先月末から始まったスカーレット。
今週1週間は、まだ子役たちの時代なので、いまひとつ物語がぴんとこない人が多いかも。
でも、今日あたりから主人公喜美ちゃんの人生観に大きく影響を与えるだろうことが少しずつ披露される。
それはお父さんが大阪から連れ帰ってきた復員兵“草間宗一郎”
彼は喜美ちゃんやお父さんとは感じ方が間逆の人で、一言で言うなれば、
全ての面において奥ゆかしい
どうやら、喜美ちゃん その奥ゆかしさを少しずつ学ぶような気配。
目次
喜美ちゃんとお父さんは似たもの同士


この親子は、まだ始まって何話も過ぎてないけど 見た者同士だということが判明。
お父さんは一言で言えば直情的。
おそらく怒る時も、瞬間湯沸かし器のようにすぐ沸騰するに違いない。
情に厚い部分がある反面、とても封建的で家族など身内の話をしっかり聞くこともなさそう。
かなりの酒好きと見えて、あちこちで酒を振る舞われたら断る事は無い。
さて、長女の喜美ちゃんもほとんど反応はお父さんと同じ。
自分が最初に感じたことを歯に衣着せぬ物言いで、何の考えもなしについ口走ってしまう。
子供ではあるが、自分の得にならないと知るや、ほとんど興味を示さない。
お父さんから普段言われているのは、お母さんをきちんと助けることぐらいだろうか。
「女に教育などいらん!」
どうやら一部の九州男児がよく思っていることを地で行くようだ。
こうして見てみるといいところがすっかり隠れてしまって悪いところばかり目立つようでもあるが、しかし、彼らは間違いなく善人。
およそストレスを溜め込むようなタイプではなさそう。
お父さんはともかく喜美ちゃんはこれから成長するにつれて、様々なことを学ぶ必要が。
このまま好き勝手なことばっかりしていても、損するのは喜美ちゃん自身なので。
焼き物の秘めたる魅力
草間さんと慶乃川さん
信楽焼の土の魅力について語り合っているところ。
ここで草間さんの感性の鋭さが披露されることに。
信楽の里のこの辺はもともと琵琶湖の湖底だったとのことで土の中に砂が混ざって少し荒い感じがするらしい。
逆にその粗さは焼き物になった時にぬくもりを表現できるとのこと。
「陶器になっても温かみを感じる。」
こういった批評は慶乃川さんをとても気分良くさせる。
喜美ちゃんも一緒になって慶乃川さんの陶芸家としての作品を見たいということに。
陶芸家は基本的には土選びからその仕事が始まると言えるだろう。
良い土を求めて全国を行脚する陶芸家も多いと聞く。
ここの信楽では原料となる土も売買の対象。
陶芸を志すものは、陶工(単なる職人のこと)ではなく、芸術家である陶芸家を目指したいとのこと。
そうやって自分だけのオリジナルの作品を作って世の中に発表する。
ただし、なりたい人は山ほどいるが、成功できる人はほんのひとつまみ。
皆、土に触ると創作意欲をかき立てられるらしい。
実はここでのエピソードでは、喜美ちゃんがお父さん譲りの性格で、慶乃川さんの作品を“あからさまにけなしてしまう”のだ。
「こんなものはあかん!」
実はこのやりとりを草間さんは子供とは言え、「やってはいけない発言だった」と後で喜美ちゃんに説教する。
たとえどのように感じたとしても、言い方次第によって相手を傷つけてしまう。
草間さん曰く
「慶乃川さんに失礼だったんだよ」と。
この指摘を受けた喜美ちゃん。
幼い子供ながらも、身に染みて反省するのだ。
何よりも草間さんの奥ゆかしい佇まいに好感を抱いていたこともあって、自分自身の欠点を恥ずかしいと思ったに違いない。
それが証拠に、後になってから、わざわざ慶乃川さんのところに謝りに行くのだ。
お父さん譲りの直情的な性格が災いしたちょっとしたミスだったんだけれど、そのことを素直に自分自身の非と認め、謝罪の行動をすぐに取れるあたり、とても性格の良い子だと描かれている。
喜美ちゃんの魅力は、何といっても素直で朗らかなこと。
これからの物語でも、その部分でたくさんの良い縁にめぐり合えるようになりそう。
貧乏な人はまずお腹の足しになることを考える
やはり貧乏ゆえに、駄菓子を買うこともままならない。
腹の足しになることをまず第一に考えてしまう。
いつもお腹を空かしているのであれば、それは致し方ない。
そのことを象徴するような紙芝居でのエピソード。
わずかばかりの駄菓子を買うお金もなかった喜美ちゃん姉妹。
妹が紙芝居を見たいと訴えるのも聞き入れることなく、
腹の足しにならないものには興味がないと言い放つ。
紙芝居だけでもみたかった妹にしてみれば大いに不満だったかも。
戦争が終わってすぐの頃のこの時代だと裕福な人はほぼ限られただろう。
子供にお小遣いを持たせる家庭もそれほど多くはなかったと言える。
この紙芝居で駄菓子を売って生計を立てる紙芝居屋さんもこの当時の風物詩。
私の子供時代だとお菓子ではなく、確か“水飴”を売っていたような気がする。
割り箸にちょっと硬い水飴をぐるぐる巻きつけて子供たちに売るのだ。
水飴のみだと確か5円だったと記憶。
この水飴に塩せんべいを2枚挟むと10円。
このころの子供たちは、ほとんど水飴のみで紙芝居を見ていた気がする。
私の記憶の中では小学校に上がった直後くらいなので、昭和30年代だったろうか。
喜美ちゃんの意外な得意技
今日の放送の中ではさわりの部分だけしか語られなかったが、喜美ちゃんには 他の人に自慢できる才能が1つあるのだ。
それは絵の才能。
モデルとなった神山清子さんは陶芸家になる前は絵付け師として仕事をしていたのだ。
模様や図柄を描くことが得意だったということで。
明日のエピソードでは喜美ちゃんの描いた絵が披露されるはず。
多分、真っ先に見せるのは草間さんのはず。
そして草間さんは喜美ちゃんのことを上手に褒めるに違いないのだ。
草間さんとはそうした人。
見ず知らずの人に対しても優しさや思いやりで接することができる。
自分自身の欲望や感情をそのまま表現する事は無いのだ。
そういった草間さんを密かに尊敬し始めている喜美ちゃん。
今週は、そういった草間さんとのエピソードで物語が進んでいきそう。