今日から本格的に登場となった戸田恵梨香。
多分、女優としての本能みたいなものでこの役柄の持ち味を決めているに違いない。
- 明るく屈託ないこと。
- がんばり屋さんなこと。
そこら辺をどんなふうに演じるか。
相手役を演じるのが大島優子と林遣都。
この2人もそれぞれ自分の役柄を最大限発揮しようと活躍する。
目次
丸熊陶業内定取り消し
ちなみに物語で登場する“丸熊陶業”は現在の“近江化学陶業”
モデルとなった会社は、しっかりと実在する。
昭和30年ちょい前ぐらいまでは、全国シェアでも有数の火鉢製造の会社。
この物語でも照ちゃんのおうちとして描かれている。
実は、学校での成績がとても良い喜美ちゃんは進学の勧めもあったようだ。
しかし、家の事情を考えると、お金のかかる進学などとてもできるはずもなく、喜美ちゃん自身も早く働きたかったので、地元の就職先として丸熊陶業を選ぶことに。
なんといってもここのお嬢様の照ちゃんの推薦があればこそ。
話はとんとん拍子に進んではみたものの、ある時、社長自ら喜美ちゃんを呼び出す。
それはなんとも切ないことだが“内定取り消し”の通達。
理由は、現場で働く男たちが、
“15歳の少女が1人混ざってきたのでは、とっても仕事にならない”
との苦情が出たらしいのだ。
それは喜美ちゃんにとってとても不本意なことだが、受け入れざるを得ない。
気を使った社長はわざわざ喜美ちゃんの自宅まで赴き、丁寧な挨拶とともに菓子折を置いていくのだ。
妹たちは能天気
しかし、内定取り消しの事実は喜美ちゃんにとっても一大事。
いつものように明るく振る舞って、ニコニコなんかできるはずもなし。
そして、家族にもなかなか言い出すこともできない。
自分のことなのに、周りの人がびっくりしないように気を遣って1人思い悩む喜美ちゃん。
能天気な妹たちだけ、お菓子をたくさんもらってはしゃいでいる始末。
しかし、この厳しい現実はすぐ後でみんなの知れるところとなり、次の就職先を見つけるべく行動することに。
なかなか、地元では働き口があるはずもなく。
照ちゃん曰く、l
「私が会社のみんなを説得するからちょっと待っとき」
親切心からそのように力を貸してくれることに。
関西の漫才でよく使われる描き方
本人の思惑とは全く別な方面に話が進んじゃって、内定は取り消しなのに、周りの大人たちは喜美ちゃんへ就職祝いを準備する話を。
とてもいたたまれなくなって、ついに泣き出してしまう喜美ちゃん。
本当はみんなに自分から言わなきゃいけなかったんだけど、残念ながらそのチャンスを逸してしまって、そのうちどんどん就職祝いの話で盛り上がってしまう。
さすがの喜美ちゃんもこれにはすっかり大弱りで、大泣きしてしまうのだ。
こういった勘違いで話をどんどん進めるのは関西のお笑いで得意とするやり方。
漫才でもボケとツッコミでよく用いられるし、吉本新喜劇などでもありがちなストーリー。
面白いのは間違いないが、物語の主人公の気持ちを考えるとちょっと気の毒。
こういった、いじりで面白さを追求するのが関西風。
正直、全国レベルで考えたときに“誰もが面白いと感じるのかな?”と思わないでもない。
私なども、どちらかと言えばちょっと反応が鈍いかも。
ストレートに表現してもらったほうがわかりやすいタチなので。
関西流のお笑いは、笑いを取るまでの1連の流れに時間をかける傾向がある。
要するに、間に困っている人の“困り具合”を見せることによって面白さに拍車をかける。
大阪で働く!?
実は、内定取り消しの連絡を受けたときに真っ先に動いたのはお父さん。
お父さんは喜美ちゃんのために、知り合いをたどって働き口を見つけてきた。
やはり、地元信楽では就職先を見つけることにはならず、決めてきてもらった先は大阪。
喜美ちゃんは春からは大阪で女中さんとして働くのだ。
その時にいろんな人と出会うことに。
女中さんの所では三林京子さん扮する女将と出会う。
この女優さんはずいぶん昔から朝ドラなどで活躍している。
今回再び登場することに。
そしてここで登場する新たな出会いとなる人
その人こそ西川貴教くん。
彼は芸術家としての登場になるが、調べてみるとなんとあの“岡本太郎”がモデルらしいのだ。
“岡本太郎”と今の“近江化学陶業”はかなり密接な関係にあるようだ。
それは、この後物語の中でおそらく明らかにされるだろうが、後に“大阪万博”で“太陽の塔”を製造する岡本は、近江化学陶業のタイルを太陽の塔の背面に使用している。
会社と芸術家のちょっとしたエピソードがあってとても結びつきが強いのだ。
それは岡本が信楽焼の良さを認識していたからに他ならない。
こうして、喜美ちゃんは大阪で1年間働くことに。
丸熊陶業へは、今は就職が叶わなかったが1年後には絵付け師として採用されるのだ。
それは昭和29年の話。
ちなみに実際のモデルの神山清子さんは昭和38年には近江化学陶業を退社している。
つまり、その時から女流陶芸家として出発している。
物語はそう時間をかけずにその辺まで描かれるようになるはずだ。
それまでに結婚もするはずだし、子供も授かることに。
明日以降の続きと言うことで描かれるのを待つ。
さて、今回の朝ドラ“スカーレット”は前回の“なつぞら”の後を受けているので、その流れで今も見続けているが、前回のインパクトが強烈だっただけに、今回は前回までには至っていない。
しかし前回同様芸術に関わる物語を作っているので、わたし的には興味津々なところ。
楽しみにして明日の放送を待つことに。