲劇の物語がスター・ウォーズ。
なつぞらは柴田泰樹が開拓者として北海道に渡ってきて、たくさんの家族と仲間に恵まれ人生を送っていく物語。
もちろん主人公はなつに違いないのだが、開拓者のルーツはなつも泰樹さんから受け継いだもの。
先週の予告編でなつが語っていた
すべての開拓者に乾杯
なつぞら のメインテーマと言えるだろう。