1度目の失敗を受けて、次は必ず成功させようと挑戦する穴窯。
今日はその辺の前後の様子と、周りの反響や、今日初めて穴窯を1度焼くために必要なお金の発表もあった。
なるほど、作品が売れればいいけれど、もし道楽でやるのなら、それなりの覚悟が必要だね。
高度成長期の時期とは言え、自営業でやっている人たちは自分たちの家計がどのように推移していくのかなんてそれほど希望的に思えることもなかっただろうから。
全部お任せのサラリーマンとは事情が違っていただろうね。
目次
穴窯の評判はいかに
実は最初の失敗の時に、ハさんは赤松に呼ばれて窯業研究所の所長さんとか色々と意見されていた。
“穴窯は一旦やめなはれ”
“奥さんが何を作ったって売れへん”
“女性陶芸家なんて誰も見向きせん”
このいっぱい飲み屋で言いたい放題言われてしまえば、さすがのハさんも喜美ちゃんをかばいきれなく。
何よりも取材された内容の新聞記事には喜美子のきの字も載っていなかった。
全く知名度がないって事は何を作っても無駄だと言うことや。
と同時に穴窯1回にかかる費用が発表されていた 。
1回あたり15万円也と。
早速ネットで昭和40年頃のレートで現在の価格に換算してみたところが、計算方法は2種類あって物価指数と消費者物価と2つ。
2倍の場合と4倍の場合があるんだが。
薪が貴重品なことを考えて、またいくつかのサイトで確かめたところやはり4倍を採用するのが妥当かなと。
正確には4.2倍で64万円なり。
さらに、2回目に挑戦するとなると、およそ100万円以上の薪代がかかることが判明。
(現在のレートに換算)
これを吐き出すと、貯金はすっからかんになるらしい。
2回目はなんとしても成功させなきゃならない。
以前からこのブログで書いている通り、喜美ちゃんは3回失敗するのだ。
ネタバレで恐縮だが、薪で陶芸をするノウハウが、全く存在しないので、全て自前で作り出さなければならない。
これは言ってみれば自分で実験を重ねて、実験結果の中から方法を生み出すやり方。
普通、科学の世界では、基礎研究とか臨床試験とか言われる方法だが、これは1文の得にもならない。
そういったお金を投資するだけのことをこれから何度か経験する必要が。
武志君の成長
武志君のセリフ
女は何かあるとすぐしくしく泣くねん
その都度気い使わなアカンのや
お母ちゃん失敗してってん泣かんの?
大笑いで答える喜美ちゃん。
お母ちゃんは泣きへん
心配いらん!
さらに、武志君はあれだけ嫌いだったにんじんもきちんと食べられるように成長している。
そして夜は自分で支度をして1人で寝ることができる。
手えかからんくなったなぁ
親としてはある意味嬉しい子供の成長。
三津さんの思い出
三津さんはハさんへの恋愛感情をどうしても押し殺すことができず、工房を去ったのだ。
理由が、穴窯が時代遅れなのでそういったことには私はついていけないと。
心にもない嘘をついていたわけだ。
彼女の出番がこのまま終わってしまうとも思い難い。
彼女の最後に言っていたセリフ。
男に生まれていればよかった!
実はこのセリフ、この後喜美ちゃんがハさんに告げることになる。
昭和40年頃でも、まだ男性中心の社会だったと言える。
この時代のことを考えてみると女性が活躍していたのは、
まず思い出すのは女優。
それと、音楽関係の芸術家。
つまり、ピアニストなど。
バイオリニストはこの時代ではあまり思い付かない。
これ以降は随分と登場して来ることになるが。
陶芸の世界では、やはり男性中心だった。
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2度目の穴窯も失敗
ここへきてスカーレットの進行スピードもかなりアップしている。
2度目に挑戦をして、その失敗の時の様子もしっかりと描かれていた。
途中経過は省略。
今回は急激に温度を上げたためと思われる、中に入れた作品が材割れなどを起こしていたね 。
- 最初の失敗は温度が到達しきれなかったことによる焼きの甘さ。
- 2度目は急激に温度を上げたことによる作品へのストレス。
要するに、3度目にまた工夫を重ねれば、成功するのではないかと。
実はここで、喜美ちゃんとハさんには決定的な気持ちの差が生じていた。
成功するまで絶対に挑戦し続けたい強固なマインドの喜美ちゃん。
一旦退いて、女性陶芸家としての人気と地位を確立すべきと考えるハさん。
そして、川原家には蓄えてあったお金はほとんど底をついており、あと使うお金があるとすれば武志君の学費用に蓄えていた教育資金のようなもの。
そのお金を使うか使わないかで、夫婦は完全に意見が分かれてしまう。
ここを押し切ってしまえば、夫婦の中は決定的に亀裂が走るのではないか。
確かに、莫大な資金を投入しても、結果が出なければ普通の個人のレベルではとても継続できるものではない。
明日以降どんなふうに物語を作っていくのか。
後がない!
ここで、喜美ちゃんには後がなくなった。
と言いつつ、3度目の挑戦をしてしまうのだが、それでも失敗してしまう。
そこまで失敗しなければ事態が深刻であることに気がつくことができない。
喜美ちゃんの性格の諸刃の剣の部分かな?
- 諦めずに辛抱強く成功するまで続ける情熱と根気。
- しかし自分がどれだけ傷ついても止めることができない。
穴窯で仕事をする事は 、そういったギリギリの判断を要求される。
多分これから描かれるのは喜美ちゃんとハさんの夫婦関係について語られるはず。
モデルとなった神山清子さんも絶望的な失敗の繰り返しの中から偶然自然秞の方法を産み出すこととなっている。
物語の中でも核心となる部分と思うので、丁寧に描くのではないだろうか。
そういったことを踏まえての人間関係になるはず。
やっぱりハさんと喜美ちゃんはうまくいかなくなる可能性が。