くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

フィギアスケート女子に訪れた新時代

 

そろそろシーズンの始まったフィギアスケート。

男子も女子も、主力選手が虎視眈々とトップを目指してこだわりのプログラムで演技。

フィギアスケートは、特殊な世界で男子も女子もとにかく技術力が問われる。

ほとんどの場合を除いて、個人で1人で行う競技なので強靭なマインドが求められると同時に、訓練によって培われた様々な技術が、どのレベルにあるかによって上位入賞できるかどうかが決まってくる。

その中でも特にわかりやすいのが“ジャンプ”

何回転 回る家で採点がまるで変わってくるのだ。

今は男子も女子もどうやら4回転の時代に突入。

とりわけ女子選手で4回転を飛べるとなると、その選手は限られる。

今シーズンに入ってから満を持して参戦してきたロシアの選手たち。

驚くべき実力者たち。

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目次

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前回のオリンピックでのロシアの2枚看板女子選手

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今期注目の女子選手は?

アンナシェルバコワ

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ロシアの新星まだ15歳

この子は、この間のスケートアメリカで4回転ジャンプを3回成功させて逆転優勝している。

女子のフィギアスケートの常識を完全に覆した演技。

この凄まじい技術力は一体どこから来るんだろうか。


アンナ・シェルバコワ 逆転優勝 スケートアメリカ

YouTubeでこの画像を発見して、しげしげと見てみたが、実は白状すると何回転しているかは、私の目にはよくわからない。

“たくさん回っているよな!”くらいの印象しか受けない。

素人の目には、数種類あるとされるジャンプの種類を特定できないし、スローモーションで解説を入れてもらわないと、どの類の技を行ったのかも実はよくわからないのだ。

しかし、“滞空時間の長さ”、“観客のどよめき”そういったものでどんなことがなされたのかを判断するしかない。

恐るべき15歳と言えるが、日ごろの妥協を許さない訓練と、本人の恵まれた素質によるものが大きいと言える。

そしてこの競技の女子選手の特徴として、10代の半ばであること。

小柄で成長期がまだ始まっていないカラダであること。

16歳から17歳くらいになって、ある程度体が大きくなってくると、思ったようなジャンプが飛べなくなる傾向にある。

かつてチャンピオンだったメドベージェワ選手やザトワとは選手も、成長期になって競技の結果がいまひとつ出せなくなったと記憶する。

しかし、年齢をそれなりに経ていくと、表現力の点ではどんどん高まっていくはず。

“スピン”であったり“ステップ”等はむしろ年齢を経た選手の方が上手だと言えるだろう。

アレクサンドラトルソワ

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この子も4回転ジャンプを軽々と

シェルバコワと並んでロシアの新世代を代表する選手。

4回転ジャンプを最初に大会で成功させたのもこの子であったと。

彼女もまだ15歳。Jrからシニアに転向したばかり。

持ち味は3種類の4回転ジャンプをこなすこと。

ルッツ、サルコー、トゥループ。このほかにアクセルなどもあるのだがアクセルは半回転余分に飛ぶので男子でもまだ成功者はいない。

4回転ジャンプはここに挙げた2名の女子が先駆者で、彼女たち以外には取り組んでいる選手はそれなりにいるようだが大会で成功させているのはこの2人だけと記憶する。

日本ではかつて安藤美姫が4回転を飛んだようだが、大会で1度きりなので、それ以降はチャレンジもしていない状況。

単純に1回多く回るレベルの話ではない。

素人ながら思うのだが、一般的に今、誰でも披露している3回転 回る感覚と4回転 回る感覚はどう違うのだろうか。

回っている最中は回数をカウントすることなど当然していないと思うので。

飛び上がったなら、着地するまでほとんど無意識で行わなければならないだろう。

ジャンプするときの踏み切りのエッジの位置で、ジャンプの名前が決まる事はうすうすは知っている。

しかし、それがどれがどうなのかは皆目見当もつかず。

ここに挙げた2人は小柄であるとは言いながら、それぞれ身長が152cmと155cm。

体重は推定だが40kgの手前と思われる。

競技となればどうしてもジャンプを中心に考える必要があるので、小柄で身軽な事は絶対的に有利な条件なのだろう。

かつてのチャンピオンたち

アリーナザギトワ

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技術に磨きがかかりさらに女らしさを増している

平昌オリンピックで金メダルを取った事はあまりに有名。

前評判ではメドベージェワ選手が本名で、彼女は確か2番目くらいの予想だったと記憶。

しかし、伸び盛りの当時15歳だった彼女は、ミスなく軽々と演技をこなし僅差で本名を退けたのだ。

このときのわずかな点数の差を今でも覚えているが、確かフリーの演技ではメドベージェワ選手と同じ点数だったと記憶。

前日に行われたショートプログラムの演技でほんのわずかに差がついてトップになっていたのだ。

この時採点状況を見ていた専門家たちには共通の意見があったと記憶。

それはフィギアスケートの採点基準の裏を突くやり方で、演技時間の後半に難しい技を集中させることで特殊な加点がなされる。

それを狙って、本来散らかすべき大技を全て後半に持ってきて高得点を得ていたのだ。

そのことを指導したコーチにそれなりに批判が集まったと記憶。

私の素人考えでは、それだけのプログラムに応えるだけの技術が彼女たちにはあった。

長くフィギアスケートに関わってきた人たちは、彼女の演技の前半部分はまるで見るべきものがないと批判的だった。

なるほど言われてみたらそんなものかと。

ザギトワ選手はオリンピックの後から成長期に入り、急激に体が大きくなったことが影響してジャンプを飛ぶことに著しく影響が出たと思った。

フィギアスケートの選手は体重が500グラム増えてもジャンプはうまく飛べないとされる。

そのくらいデリケートな技術で出来上がっているらしいのだ。

彼女の場合は成長期とのことがあって1キロ2キロ体重増になったようだ。

競技が終わった後で自分自身のふがいなさに大粒の涙を流していた映像を今でも思い出す。

「骨盤ウォーカーベルト」

エフゲニヤメドベージェワ

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かつてのチャンピオン 大変な努力家で知られる

17歳前後の時の彼女はまさに敵なしだったと言える。 

彼女は努力に次ぐ努力で実力をつけて記録を残してきた選手。

本番でミスをしないことも有名で、Msパーフェクトの称号も。

平昌オリンピックの直前、彼女は1つだけミスをしたのは、トレーニングのやり過ぎで疲労骨折をしてしまったこと。

骨折すると普通骨がくっつくまで1ヵ月かかる。

その後リハビリをして、トレーニングを開始できるようになるまでにさらに1ヵ月。

そしてトレーニングを始めて選手に戻ることができるのは、最低でも3ヶ月から半年は必要だろうと思われるのだが、彼女はわずか1ヵ月程度でそれをやったと記憶。

よほどのプログラムで回復させたとは思うが、1つ間違えば全てフイになるような危険な状態だったとも想像できる。

このようなアクシデントを乗り越えてオリンピックでは銀メダル。

彼女はなんとしても金メダルをと思ったに違いないが、この時ロシアの新星ザギトワ選手が 栄光をつかむことに。

ロシアの隠し球“エテリトゥトベリーゼ”コーチ

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ロシアの注目選手たちは皆この人の教え子

彼女自身コーチをしながらだが、かつて選手としても活躍していた。

もともとはシングルの選手で後にアイスダンスに転向したとの事。

結婚はしていないがアメリカで娘さんを1人設けている。

この娘さんもスケート選手でアメリカのアイスダンスの代表をしているようだ。

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手前はザギトワ選手 奥の2人が親子である。

娘の名前が“ダイアナデイビス”と言ってほとんどアメリカ人のような名前。

現在16歳で母親と同様アイスダンスの選手をしているようだ。

このお母さんがコーチとしては大変な実力者で、メドベージェワ選手以降のロシアの代表選手は、皆彼女の指導を受けて結果を残せるように。

単なるスパルタ教育では無いようだ。

選手一人ひとりの才能を見抜く力、またその才能を生かして遺憾なく発揮させる指導力。

これらの点でずば抜けた才能を発揮しているらしい。

当分の間は、この人のコーチから有力な選手が輩出されるに違いないのだ。

【BROOK'S かんたん ぬか美人】

注目の日本人選手たち

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紀平梨花と坂本花織

日本人の選手たちも頑張っていると言える。

日本ではかつて“浅田真央”ちゃんと言う大変なアイドルが存在した。

彼女が引退した後は、一体誰が表舞台に出てくるんだろうと思ってはみたが、日本人の選手層の厚さは男子も女子もかなりのものがある。

Jrの時代から子供たちにフィギュアスケートを習わせる大人たちは多いわけだし、また子供も憧れを持って競技の世界に入ってくるようだ。

ここで日本の代表的な選手も、少しずつ代替わりが進んでいると言える。

“紀平梨花”は“トリプルアクセル”が代名詞で、競技会でも高い確率で成功させている。

そして今は4回転ジャンプに挑戦中とのこと。

条件が整えば大会でも披露したいとの話を聞いている。

またもう1人“坂本花織”も実力者。

彼女も安定した力を発揮していると言える。

女子選手の競技会ではいまや、何か目玉になるような技がなければ上位入賞は望めない。
 どの選手も驚くほどレベルアップしていて、ほかでできないような技を繰り出さなければ高評価を得られにくい傾向にある。

次のオリンピックは多分あと2年ほどでやってくるが、女子選手も必ず4回転を飛ぶ時代に入ってくる。

今は、わずか、1〜2名の選手だけが可能としている大技だが、今シーズン中に他の選手でも挑戦する人が出てくるはずだ。

このような技術革新がなされて、初めて高得点、優勝の二文字が見えてくるはず。

私が高校を卒業して大学受験だった時、ちょうど札幌オリンピックがあった。

その時のアメリカの女子選手のジャネットリン選手は当時のアイドルだったと記憶。

しかしあの子たちといえども、トリプルジャンプは飛んでいなかった。

彼女たちが競技の中でわずかに飛んでいたのがダブルアクセル。

女子選手の実力はあの当時、このぐらいのレベルだったのだ。

それが今はトリプルジャンプはおろか、4回転ジャンプも誰もが飛ぶ時代に。

大変な進歩と言えるだろう。

印象としては100メートルを10秒程度で走っていた時代から、一気に進んで7秒台で走るような印象を受ける。

そのくらいの進歩を感じてしまうのだ。

さて、思うにこの競技につきものなのは怪我だと思う。

女子にしても男子にしてもトレーニング中に怪我をする選手はとても多いと言える。

素人で何もわからないが、怪我をしてしまったのでは元も子もないのだ。

競技に集中する心と自分自身の体を安全に守る心。

それらをきちんと両立させて長く競技生活を続けて欲しい。