いよいよ最後の週となったスカーレット。
泣いても笑っても今週の土曜日まで6日間で物語の全てが終了する。
武志君の白血病はまだ慢性症状のままでありながらも、少しずつ病気の進行をうかがわせる。
と言うのも、今日のエピソードで描かれていた味覚障害。
この食べ物の味がわからなくなるのは、実は抗がん剤の副作用が1番強く疑われる。
私も身内にがん患者を2人抱えたことがあるので、その成り行きが容易に想像できた。
川原家の元家族は武志君を中心に再び集まることにはなったが、死にゆく病人を抱えている以上、どうしても心の中に触れてはならない部分があるような。
目次
みんなから賞賛される武志君
今回作り上げた大皿についてみんなから賞賛される。
水の動きを表現するために釉薬が微妙にひび割れた様子で再現。
さらによく見て分かるように青一色で作られてはいない。
ほんのわずかだが黄色など複雑な色合いが込められていて、八さんの言葉を借りれば、
日の光さえ感じるようだと。
確かにこれ以上ない称賛の言葉。
褒めちぎっていると言っても過言ではない。
白血病をおして作品作りに精魂傾けた結果と言える。
しかし、病気の治療中で、白血病の性格上、知らないうちに病状は進んでいくことになっているのだ。
八さんの作る卵焼き
喜美ちゃんと結婚する前から卵焼きは得意だった八さん。
結婚したときに作ろうとしたら亡くなったお父ちゃんから男は厨房に立つんじゃないと言われて、それ以来作ることを諦めたそうな。
今回、武志君の作品が出来上がったことを記念してお祝いに久しぶりに作ろうと言うことに。
さらに喜美ちゃんの計らいで、特上のうな重も頼んだとのこと。
ちょっと大盤振る舞いでドラマを見ている方でも大丈夫かいな?と思ってしまう。
しかし、定期の病院通院から帰ってきた武志君は先生から特に変わりなしのお墨付きをいただいてきてはみたのだが、実は本人が少し気になっていることがあってそのことについて相談したようだ。
それは最近になってから食べ物の味がわからなくなってきたこと。
大崎先生の話では味覚障害が現れた可能性がと発言。
自分の体に起こる異変は、大抵の場合真っ先に本人が気がつく。
察するに食べ物の味がわからなくなったときに、おそらく変だなと思ったに違いないのだ。
実は食べ物の味を感じることのできない武志君
やはり食べ物の味がしなくなる事は本人にとっては一大事。
卵焼きの批評を求められても味がわからないのでは答えようがない。
嘘をついてみてもやむを得ないこと。
個人的な話になるが私にも覚えが。
もう10年ほど前になるが、母親が膵臓癌で亡くなるときにその治療中、やはり味覚障害を訴えてきていた。
薬の副作用と思われたが、その障害は何を飲んでも食べても苦く感じると言っていた。
私は問いただして、全く味のしない水を飲んでもかい?と聞いてみたところ、
そうだ。
その答えに驚きを感じた私は、先生に相談しに行ったのだが、帰ってきた答えは、薬の副作用でその症状が出る人がいます。
これ以上ひどくなる事は無いので、今のままで何とかやり過ごすしかないですね。
みたいな発言だったと。
その頃から母親は食欲も一段となくなってきて、体重の減少もこれ以上ないぐらいまで進行していったと記憶。
私の母親はかつて体重60kgほどの立派な体格だったのだが、ガンを発症してからは少しずつ体重が少なくなって、亡くなる半年位前には40kg以下にまでなっていたと思う。
そして亡くなったときには、推定だが35kg程度だったと思う。
白血病もガンの1種。
抗がん剤治療を続けていけば必ず副作用があって、私が聞いたところでは抗がん剤でガンが治癒する事はありえないよとのこと。
病状の進行を遅らせるだけで、ガンを完全に治療するだけの力はないと断言されていたね。
しかし、現在もそうだがガン治療は大抵の場合抗がん剤が絡むだろう。
他にも有効な方法はもちろんあるのだが、治せないとわかっていてもこの薬を処方しなければならないもどかしさ。
がん治療を取り巻く切ない話。
八さんについ当たってしまう
出来上がった作品を褒めちぎっている八さん。
しかし、病状が進んで味覚障害も現れた武志君には何もかもがうざい話のように聞こえてしまうのだ。
作品を褒められれば素直に喜べば良いものを、言葉尻をとらえて逆に食ってかかる始末。
さんざん悪態をついた後で、自分の部屋に閉じこもってしまうのだ。
白血病の進行は体だけでなく、その心にも病気の影響が及ぶ。
少しずつ体力が削がれること、自分の能力が失われていくことを23歳の若者が味わうにはあまりに辛いのかも。
歳をとれば当然体力は少しずつ失われるので、そのことについて残念だと思う年寄り感覚は私などよくわかる。
病気によって失われる体力はこれとは全く違うだろう。
本来きちんと全うすべき人生を途中で強制的にリセットボタンを押されてしまうのだ。
なぜこの俺が!
そう思って当然だろうな。
智也くんからの手紙
手紙は鉛筆書きで大きな文字でわずか2行。
要するに本文が何もないのだ。
一体どんな思いでこの文章を書いたのか。
それを思うと心が乱れてとてもまともな感覚ではいられなくなってしまう武志君。
初めて母親に、死にたくない!
そう告げていたね。
未来のある若者が病気の為とは言え、そこで一生を終えねばならない、そのことを受け入れられるのはよほどの聖人君子でなければ。
この場面を見ていて胸が詰まった人も多いだろう。
私の場合も武志君の演技ではなく、母親として息子をそっと抱き寄せた喜美ちゃんの演技に激しく反応した。
どうしても平静を保つことができない
ほんのわずかに進んだ病状といえども、受け取る側としては深刻極まりない問題となるのだ。
訪れた味覚障害は、やがて食欲がなくなることを意味する。
そして食べることがうまくいかなくなると、体重は幾何級数的に減少して、本人は一気に衰弱する。
本人自身も痛烈に感じることができるが、周りにいるものも全く同じに感じ取る。
この時期になると大抵家族のものは日がな一日付き添うことになるのであまり変化には気がつかない場合もあるのだが、ふとした時に触った手とか、肩とか、そういったものに触れたときにやせ衰えたことを感じて驚愕することになる。
自分自身の体験とも被るので、この辺のところは本当によくわかる。
さて残り5回のエピソードで物語は作られていく。
数ヶ月前に見たネタバレ情報と今検索でヒットする情報ではそのストーリーに大きな差があるようだ。
そのどちらもネットでは検索可能になっているので興味のある方はご覧になるのもありかなと。
ここから先は、生命を語る物語となる。