前途多難中で出発した3回目の穴窯挑戦。
しかし、自然秞の目標とする色を出すにはあまりにも困難な道のり。
喜美ちゃんの思いとは裏腹に見事に失敗。
さすがにこの失敗を受けて、喜美ちゃんといえども落ち込んでしまう。
芸術を極めようとする姿勢は、多くの犠牲を強いる場合があるが、喜美ちゃんのはまさにそれ。
家族に見切りをつけられた今、一体どんなことに進んでいくのだろう?
目次
照ちゃんの必死の説得


喜美ちゃんは1人でせっせと薪の準備 。
ノコを使い、鉈を使い、斧を使って、必要な長さ太さに揃えていく。
普通は、市販されている薪を使用する。
それが大体1回の窯焚きに15万円から25万円。
その費用をなんとか自分でまかなおうと努力していた。
照ちゃんが険悪な表情でやってきたのはそんな時。
喜美子!いい加減に目ぇ覚ませ ‼️
今すぐハさんに詫びを入れて連れ戻しに行きい!
武志はウチにおるん!
私が育てる!
そこまでして必死に説得を試みるのだ。
照ちゃんは小さい頃から自分が世の中の中心にいるかのように振る舞っていたが、結婚してから随分と変わったと言える。
どんな場合でもご主人を必ず前に立てる。
そして自分は一歩退いて、必ず裏方で補佐をするように振る舞う。
喜美ちゃんのように自分が前に出てそのまま風を切って進むような事は絶対にしない。
あの照ちゃんがと思わないでもないが、結婚してからは随分と変わったのだ。
喜美ちゃんの行動は、まさに暴走としか映らない。
こんなやりとりの中でも、説得に簡単に応じるような喜美ちゃんではない。
自分の信じた道を全力で突き進む。
何があろうとも。
ハさんはそんな喜美ちゃんに愛想をつかして家を出たのだ。
厳しい状況の中で、武志君だけは川原家に連れ戻したようだ。
言うことを聞かない穴窯


3度目の穴窯挑戦も見事に失敗。
数百年前、室町時代の先輩たちは自由にこの摂理を操って思い通りの色合いを出していたはずなのに。
現代人の喜美ちゃんには残念ながらと言う所。
さて何がいいとか悪いとか、スカーレットの中ではあまり詳しくは描かれてはいない
自然秞の古来からの方法を再現することに成功した神山清子さん。
作業の様子を見ても、本当に力仕事をする格好で、たくましく働いているが、注目すべきはこまめに記録しているノート。
こういった作業でとても大切になるのは、様々なやり方を試す必要があって、しかもどのような方法でやったかは、きちんとメモに残しておかないと、後で再現することができない。
こうやればこうなった!
そのノウハウはその人個人の所有物となる。
神山さんの作品群を見ていても、あの赤い色が見事に再現されているし、その上には緑の不思議な色合いのあたかも釉薬がかかったような雰囲気が。
しかし、最初から言っているようにこの方式では釉薬は使わない。
信楽の土と薪で焚く窯の加減だけで作り上げようと言うのだ。
やはり、古い時代のやり方なので、成功も失敗も数限りなく繰り返されたに違いない。
時代が経ていくにつれて、古い時代のやり方はやはり効率に問題があったのだろう。
だんだん採用される事はなくなり、そのうち大切な技術はどこかへ消えてなくなった。
それを現代にきちんと蘇らせた功績はとても大きいだろう。
信兄いと百合子ちゃん


信作君と百合子ちゃんはお互いのことをポパイとオリーブと呼び合うそう。
なんとも微笑ましいのだが、その心遣いがピンポイントで喜美ちゃんに送り届けられる。
穴窯の失敗を受けて、落ち込んでいるだろうなと想定して、きちんと励ましのための準備をしてくれていたのだ。
武志君を連れて大阪の動物園に行ってくるようにわざわざ仕向けてくれた。
本当は穴窯を成功させてから行きたかったところだが、
そんなん関係なく武志と行ってきい。
妹ながら百合子ちゃんのほんわかした雰囲気はなににもまして癒しのイメージが。
ちなみに信作君はポパイではあるが、普通は
信兄いと呼ばれているようだ。
それも何となく好感持てるよね。
気分転換に大阪行き
大阪行きを決めて、武志君と久しぶりにゆっくり過ごそうとする。
動物園で象を始めいろんな動物を見る。
武志君が大喜びなのはわかるが、喜美ちゃんにとってもいい気分転換になったはず。
次なる目標に向けて、前へ進まなければならないのだ 。
失敗したままそこにとどまる喜美ちゃんではない。
ちや子さんと再会
大阪ではどうやら泊まりがけになるらしく、ホテルや旅館の類ではなく、昔同じ荒木荘の住人だった庵堂ちや子さんのアパートに泊めてもらうことに。
なんとなく団地のような雰囲気がした。
あの階段の部分だけが映されていたが、印象は明らかに公営団地。
ちや子さんは出版社で仕事をしているはず。
続きの物語は明日以降になるが、昔話に花が咲くに違いない。