たまたまテレビのニュースの後でやっていたNHKの番組 “グッドスポーツ”
この中でフィギアスケートの“紀平梨花”の特集が。
彼女のスケートに対するストイックさをいろいろな角度から、しかもいろいろな人の証言をもとに考察していた番組。
その番組を見ながら、改めてフィギアスケートの選手たちがどれだけシビアな世界に生きているかを認識。
思い切って2022年の北京オリンピックの時の優勝予想なども、ひょっとしたらできるかもと。
目次
2022年北京オリンピック
2018年の平昌オリンピックの後を受けて2022年は北京で開催。
アジアで2回連続するので、この後はよその地域に移動するはず。
最近の報道を見ていると、来年の東京オリンピックもマラソンや競歩などで開催場所を急に変更するなどかなり揉めている様子。
この時期に変更するのは、随分と急な話だと思うと同時に、なぜ今になってと違和感を感じる人も多いのではないか。
さて、とりあえずオリンピックを主催する側の様々な思惑は置いといて、ここは次の北京オリンピックでのフィギアスケートについての考察をしてみたい。
NHKでも1時間半の番組の中では、“紀平選手”の様々なこだわりについていろいろな人の証言をもとに考察されていた。
彼女の代名詞とも言える“トリプルアクセル”
こだわり抜いた中から生み出された技と言われているが、トリプルアクセルをかつて代名詞にしていた日本人選手は紀平梨花を含めて3人。
「伊藤みどり」「浅田真央」「紀平梨花」
実は番組を見ていて納得できたのだが、それぞれのトリプルアクセルは3者3様。
その中で特に興味深かったのは、伊藤みどりが最初に成功させたトリプルアクセル。
実はこのジャンプは、何度か失敗した挙句の果ての、競技の最後の1分間で繰り出された捨て身の大技だったのだ。
既に、トリプルアクセルをものにしていた伊藤みどりは、連戦の疲労がたたって、足には常に骨折や捻挫などのトラブルを抱えていて、およそ、まともにジャンプを飛べるような状況ではなかったようだ。
1992年当時のアルベールオリンピックの時も同じで、ジャンプの命とも言うべき足は、すでに悲鳴をあげていて、まともなことにはなっていなかったらしい。
その中で、当時のオリジナルのプログラムで出遅れた彼女は、次のフリーの演技で前半にアクセルジャンプを跳ぶつもりでいたところが、やはり体は受け付けてくれず、失敗してしまうのだ。
しかしあきらめ切れない伊藤みどりは、後半スピンなどをしながらどうすればもう一度トリプルアクセルを飛べるかを必死で考えていたようだ。
そして最後の1分間の時に、残されたワンチャンスのジャンプをトリプルアクセルに変更。
それが、今も歴史に残る女子選手初のトリプルアクセルとして映像にも残っている。
本人の解説によるとトリプルアクセルを飛ぶためには、
“全速力で滑ってその勢いで飛んでいる”らしい。
それ故、伊藤みどりのトリプルアクセルは男子選手も参考にするほどの美しさだと評価。
さて“浅田真央”のトリプルアクセルは高さで飛ぶやり方だと解説していた。
移動距離は“伊藤みどり”に及ばないが、高く飛び上がってきれいに回転するとの事。
さて、“紀平梨花”の場合、彼女の持ち味はスピードなんだそう。
他の2選手と比べたときに、彼女は驚くほどの速さで3回転半回っている。
スポーツ医学の先生が分析したところではお尻と大腿の筋肉が、ずば抜けてよく発達しているからだと。
確かにしゃがんだ状態での幅跳びは、一般的な女子だと20センチほどしか飛べないのに対して、紀平選手はなんと65センチ飛んでいた。
通常の3倍以上の距離で、それだけの優れた能力を持ち合わせているようだ。
ソネット光プラス新規申込で最大60,000円キャッシュバック!
紀平梨花の驚くべきこだわり
彼女が現在進行形で使っているスケート靴を紹介していたが、使い始めて3週間程度、経ったとのこと。
通常の靴の場合だと、3ヶ月ほどで更新しているらしい。
そのこだわりは半端でなく、スケート靴の下に付いているブレードの部分。
これは番組の中で詳しく説明されていたが、すべてプラスのネジで複数カ所固定されていたのだが、彼女はこのネジをことごとく自分で調整してブレードをほんのわずか1ミリ程度くらいの傾きを与えたり、様々な変化を加えて自分自身にしっくりくるようなセッティングにしているとのこと。
わずかな1ミリほどの狂いでも、トリプルアクセルが全く飛べなくなったり、また逆に複数回問題なく飛べてみたり。
その調整は、他人任せではなく自分自身で行っているところがびっくり。
また靴とブレードの間の隙間も、パッキンが挟まってあったりしたが、それらも全て自分自身の考案によるものらしい。
それだけのこだわりを持ってしても、今現在使い始めて3週間の靴はまだ完全なセッティングには至っていないとの事。
そして靴の材質は皮でできているが柔らかくなったらもう使い物にならないらしい。
オーダーメイドの靴なので値段の事はわからないが、年に4束以上は必要になるようだ。
しかも、3ヶ月使って次に新品の靴を下ろしているようではスケートにならないはずで、おそらくは現在進行形で次に履いていくべき靴をセッティングし始めるはず。
とんでもなくストイックな世界だと言える。
後はバラエティー番組らしく、食事の事とかいろいろ報告していたが、基本的には炭水化物を始め厳格にコントロールしているようだ。
彼女の特徴は食事をする前に全て写真撮影すること。
それには理由があって、後でトータルして何カロリーになったのかをきちんと把握したいかららしい。
こうも言っていた。
「体重の管理はとにかく増減のないようにしたい。」
体重が重くなったりは当然ダメだが、軽くなるのもダメらしい。
そういった管理を考えればおそらく100グラム単位での増減しか認めていないんではないか。
バラエティー番組なので、“遼河はるひ”との振り付けのやりとりもとても面白かった。
やはりプロのスポーツ選手なので、振り付けは一度見たらすぐに再現できていた。
とにかく覚えるのが驚くほど速いし、そして全く問題なく再現できていることが、普通の人じゃないんだなと。
今日、見ていて感じたのは並の運動神経じゃないよなと 。
無謀な試み 3年後のオリンピックの優勝予想⁉️
フィギアスケートの女子選手たちは、今 世代交代の真っ最中。
私は自分のブログでも紹介したがロシアには4回転ジャンプを跳ぶ15歳の女の子達がいる。
その子たちのことを中心に、以前記事をアップさせてもらった。
4回転を飛べる子達を分析してみると共通点があることがよくわかる。
ここでは2人しか紹介していないが、実際にはロシア選手たちの写真にある上の段の3人がそうである。
彼女たちは皆15歳で、体型に特徴があると言える。
まだ成長途中の体つきで、一言で言えば幼児体型。
成長しきっていないので、体全体は驚くほど華奢で小柄なこと。
彼女たちが高度なジャンプを駆使できるアドバンテージが、ここにあるのかも。
大きな体格の選手が、高度なジャンプを飛ぼうとすると遠心力その他で、まともに影響を受けるので、回転するためには莫大なエネルギーを必要とする。
それに対して、小柄で華奢な選手の場合、回転軸は驚くほどスリムにまとまるので大量のエネルギーを必要とせずに軽々回りきることができるのだ。
あくまでも理屈の話なので、個人の能力が大きくものを言うことには間違いないが。
それにしても努力と才能があれば、身軽な線の細い選手の方がより高度なジャンプを飛べる可能性は高くなる。
ロシアの3人の選手たちにはその点で共通点がある。
さて、北京オリンピックの時彼女たちは実は、17歳ないしは18歳になるのだ。
3年後のオリンピックでは、彼女たちは思春期をちょうど終えたぐらいの体型になっているはず。
実はこの事は極めて重大で、デリケートなジャンプを跳ぶときには体重の増を始めとする体型の変化は致命的なダメージを与えるとされる。
500グラム増えたらもうジャンプは飛べないと言われる世界。
彼女たちが、3年後も今の華奢な体型を維持しているとは到底思えないので、その体の変化をどのように乗り切ることができるのか。
もちろん才能も努力も充分備わっているのでそれなりにしっかりと結果は残せるはずだが。
今の流れで言えばこの3人の(4回転ジャンプを飛べている)独壇場の結果になるはずだが。
年数が経つと条件はがらりと変わるはず。
これらの様々な条件を考えたときに、私が1番アドバンテージを感じるのは今年からデビューした韓国の“ユヨン”
彼女は、すでに成長期に入っていてこの1〜 2年で身長も大きく伸びてきているのだが、それでもトリプルアクセルをごく普通に飛んでいる。
キムヨナを超えるだけの豊かな才能の持ち主で、今後の伸びしろを考えると北京オリンピックでの優勝候補のダークホースになるのではないか。
もちろん日本人選手の“紀平梨花”を始め、“坂本花織”、“宮原知子”などチャンスは平等と言える。
そして年齢はちょうど20歳を迎えるであろう“ザギトワ選手”や22歳になる“メドベージェワ選手”など、北京オリンピックの時点でまだ第一線で活躍しているだろう人たちにも可能性はあるだろう。
ただし、有力選手が、皆ロシア出身ってことになれば、ロシアの国内の出場枠ではねられる可能性も否定はできないだろう。
グランプリシリーズなどは、すべての競技に全ての選手が出るわけではないので重ならない点で、それぞれの選手は活躍できるはずだが。
さて、フィギアスケートは今ちょうど今期のシーズンが始まったばかり。
来月末はグランプリシリーズのNHK杯が控えている。
おそらく、驚愕の選手たちがまだ出場してくる可能性が高いと言える。