くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

映画エクソシストとカソリックのエクソシズム

 

およそ47年前になるが、映画エクソシストはずいぶんヒットしたと思う。

私も映画館に行ってみたが、かなり怖い思いをした記憶が。

基本、ホラー映画の真骨頂みたいな映画で、恐怖のシーンが連続するのと、少しずつ描かれ方がエスカレートしていくあの独特の盛り上げ方。

今 思い出してみても、1つの時代のきっかけを作った映画と言える。

たまたまテレビを見ていたら、バチカンのカソリック教会の中で2005年からエクソシズムの特別講座が開催され始めたと。

代々、カソリックでも、エクソシストは存在してその儀式は連綿と受け継がれてきた。

うまい具合に特集番組があって実際のエクソシズムがどんなものなのかを上手に紹介していたので、改めて記憶をたぐってまとめてみたい。

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目次

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有名なエクソシストの1シーン メリン神父

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現在でも行われているエクソシズム

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聖書 儀式用に編纂されたものがあるようだ

エクソシズム(悪魔払い)

テレビの特集番組で取り上げられていたのは、イタリアの取材番組。

日本人の俳優の“英玲奈さん”がレポーターの役どころをやっていた。

彼女ともう1人エクソシストを研究している文筆家の女性が1人。

“英玲奈さん”は小さい頃からカソリックの学校で勉強してきたので、小さい頃からの自分専用の聖書を、今も大切に持っており、信仰心のほどはともかく、少なくとも興味本位でこの取材をしていないことだけ如実に伝わってきた。

イタリアでは、古くからエクソシズムが行われていて、2005年にバチカンできちんとした講習会が開かれるようになってからは、ある程度メジャーに紹介されることも多くなったのだ。

それまでは、牧師さんの間でも意見が色々と分かれたりして、表舞台で語られる事は少なかった。
 しかし、イタリアの地元の人たちにしてみると、昔から悪魔付きと呼ばれる人たちはそれなりに存在していて、取り憑かれた人たちを大いに苦しめ、また周りの家族も随分と苦しい思いをしたようなのだ。

番組を見ていて感じたのは、“悪魔を信じるのか信じないのか”の議論が当然行われていたが、それは翻ってみればキリスト教で“神を信じるか信じないか”の議論と全く同じもの。

『キリスト教の世界では善と悪が常に対峙している。』

この捉え方はキリスト教独特で、仏教では悪魔と明確に認識するような教義はお経の中だけだと記憶する。

宗教が解いている世界観が全く違うので、同じレベルでの議論は不可能と言えるかも。

ちなみにキリスト教の世界で最初にエクソシズムを行ったのは“イエス・キリスト”本人と紹介されていた。

キリストのもとにやってきた男性から悪魔を取り除く祈りを、キリスト自身が行ったとされている。

このときの悪魔払いの伝統が代々受け継がれているので、エクソシズムはキリスト教の中でも最も伝統ある儀式の1つと言えるだろう。

さて、悪魔払いの対象となる人にはいくつかの特徴があるようだ。

  • 人智を超えた力を発揮する。
  • 依頼者自身の本来の声とは違う声で話す。または知らない言語で話す。
  • 遠い場所での出来事など、依頼者が知り得ないあらゆる事実を知っている。
  • 神聖なものに対して冒涜的な怒りを感じる[3]。

 

これらの症状は、きちんと正確に判断できる人のもとで判定しなければいけないが、イタリアでは周り近所の人たちが、それとなくしかるべき教会を紹介したりしているようだ。

そして教会では、悪魔払いが必要と判断されたならば、きちんとした儀軌に基づいて儀式が執り行われる 

悪魔祓いの正式な規則は『ローマ典礼儀礼書』に記されている。

  • どのような場合であっても、エクソシストは訪れてきた依頼者が悪魔に憑かれているのか、妄想をいだいているだけなのかを見極めなければならない。依頼者が病気、特に精神性の疾患でないかを注意深く検討しなければならない。
  • 任務を引き受ける司祭は、清廉潔白な生活を送り、思慮深く、謙虚であるべき。特に重要なのは祈祷断食
  • 悪魔祓いは、教会の規定に則って行なわなければならない。(迷信じみた儀式は避けるべき)
  • 憑依された者に、祈祷、断食、告解、聖体拝領による悪魔祓いをしたいという気持ちを起こさせなくてはならない。(依頼者にその能力がある場合)
  • 悪魔祓いは、礼拝堂、教会、教会内の礼拝用の小部屋で、十字架マリア像を備え、可能であるならば少人数で行なわれるべき。家族や友人、霊的指導者などが儀式に参加することは、エクソシストが力を得るうえで重要なことである。
  • 儀式は聖水の散布によってはじまり、悪魔に憑かれた者は苦しみだす。エクソシストは、その者に十字架を掲げる。悪魔の排除が1度で達成されない場合、必要であるならば儀式を何度か繰り返し行なわなければならない。
  • エクソシストは、カソック、サープリス、紫色の頸垂帯を着用[2]。

 この内容をよく読んでみると、“映画エクソシスト”で“メリン神父”が“リーガン”の横で恭しく法具を並べていたが、その時の映像が少し被る気がする。

あの映画のリアリティーから考えて、おそらくはきちんとした取材がなされてその通りに撮影されたと思うからだ。

もちろんフィクションの映画だから、当然脚色は多いにしているだろうが、様々なディティールをギリギリまでこだわることによって、映画はより神秘性を帯びる。

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有名な映画は1973年作品

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リンダブレアの演技は圧巻だった

この映画の中でなんといっても迫力の演技を見せてくれたのは、主役の“リンダブレア”

悪魔に取り憑かれた“少女リーガン”の役どころを演じた。

この時リンダブレアは14歳の少女。

メイキャップで様々な顔の表情などは補正されているが、基本的にはあの悪魔に取り憑かれた症状はリンダブレア本人が自ら演じたもの。

映画を見た人ならば誰もが思ったはず。

『なんてえぐい!』

正直言って相当凄い映像だった事は、今でも記憶の中に鮮明に

 エクソシスト “メリン神父”

映画の中でエクソシストの神父を演じたのは俳優マックス・フォン・シドー。

調べてみたところがこの時44歳。

映像を見た人ならば誰もが感じたと思うが、あの映画の中ではよぼよぼのおじいさんだったよね。

彼は1929年生まれなので、現在90歳でまだご存命。

エクソシストから30年後に撮影した映画にトムクルーズ主演の“マイノリティーリポート”があったが、その時見た感じでは、30年前のエクソシストの時とほとんど変わらない顔つき体つきだったような記憶が。

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この映像には30年間の時間的な経過がある

この映画の値打ちは、私が思うにこのメリン神父の“メイキャップ”と“演技”

このエクソシズムを行っている最中に、この神父は悪魔にとりつかれてなくなってしまうのだ。

その時の必死に儀式を行う敬虔なキリスト教徒の役どころが、とても印象的に映ったのだ。

もちろん映画の完成度はすべての要素を総合的に見なければいけなかったが、物語の性質上、キリスト教徒としての信仰心のあり方が厳しく問われる内容だったと思う。

「骨盤ウォーカーベルト」

キリスト教独特の世界観

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伝統的な協会の内部

キリスト教はその大きな特徴として善と悪の対峙があるのだが 、悪は常に誘惑の罠を張って我々人間を陥れようとする。

 そのことをよく退けて信仰心を失うことなく感謝して暮らす。

キリスト教徒としての望ましい姿と言えるだろう。

キリスト教では特に人間の持っている感性への訴えが主力となる 。

つまり教会のような立派な伽藍を立てて、中を絵画や彫刻などの芸術品で荘厳をして、そして、耳に心地よい音楽を流して人間の清らかな感性に訴えるのだ。

キリスト教は、感性の側から人間の霊的な世界へアプローチする宗教と言える。

それに対して仏教は、知性に対して訴える。

仏教でその教えの元になるのはお経である。

したがって、普段からきちんとお経を読んで唱えるような習慣がないと、仏教徒としてはいつまでたっても信心は進まないのかも。

きちんとお経を唱えられる人は、現代人の中でも多分少数派だろう。

幸い、仏教における悪魔払いと呼べるものは、それは自分自身の中にある煩悩との戦いに置き換わるので、エクソシズムのようなはっきりしたものはないと言える。

キリスト教の世界では、今でもあの映画の中にあったような(あそこまで極端では無いとは思うが)多分にオカルト的な儀式が継承されている。

私の本当に個人的な見解だが、宗教が果たす役割の中で、この最も忌み嫌われるドロドロした部分に対して対応できるアイテムがあるのは喜ばしいこと。

綺麗事だけを口先で唱えるような宗教などは、ほとんどなんの役にも立たないと考えるので。

エクソシズムはいかにもキリスト教的な西洋の世界観に基づいていると言える。

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