普段、じっくりテレビを見ているようで見ていない私が、昨日の夜7時からのグランプリカナダの放送は、しっかり見させてもらった。
男子、女子ともにショートプログラムの競技。
女子選手は注目は、やはり日本の“紀平梨花”を中心とした上位陣の争い。
そして男子はあのレジェンド“羽生結弦”が出場している。
前評判もいろいろ聞かされていたので、期待を持って観戦することに。
目次
女子の熾烈な争い 明暗を分けた戦いぶり
女子選手も、今や4回転ジャンプが当たり前になりつつ時代。
しかし、ことショートプログラムに限っては、“4回転を飛ぶ事は禁止”されているらしい。
許されているのは“トリプルアクセル”まで。
4回転ジャンプが解禁になっていない状態で、あのロシアのトルソワは選手はどんな演技をしたのだろうか
4回転少女アレクサンドラトルソワ
普段は髪の毛を頭の後ろに束ねているので、実際どのくらいの長さなのかわからないが、解いてみると腰の下まで届くほどの長髪。
ショートプログラムでの彼女は4回転ジャンプを封印しての演技。
本人の感想では、
「いつでも飛べるので早く解禁してほしい。」
3種類の4回転ジャンプをこなすので、その能力は男子と全く変わらず。
男子選手でも4回転ジャンプを高い確率で成功させられるのは、ほんのわずかな人たちのみ。
女子で飛べるのはこのトルソワ選手と シェルバコワ選手だけと聞いている。
ただし、情報をいろいろ確認していると、アメリカにも1人飛ぶことのできる女子選手がいるようだし、日本でも練習中の選手は紀平梨花など。
彼女の凄さはどうやらそのトレーニングにありそうだ。
Анна ЩЕРБАКОВА Александра ТРУСОВА Some clips @ Quad ladies on japanese TV Nov 2018
レア映像と言える。
エテリコーチの説明もあってとても興味深い。
撮影されたのはどうやら1年前らしく、2人の少女は14歳と紹介されている。
かつてのチャンピオンが抱える苦悩 メドベージェワ
実は、彼女はもともとはエテリコーチの下でトレーニングをしていたのだが、平昌オリンピック直後からカナダに拠点を移して、羽生結弦のコーチに師事しているようだ。
実は、その頃から成績がいまひとつ振るわないのだ。
様々な理由があるとは思うが、やはり環境が変わったこと、また彼女自身のトレーニング方法が今まで通りのやり方では(限界を超えて頑張るやり方)、通用しなくなってきているのかも。
彼女は現在19歳。
白人の女性にしては小柄な方で、身長はまだ158センチで体重も40キロそこそこと思う。
ジャンプが飛べなくなるような雰囲気ではない。
昨日の演技では、出だしこそ好調だったが、2度目のジャンプでわずかに体勢を崩すと、 3度目のジャンプでは転倒してしまう。
この転倒のときの“苦痛に歪んだ彼女の表情”を、とても印象深く見ることに。
競技が終わった後も、彼女自身不本意な演技だったと見えて、笑顔は全くなく、頭を抱えていたように思う。
かつての世界チャンピオンも今はとても苦悩しているような状態。
韓国の新星ユヨン15歳
この子もまだ15歳なので、驚くほど若い。
ロシアの4回転ジャンプの少女2人と同い年。
彼女は身長が160センチほどですらりとした長身の選手だが、その実力は私の見る限りではキムヨナを軽く超えている気がする。
彼女はトリプルアクセルをごく普通にこなす。
昨日も演技の最初の方で見事なトリプルアクセルを決めていた。
かつて、浅田真央の代名詞と言われた高度な技だが、今では何人かの選手は女子でも軽々こなしている。
フィギアスケートの世界では技術革新がとても早いのだ。
現在15歳となれば 、次のオリンピックには間違いなく主力選手として出場してくるだろう。
金メダル候補の一角を成すような気がする。
紀平梨花の完成度
紀平梨花は、いつもショートプログラムで失敗をする傾向にあったが、今期の目標として“パーフェクトな演技”を掲げていた。
その目標通りの見事な演技で1位発進している 。
なんといっても彼女の魅力は冒頭で行うトリプルアクセル。
見ていても、事もなげにこなすあたりが実力のほどをうかがわせる。
アクセルジャンプだけは特殊な踏切(前向きで振り切る)なので、素人でもよくわかるのだ。
また彼女の演技内容はジャンプだけではなくステップ、スピンどれをとっても高難度で見るものを魅了する。
今回出場選手の中で80点以上をたたき出したのは彼女のみ。
久しぶりにお目見え本田真凛
久しぶりに見た本田真凛。
彼女は大会直前に交通事故にあって右足を負傷しているのだ。
動けば痛みがある状態なのだろうが、本人のたっての希望で出場を強行したらしい。
彼女も活動拠点を日本からカナダに移している。
スケート漬けの毎日を送っているのだが、もう年齢は18歳。
本田3姉妹の上のお姉さん。
真凛ちゃんの演技も大きなミスはなく、とても魅力的に見えたのだが、いかんせん他の選手たちのアピールがすごくて、どうしてもその影に隠れてしまいがち。
年齢を考えても、今がちょうどスケート選手として脂が乗りきる頃。
これから頑張って結果を出して次のオリンピックを目指したいらしい。
日本の女子選手の中では中堅クラスに位置するが、日本の選手層はとても厚いので、オリンピック代表に選ばれるかどうかは微妙な情勢。
しかし、なんといっても可愛らしさと豊かな表現力でとても人気の彼女。
ぜひともがんばって結果を残して欲しいもの。
男子はなんといっても羽生結弦
久しぶりに羽生結弦の演技を観戦。
男子選手の中にあっても、彼の存在感は全く別次元。
すでに24歳で今まさに絶好調と言えるだろう。
彼は新しい技術革新として4回転アクセルに挑戦中と聞く。
実は、この技を取得するためには5回転回るだけの力がなければ挑戦できないとされているようだ。
そしてその5回転を練習する中で、成功したとかしないとか。
これは下馬情報だが、練習をしているのは間違いないんだろう。
私が思うに、羽生結弦の最も大きな特徴は“集中力”だと言える。
彼はよほどでなければミスなどしないのだ。
その意味でも“Mrパーフェクト”と呼んでもいいのかも。
強靭な精神力もあって、自分自身を厳しく追い込む訓練方法は他の追随を許さないようだ。
おそらく、次のオリンピックまでがんばりきるつもりでいるのだろうと推察。
今回の過去の最高得点に肉薄する高得点も、しっかりとした裏付けがあって勝ち取ったものだと思う。
彼にはまぐれとか、偶然とかといった事は通用しない気がする。
今晩行われるフリープログラム
女子は紀平梨花がトップで走っているが、トルソワ選手はどうやら4回転ジャンプを3本から4本予定しているようだ。
男子でもたじろぐような恐るべきプログラム。
もしこれらのジャンプがすべて成功するならば紀平梨花の優勝も危ういと言える。
またたくさんいる選手の中で、今回2位につけているユヨン。
この15歳の少女も驚くべき完成度。
紀平梨花を交えた3人の戦いになると言える。
そして男子は完成度の高さから行って羽生結弦の優勝が強く予想される。
他の選手に比べて安定感が別次元なのだ。
まずは今晩の試合をじっくり観させてもらって、その上で結果の感想をまとめてみたい。