くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おしんで描きたかった世界 橋田寿賀子の思い

 

NHKのBSプレミアムは、朝7時半から今の朝ドラ“スカーレット”を放送するが、その直前に“おしん”の再放送をしている。

いろいろなネットの記事を見ていると、今現在のリアルタイムの朝ドラよりも、再放送の“おしん”が大変な人気のようでその後の“なつぞら”や“スカーレット”をしのぐ人気と聞く。

“橋田寿賀子”原作の今では伝説となったドラマ。

このドラマを書き上げた“橋田寿賀子”がインタビューに答えて語っていたのだが。

このドラマの企画を持ち込んでは断られ続けた過去があったようだ。

お名前.com

目次

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橋田寿賀子さん90歳を超えてもお元気

【BROOK'S かんたん ぬか美人】

おしんの再放送今はこの辺

九州から秋田へ逃避行

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姑きよとおしん家族

九州で姑“きよ”に散々いじめられる。

今再放送でやっている分は、この九州から逃げ出し再び東京で暮らそうとするも、やはり様々な理由があって叶わぬ事と知り、秋田へ里帰りするのだ。

実家に戻ってはみたものの、長男夫婦が家を仕切っており、生活はやはり苦しい状況。

そこでの暮らしも、やはり味方になってくれるのは母親くらいなもので、ゆっくりと安心して暮らせるはずもなく。

やがて、その実家も離れて秋田の酒田の“加賀屋”に大女将のお見舞いを兼ねて移り住むことに。

“加賀屋”ではおしんと同い年の“加代”が婿養子を迎えて家業を次いでいたのだが、おしんが加賀屋にやってきたことを受けて何かと世話を焼いて、商売の道筋をつけさせることに。

幼なじみでもありながら、おしんの良き理解者。

また、おしんも献身的に尽くしたことがあって2人の絆はとても強い。

婿養子を迎えた加代は、残念ながら結婚生活はあまりうまくいったとは言えず、夫は外に妾を囲って子供まで設ける始末。

しかし、その夫もやがては加賀屋に戻ってきて加代との間に子供を1人設ける。

既に何十年も前の物語なのでざっくりと説明するが、この加賀屋の婿さんは為替相場で大失敗をして加賀屋を倒産させてしまうのだ。

そして婿自身も自殺をしてしまう。

一家は離散。加代は東京に出て女郎屋で働くことに。

紆余曲折を経ておしんと再会するが、その時はすでに病におかされていて、喀血の血を喉に詰まらせてそのまま死んでしまうのだ。

おしんは子供を引き取ることとなった。

あれだけ世話になった加賀屋だが、歴史の流れに埋もれて消えてなくなってしまったのだ。

おしんは坂田で加賀屋の援助を受けて商売を始めたが、やがて伊勢の方で魚屋をすることに。

その頃から少しずつ暮らし向きも安定を迎えるようになったのだ。

今描かれているのはこの辺の話なので、まだ全体の3分の2ぐらいだろうか。

おしんは1年間続いた朝ドラである。

 全体の放送回数は297回。

おしんの一生を描くにあたって、子役の時代を“小林綾子”、青年時代を“田中裕子”、老年期に入ってからを“乙羽信子”が演じている。

これら3人の女優の共演。

とにもかくにも最高視聴率は60%を軽々超える。

この間終わったなつぞらが、平均で20%程度と聞く。

この数字もかなりの優秀な成績だと言えるのだが。

おしんの数字は、全く別次元だろう。

ドラマの放送は日本だけに限らない。

世界中で支持され愛されてきたのだ。

橋田寿賀子が描きたかったもの

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橋田寿賀子とご主人 そしてかつての仲間たち

橋田寿賀子は戦前の生まれであるが疎開経験をしている。

彼女の疎開先が何を隠そう秋田県なのだ。 

実は、この疎開先で1ヵ月過ごしたのだが、その時の体験が物語の中に大きく生かされている。

彼女は早稲田大学の演劇部にも所属していたことが。

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正直なところとても知的なお嬢さん

彼女が描きたかったのは戦争の前から戦争を経験して日本がどのように発展していくかを、1人の女性の目を通して描いてみたかったとのこと。

特に秋田に疎開したときの経験から、貧しい農家で娘が奉公に出されるときには筏に乗って行くと聞いたので、そのまま脚本に書いたようだ。

番組スタッフは大変な思いでこの筏をわざわざ作ったと聞いている。

そして九州の佐賀県で、姑に散々いじめられるが、それも自分の体験からだと語ったことが。

彼女も姑がいて多少は嫁姑の問題があったようなのだ。

その時に彼女がとった行動は、決して引き下がることなく“議論しましょう”との逆パターンでの反撃だった。

そのエピソードが生かされたようだ。

また終戦後、おしんの夫“龍三”が自ら命を断つのだが、その時の設定は戦争に加担したと自覚したものは軍属でなくても責任をとって自殺する人ぐらいいたっていいじゃないかとの思いからそのような設定にしたらしい。

そして、おしんのように等身大の幸せがどれだけ大切かを訴えたかったらしいが、時はちょうどバブル。

橋田寿賀子の思いが届く事はなかったようだ。

ドラマの成功は間違いなく大変なものだったのだが。

そしてドラマは伝説に

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おしん3世代

このドラマは放送されるたびに様々な反響を呼ぶ。

あのなつぞらの“なつ”と“おしん”を比べて、なつの苦労が足りないことを指摘する投稿もずいぶんあったようだ。

ドラマの登場人物にそこまで感情移入するのもかなりのツワモノと言えるが、Twitter等ではそのような投稿は数限りなく見かけた。

特に気の毒だと思ったのは女優広瀬すずが、かわいそうなくらいディスられていたこと。

やること成すこと、一挙手一投足がすべて批判の対象になるようなそんな風潮が。

私が見る限りでは、女優広瀬すずに他意があるはずもなく、役柄を一心不乱に演じていただけだとそう解釈するが。

しかし、おしんの物語の破壊力はハンパなく凄い。

再放送で何気なく放送しているのだろうが、気をつけなければ次に来るメインの番組も食われてしまう。
 そのぐらいの強烈なイメージとメッセージをこの番組は秘めているのだ。

企画書を提出しても何度もはねられて、橋田寿賀子がこの物語をドラマとして実現するためにはそれなりの努力を必要とした。

作家橋田寿賀子の一世一代の大ヒット作品。

橋田寿賀子には、20年近く連れ添った夫がいたが、その夫を60歳の時に癌で亡くしている。

肺腺癌と聞いた。

夫には決して告知することなく仕事をそのまま続けて、夫の病気のことを悟られないように死に物狂いでがんばったようだ。

作家橋田寿賀子も苦労人である。

いまだに創作意欲は衰えず、特に“渡る世間は鬼ばかり”は一体何年続いているのだろう。

現在94歳だが、当面の目標として100歳まで現役で頑張って欲しいもの。