今週を締めくくるエピソードで白血病の診断内容の詳しい説明が。
聞かされた内容はあまりに厳しい現実。
今はまだ病気が安定していて慢性症状の状態なので自宅療養で十分とのこと。
しかしある程度時間が経つと、急激に悪化する。
そうなったときには手の施しようがないのだと。
そこまでに要する時間が3年から5年程度。
実はこれ、医者が告知をする時に必ずと言っていいほど取る手法で、大体5割増位の数字を述べる場合が多いようだ。
だから3年から5年と言われたときの解釈は2年からせいぜい3年とみるべき。
自分の家族の中から余命宣告者を出すと、のしかかる重圧は言語を絶する。
目次
とてもまともな気持ちで何かいられるわけないじゃない!
大崎先生とのやり取りの中で一気に気持ちの平静を失ってしまう喜美ちゃん。
白血病は不治の病と聞いて、絶望的な気持ちに襲われてしまう。
自分の家族、それも1番大切に思っている息子が自分よりもはるかに早く死んでしまわなければならないなんて、受け入れられるはずもない。
何とかがんばって先生の説明を聞こうと努力するのだが。
先生の言葉の中には、およそ希望を抱かせるようなものはほとんどなく。
万に1つの可能性があるとすれば骨髄移植が 、病気を克服できる可能性があると。
しかしこれはあくまでも可能性の領域で、必ず助かる保証にはならない。
要するに八方塞がりを受け入れてくれと。
いろいろな症例を調べてみて、また聞いたりもして自分でも経験してみた私が言うのもなんだが、家族が命の期限を着られるとまともに聞いていられる人なんかいないよね。
人によってはね、その場で卒倒する人だっているくらいだから。
医者もその事はよく心得ていて、とにかくショックのないように恐る恐る話すんだけれどね。
しかし事実をねじ曲げて話すわけにもいかないので、結果としてははっきりものを言う格好に。
今日のドラマを見ていて、昨日からあたりそうだったんだけれど、
これ本当に朝ドラか?
そう思わせるくらいのシリアスさ。
サスペンスドラマを見ているようなハラハラドキドキ感があるんだよね。
スカーレットを初回から見ていて、しかもブログに毎日アップしているので、その背景は徹底的に調べあげてみたんだけれど。
モデルとなった神山清子さんの運命をある程度は参考にしているけれど、そうじゃない部分も多々あったりするので、息子さんがなくなってしまうシーンはどう採用するんだろうと気にはなっていた。
神山さんの活動を考えると骨髄バンク設立が切っても切れないので、やはり息子さんの白血病もそのまま物語の中に取り入れるしかなかったようだ。
どうすればいい?
先生の説明では3年から5年程度の期間で必ず症状は一気に悪くなるので、その段階で命に関わると。
要するにこの辺でなくなる場合が圧倒的に多いと。
3年から5年という時間はあまりに短すぎるよね。
ただし、病気の内容によっては数ヶ月とか数日の場合もあるので、余命期間が短い長いはあまり議論しても始まらない。
今はまだ慢性期で症状が安定しているとの事。
薬の治療とは言っていたが、実は対症療法でそれほどよく効く薬などありはしない。
今でも特効薬は存在していないので、完全治癒を目指すのであればやはり骨髄移植と言うことになる。
病気の中でもいろいろあるけれども、
- 完全に治ってしまう病気
- 治らないので一生かけて付き合っていく病気
- 短期間で必ず死んでしまう病気
これら3つの病気があるがガンの中でも、白血病など もしかかってしまえば決して助かることなく、ほぼ間違いなく短期間で死んでしまう病気が存在している。
あくまでも可能性の枠内でのことなので、絶対と言う言葉は無いから、白血病でも治療がうまくいけば今は意外と助かる人も増えてきている。
ガンで助かりにくいとされるのは膵臓癌。
医者たちが口を揃えて言うのはこのガンにだけはなりたくないよねと。
できれば、死んでしまう病気にだけはなりたくないもの。
照ちゃんの命がけの励まし
たまたま病院から帰ってきたところに照ちゃんが野菜を届けがてら様子を見に。
喜美ちゃんの様子を見てたちどころに異変に気づいてしまうのだ。
子供の頃からだから何十年来の友人。
何か心の中に引っかかるものがあればお互いがすぐに気がついてしまう。
幼なじみ3人組の中でも、信作君がこの能力に長けているけれど、3人とも皆共通で、相手の心の中を見透かすことに。
照ちゃんは喜美ちゃんに問いただすのだ。
何があった?
全部言うてみ!わてにぶつけてみ !
武志か? 武志が病気なんか?
畳み掛けるように矢継ぎ早に質問。
喜美ちゃんも今まで抑えに抑えていた感情がここで爆発してしまう。
なんでうちの武志が病気にならないかん!?
何悪いことをしたってん!
そう言いながら感情の高ぶりを抑えることができず照ちゃんに抱きついて泣きじゃくる。
この短いやり取りの中で照ちゃんはやっと事の次第を飲み込めることに。
それまでは漠然とした違和感や危機感だけで事実は何もわからなかったのだが。
本人に告知することの難しさ
照ちゃんに全力で訴えた喜美ちゃん。
少しは気持ちが晴れただろうか。
昔から不治の病にかかったときの医者はその告知すべきかどうかを必ずと言っていいくらい家族に相談をする。
告知すべきかどうか、医者の判断は分かれるが大崎先生は告知すべきだと考えている。
病気としっかり向き合って戦うためには事実は知っておいた方が良いと言う考え。
個人的なことだが私は両親ともに膵臓癌で亡くしているので、共に告知をするときの厳しい体験を経験している。
平成13年にガンになった父親は入院1ヵ月ちょっとで死んでしまうことに。
病院に入った段階で手の施しようがないくらいの手遅れだった。
医者と相談した結果家族の出した結論は、告知をせずにそのまま置いておこうだった。
母親が8年前に亡くなったが、母親も膵臓癌だった。
このときの告知がかなり重荷だった記憶。
担当医の話では治療をしておよそ1年半から長くて2年程度の命と告げられた。
その間、同じ病気で治療しに通院をしてくる患者達と皆さん仲良くなるらしいのだ。
あらかじめ病気の告知をしておいた方が良いのではとの提案。
仮に告知をせずに病気を隠して治療をしたところで、同じ患者同士治療日が同じ日に合えば必ず情報が漏れてしまう。
それならば最初からきちんと説明をすべきだなと。
家族といっても私は弟と2人だったので2人で聞きに行って先生の申し出を受け入れることに。
この説明を受けて告知をする時まで、本当に針のムシロに座らされているような精神的な苦痛で満たされていた。
もし母親に大泣きされてしまったらどうしようと、今にして思えばとんちんかんな心配をしていた。
結論から言うと病気を告げられた母親は、なんとその場で大笑いしたのだ。
なんだ、おとっつあんとおんなじ病気だったのかい(笑)
先生、私はあとなんぼ生きられるん?
このあまりにもざっくばらんな反応に先生含めそばにいた看護師、それと私たち息子2人。
皆あっけにとられてしまったね。
この時先生は順を追って説明して余命あと3年程度と話していた。
最初に私が個人的に聞いていた余命のおよそ倍。
なるほどこれが言ってみれば医者の社交辞令みたいなもの。
その時そう解釈。
しかし、長くは生きられない家族を抱えると、本人もその家族もほぼ拷問に等しい状態が続く。
過去に味わったいかなる経験もここまで苦しくはなかったよなと。
長く生きていればそれなりに生き死にの修羅場をくぐることに。
このことを乗り越えてきた私が今の精神的な背景を持つことになった。
いよいよ最終エピソードに向けて
いよいよ来週からはお正月明けで人が集まった後、武志君の治療が始まる。
スカーレットはいよいよ3週間で全てが終わる。
最後に準備されていたエピソードはかなりシビアで厳しいもの。
しかし、今まで半年かけて描かれてきた世界観がここで完結するのだ。
欠かさずドラマを見てきた者として、ねぎらいの言葉をかけてあげたい。