今ではほとんど見ることがなくなった獅子舞。
お正月と言えばこれなんだけどね。
多分、もう60年以上も前の話になるが、
北海道の日本海側の北の方。
私の生まれ育った小さな部落は地図にも載っていないような本当の田舎。
しかし、あんな田舎町にもお正月となれば獅子舞がやってきていた。
子供心に私が見かけたのは多分1〜2回程度だったと思う。
もう還暦を過ぎて、記憶の中に消えそうな思い出を振り返ってみることに。
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日本に伝わったのは奈良時代
調べてみてわかったが、日本に伝わったのは奈良時代の頃とされている。
こういったタイプの行事の発祥は東アジア方面で 、1世紀頃とされるから、今からちょうど2000年ほども昔になるか。
そこから大陸(中国)に渡り、朝鮮半島を経て日本に伝わったのではないだろうか。
特に日本では代表的な伝統行事とされて、全国の様々な行事の中でこの獅子舞が1番種類が多いのだそう。
それだけなじみのある行事だが、最近 お正月に各家庭を回っている事はほとんど見かけない。
また、私の記憶を探ってみてもお正月以外では見た事は無いようだ。
私が子供の頃だから、もうすでに60年以上経つと思うが、あんな田舎の街にさえやってきていた。
おそらく街の有力な人たちが呼んだのだろうと推測するが、考えてみれば私の生まれ育った小さな部落は、もともとニシン漁で栄えた街。
私の記憶の中には残っていないが、春先のニシン漁で、近くには大きな御殿も立っている。
今でも重要文化財として残っているのだが、彼ら漁師の網元と呼ばれる人たちは、このような宗教的なお祝い事とか魔除けとか大切に思っていただろうと思う。
ちなみに、こういった漁師の人たちは 神社やお寺なども手厚く保護していたようで、わずか人口1000人から2000人程度の小さな町だったが、記憶の中にはこの町にお寺は4カ所はあったと思う。
檀家の数から言っても、お寺がやっていくには相当厳しいと思うが、おそらく有力なパトロンがいて彼らが支援していたと思うのだ。
そういった人たちが街に獅子舞を呼んだ事は想像に難くない。
本当にはるか昔のことになるが、大相撲の地方巡業もやってきていたと聞く。
私の記憶の中にはないが、あの初代の若乃花が昭和29年頃、巡業でやってきて、その時小さな子供たちは抱っこしてもらったんだそうだ。
生まれて半年ほどの私も抱っこしてもらったと聞くが、記憶の中には全く残っていない。
伝統行事は、その行事を守ってくれる人たちがいると長く続くようだ。
もともとは魔除けのための神事
獅子舞はパフォーマンスがつきもの。
ひとしきり舞った後で、 あの大きな口で見物している人たちの頭を咥える動作をする。
獅子舞に頭をパクっとしてもらうと、最高の邪気払いと聞いた。
要するに“風邪をひかずに丈夫に元気に過ごす”ことができるとか、また“事故などに合わなくなる”とか様々なことが言われていたと思う。
大人も子供もこれをやってもらうのだが、実は子供にとっては恐怖極まりない。
獅子舞に関わる私の記憶は、周りの大人たちが盛んに私の頭を咥えさせようとしたのを、私が死に物狂いで抵抗して逃げ回った記憶が。
子供心に命をとられてしまうような恐怖に駆られた記憶だけが残っている。
全力で泣きわめいて、絶対に嫌だと言い張って母親の後に逃げ回っていた記憶が。
周りの大人たちもさすがに呆れ果てて、途中からは強要することもなかった。
多分私はその時3歳ぐらいだったと思う。
私の中では1番古い記憶の1つ。
お正月の思い出
獅子舞にはいろんな舞方があって 、
1人でパフォーマンスするものを1人舞
2人で行うものを2人舞。
それ以上で行うものをムカデ舞と呼ぶようだ。
見ての通りだが、伝統芸能とは言いつつ、ある程度訓練をして足並みを揃えなければなかなかパフォーマンスとしては成立しないだろう。
この画像を見ると、明らかにきちんとした演舞として成り立っているのがわかる。
むしろの上で舞っているが 、観客はその外側できちんと座って見ている。
ある程度の時間こういったパフォーマンスが演じられるようだ。
おそらく年中やっているわけではないと思うので、お正月限定ではないだろうか。
文化財の保存のための活動等でやっている場合も多いのではないか。
また、日本の伝統芸能の伝承で行っているところもあるのかもしれない。
お正月の風物詩としてぜひとも残して欲しい行事だと言える。
新年を寿ぐ
その国の文化が伝統行事としてきちんと継承されていくことこそ、その国の発展に大きく貢献するのではないか。
獅子舞は伝統行事の中でも代表的なもの。
全国津々浦々とはいかないまでも、主な街ではきちんと行事として成り立っていくことが求められると思う。
東北や北陸などの古い地域では、まだまだ伝統行事として行っているのではないだろうか。
また、九州などでも伝統行事の保存団体みたいなものがあると聞いている。
私の近所では最近とんと見かけなくなったが、もう一度見てみたい行事の代表と言えるかも。