先週から始まって今日で2回目の放送を迎えた大河ドラマ
麒麟がくる
時代劇オタクの私にとっては待ってましたと言いたいくらいの期待度。
今回は始まる前にずいぶん下馬評なんかもあったりして、少しもたついた感はあるが、様々な歴史的考察があらかじめ加えられた番組などを見たので、かつてないぐらい予習が済んでいると言える。
今日のドラマの中心はなんといっても
斎藤道三
本木雅弘扮する道三の迫力は、見ていても危機迫るものがあった。
なかなかこれだけキャラクターが際立つ事はあまり見たことがないので。
目次
明智十兵衛 帰還
十兵衛が京都から 帰還した頃、ちょうど織田軍がまさに美濃に攻め入ろうとしていた。
その時の情報では織田信秀の軍勢はその数20,000。
それに対して守る側の美濃の軍勢は4000ほど。
まともに戦えばとてもかなう相手ではないのだ。
そんな中で稲葉山城で立てこもって戦おうと。
斎藤道三に謁見した光秀は、
- 鉄砲を持ち帰ったこと。
- そして京都で評判の名医を連れ帰ったこと。
機嫌の悪かった道三も、上々の守備に機嫌を良くする。
そしてその時の何気ない話の中で、路銀として渡した金は半分は返せと。
もし返せない場合は今回の戦で大将首を2つ以上とってこいと。
思わず絶句してしまう光秀。
斎藤道三の一癖も二癖もあるケチくさい性格がよく出ていた。
織田軍に攻め入られた道三だが、それほど慌てる風もなく、作戦も戦術ものらりくらりしていてあまり要領を得ない。
家臣たちも、首をかしげながら戦っているような有様。
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織田の軍勢が攻め行ってくる
尾張の国の領主織田信秀は 美濃の守護職である土岐頼純と内通。
守護代斎藤道三に攻め入ることによってそこを滅ぼしその領地を与える裏約束を取り交わしていたようだ。
その通じ合った内容をもとに美濃へ攻め行ってくることに。
戦国時代真っ只中のことで、中央の足利幕府はもう力を失っており、地方の守護、守護代がやりたい放題の状況だった。
戦国大名と言えば聞こえはいいが、斎藤道三はもともとは油売りから身を起こした武将。
由緒ある家柄と言うには程遠い。
その才覚と度胸でここまでのし上がってきた。
この斎藤道三の存在感が圧倒的な迫力を持って物語全体を引き締めている。
その風貌もさることながら、ドスの利いたセリフ回しは、驚くほどの迫力を伴っている。
そして、人の話を聞かないこと、ケチくさいことなど周りから嫌われる要素を遺憾なく発揮しながら、その人柄が描かれている。
道三の戦略
斎藤道三は、自分自身の情報戦略をきちんと確立していた。
自分の事、相手の事などことを細かくすべて掌握していたのだ。
特に相手方の織田信秀の事など、
寝所に至るまで知っておるわ!
これは、相手方にスパイを送って情報を仕入れていると言うこと。
この時代はこういったことが当たり前のように行われていた。
ちなみに、戦国武将の武田信玄もこういった情報網を最も得意としていた1人。
彼の凄いところは、情報を収集するだけではない。
偽情報も思うがままに吹聴して回っていた。
今の戦争でも戦争プロパガンダで様々な情報操作が行われるが、すでにこの時代行われていた。
武将としての強さは戦った時だけに発揮されるわけではない。
周りの状況をどれだけ正確に把握できるか、その能力にかかっているとも言える。
この圧倒的な不利な状況で道三は、自軍の中に潜んでいるスパイを騙すために、わざと城内に籠城する作戦を取り、また酒を飲んで宴会をしているかのように見せた。
実はこの偽情報を流されて織田軍をまんまと罠にはまってしまうのだ。
相手に戦う気がないと判断した織田軍は背中を向けてのんびりと自分の領土に向かって歩き始める。
その一瞬の隙をついて、美濃軍は背後から全力で襲いかかったのだ。
完全に裏をかかれた織田軍。
ほうほうの体で尾張に逃げ帰ることに。
斎藤道三の見事な作戦勝ち。
確かに軍事作戦としては圧倒的な勝利を得ているが、しかし見方をする武将たちからは必ずしも褒め讃えられるようなことでもなかったのだ。
物語の内容を見ていて、強く感じるのは斎藤道三の恐るべき先見性に対し、周りの武将たちのなんと純粋素朴で 単純な思考しかできないのか。
戦国時代の厳しい状況の中で、疑心暗鬼の中でかいくぐって生きていくためには斎藤道三ほどの洞察力がなければそれは無理と言うもの。
その恐るべき能力の高さをまざまざと見せつけた。
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道三 帰蝶 土岐頼純



おそらく守護職土岐頼純は斎藤道三の敗北を読んでいたに違いない。
しかし、結果はあにはからんや、道三側の勝利となった。
そうしたときに手のひらを返したかのように稲葉山城に馳せ参じるのである。
この時、土岐頼純の企みを斉藤道三に逐一報告していたのは帰蝶と思われる。
そして、帰蝶は自分の夫のふがいないことを父道三にわびる。
この段階で土岐頼純の命はなくなったにも等しい。
なんと斎藤道三は流行歌を歌いながら土岐頼純を自ら毒殺するのだ。
自分が立てた一服の茶 。
それはまさに命を奪う毒入り茶。
調べてみるとこの時代多く使われたのは、どうやらトリカブトだったような気がする。
吐き気や嘔吐、そして極度の呼吸困難で飲み込めば直ちに死に至ったはず。
それを自ら歌っている最中にこと切れてしまうのだ。
🎵〜おもしろき〜🎶
何が面白いんだろうかね。
自分の娘婿の命を自分の手で奪ってしまうのだ。
この辺のやりとりは鳥肌もの。
俳優本木雅弘の真骨頂だろう。
このときの斉藤家と土岐家の相関図は次のようなもの。
こうして見てみると、親兄弟といえども信頼には値しないのか。
歴史を知っている人ならばよくわかっているが、斎藤道三は息子の高政に滅ぼされる 。
物語の中で詳しく描かれていくはず。
その時に光秀がどんな役割を果たしていくのか、そのことも物語の中心となるはずなので、今から大いに注目しておきたい。
帰蝶の果たしている役割
帰蝶はこの時、土岐頼純の正室となっている。
実はこのときの年齢を調べてみると、帰蝶は1535年の生まれなので、11歳ぐらいで嫁いだことになるはず。
この後、夫は斎藤道三に毒殺されるので(歴史的な事実では、どのような殺害方法がとられたかは定かでは無いのだが)、織田信長に嫁ぐのは1549年。
つまり彼女が14歳の時である。
物語の中で描かれるときは大抵20代の女優が配役されるので、結構なお年に感じてしまうが、年齢としてはそういったこと。
10代の最初の頃に結婚をして、そしてすぐに未亡人となってしまう。
その後すぐにまた織田信長と政略結婚である。
この時も結婚するときに織田信長の懐に入ってスパイとしての活動を言いつけられた事は想像に難くない。
斎藤道三なら何の迷いもなくそのように命じるはず。
ちなみに、帰蝶は道三が42歳の時の子。
おそらく目に入れても痛くないぐらいかわいいかったに違いない。
そして、どれだけ可愛いがったかも簡単に想像できる。
娘が、様々な世の中の事情を鑑みて父親の力になってあげようと思うことも理解できると言うもの。
帰蝶とはそうした女性だったのではないか。
沢尻エリカの降板を受けての川口春奈。
おそらくかつてない位の集中力を発揮して役柄に没入していっているに違いない。
基本、お姫様の役どころなので、第一に可愛く綺麗でなければならないが、その気丈な性格も演技の奥にきちんと臭っていて、見ていて何ら違和感を感じない。
麒麟がくるの帰蝶は2回目の放送が終わって川口春奈のものとなったと言える。
さて、物語はこれから佳境に入っていくのだ。
どのような描かれ方をするのだろうか