くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

“レオン“ フランス発ハリウッド映画の傑作を振り返る

 

この映画も初めて見たのはずいぶん前だが、最近またテレビで見る機会があったので改めて見直してみることに。

初めて見た時からこの映画のファンではあったが、この作品の優れた点がますます感じられることに。

この映画はフランス出身のリュックベッソン監督の作品。

彼が1990年にニキータを発表して、ハリウッドにわたり、監督した作品となっている。

 95年封切りなので、もう四半世紀経ったことに。

今は主役を演じた2人、ジャンレノナタリー・ポートマンも押しも押されぬ大俳優である

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ジャンレノとナタリー・ポートマン近影

そしてこの映画で絶対に外せないイチオシは、麻薬中毒の捜査官ゲイリー・オールドマン

彼はアメリカの俳優でいながらリュックベッソンの映画にもたくさん出演していて、演技派として確固たる地位を築いている。

この当時キルビルで有名だった女優ユマ・サーマンと結婚していたことでも知られる。

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目次

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レオンから狙撃の方法を学ぶマチルダ

ハリウッド映画ではあるがフランス映画の匂いがするおしゃれ感

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読み書きのできない殺し屋と帰る家のない女の子

映画の始まりがとてもユニーク。

凄腕の殺し屋レオンと、普通の女の子マチルダが同じアパートに住んでいて、マチルダの家族が事件に巻き込まれたことから物語が始まる。 

このマチルダの家族は悪徳麻薬捜査官によって一家皆殺しにされるのだが、マチルダだけが運良く生き延びられるのだ。

最初から描かれる暴力のシーンでも情け容赦なく人を殺す。

ハリウッド映画ではアクション映画ではよく発砲して人を殺すシーンが描かれるが、この映画で描かれるシーンはまさに容赦ない人殺し。

このような暴力の描き方は、タランティーノ監督などによく見られる方法

また、ほとんど説明なくストーリーを、乱暴と言えるぐらいぐいぐい進めていくのはフランス映画のやり方なのかも。

特に監督のリュックベッソンは、ニキータはフランスで撮影したが、その時のストーリーの持って行き方も有無を言わさない暴力性を秘めていた気がする。

映画を楽しもうとする人は、それなりの感情移入するだけの力があるので、その力に乗っかるように映像その他を提供するのだ。

リュックベッソンはニキータの成功でハリウッドからお声がかかったようだ。

彼はこのレオン以外にもフィフスエレメントを始め、様々な監督作品を発表しつつ、制作にも関わっている、根っからの映画人と言える。

フランスからハリウッドに移ってからよく使っている俳優がゲイリーオールドマン

またフランス俳優のジャンレノもベッソンの映画には欠かせないと言えるだろう。

ジャンレノは、ニキータでも掃除屋の名前で同じビジュアルで出演している。

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掃除人ビクトル この役柄をそっくりレオンに当てはめたのではないだろうか

映画の中でのレオンは読み書きができない設定でイタリア人の元締めとも言うべき男から仕事の依頼やお金の管理などをしてもらっていた。

この元締めの男はレオンの昔からの知り合いではあるがクワセ者である。

レオンは仕事柄、非常な部分を持ち合わせてはいるが、映画を見進めると優しい心の持ち主なことがわかってくる。

映画の中でさらりと語られてはいるが、かつて若い頃に恋仲になった女性と悲劇的な別れを経験しているから。

マチルダは、麻薬の売人である父親と継母と姉が1人弟が1人の家族で暮らしている。

どちらかと言えば非行少女の設定。

タバコを吸ったりなど日常茶飯事。

しかし自分を慕ってくる弟はかわいいと思っていて、その弟が惨殺されたことに激しい怒りを覚えて復讐を誓うのだ。

マチルダを演じたナタリー・ポートマンはこの撮影の時はおそらく13歳

映画封切りの前年に撮影されたと思われる。

初めてこの映画を見た時からこの子は天才だと思い知らされていた。

これだけ可愛らしい姿かたちでありながら、その演技の端々に漂う不思議な女子力。

実生活でもかなりの才媛らしく、勉強なども常にトップクラス。学校の成績でB判定などを受けた事はないと聞いている。全てオールAとのこと。

高校生の時に撮影したスター・ウォーズシリーズ。ファントムメナスからジェダイの復讐に至るまで学校の勉強と両立しながらの撮影だったようだ。

高校の試験のときにはワールドプレミアとか欠席していたようだ。

大学に行ってからも映画の撮影よりも学業を優先したようだ。

ハリウッドで子役から活躍する男の子も女の子も実はなかなか成功しにくい前例が多い。

将来を嘱望される有能な才能であっても、子供のうちに様々な誘惑がやってきてその誘惑に負けてしまうのだ。

誘惑とはすなわち

  • 酒、
  • ドラッグ、
  • 異性交遊など

この3点セットで身を持ち崩した俳優たちは何人か知っているが、ここではあえて述べないことにする。

子役の時からしっかりとしたポリシーで、大人になっても遜色なく活躍できている数少ない俳優の1人だろう。

また主役を演じたジャンレノは日本では同じリュックベッソン監督のグランブルーで有名になった。

この映画も大ヒットして撮影に使われたロケ地までわざわざ日本からツアーが組まれる位の人気だったのだ。

ハードボイルドを題材にした映画ではあるが、その地味な映像の奥のいたるところにリュックベッソンの映画への遊び心が含まれていて、見ているものを飽きさせないのだ。

また俳優たちのそれぞれのキャラクターの演じ方も見る限りにおいては完璧。

レオンのキャラクター、マチルダのキャラクター、麻薬捜査官スタンフィールドのキャラクター、そのどれもがしっかりと区分けされていて、ストーリーの中で絶妙に絡み合うのだ。

決して派手さは無いのに驚くほどのスピード感

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主役2人の醸し出す圧倒的な存在感

映画は殺し屋の日常としてのレオンの生活に、マチルダが加わる設定。

 10歳そこそこの女の子にとって、単調な生活では当然飽きも来るだろう 。

そのレオンの殺し屋の日常のモチベーションと、合わせきれないマチルダの歯がゆさが軽妙なタッチで描かれている。

この描き方も絶妙なのだが、殺し屋と少女の演技力にも目を見張る。

普通、子役が優秀だと大人の役どころはどんなに上手な人でも食われてしまって演技が映えないことがよくあるのだが、この2人の絡み合いを見てもジャンレノの演技はナタリー・ポートマンに勝る事はあっても決して劣るものではない。

レオンという個性が際立つように巧みに演出されているのだ。

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映画を楽しむレオン “雨に唄えば”を見ていたようだ

映画の中で、お互いがものまねをする滑稽なシーンがあったが、あのレオンの方がはにかんでいたではないか。

性格が本当によくわかるシーンだったと思う。

ちなみにレオンが正解したのはジーン・ケリーのみ。

たまたま直前に映画で見ていて知ったようだ。 

魅力ある役者達

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ちぐはぐに思えるが絡み合いは絶妙

リュックベッソン監督の最大の能力は私が思うには役者の活かし方だと思う。

どの役者たちも生き生きと輝いて見えるのだ。

この映画の中では上に挙げた3人の絡みで物語が進むのだが、それぞれの役者が演じるディティールに監督や役者たちのこだわりが生きていて、この映画が大絶賛される理由になるのだろう。

映画が封切られた1995年は、ターミネーター2を始めスター・ウォーズの最新作も始まっていてハリウッドでは莫大な費用を投じて壮大なスケールの映画を作ることが普通だった中で、この映画を見る限りでは多分かなりの低予算で作られているはず。

お金がかかったとすれば爆破のシーンと銃撃シーン。

この2つぐらいしかないはず。

カーチェイスのシーンもなかった。

しかし、ストーリーは驚くほど先鋭に研ぎ澄まされていて、何気なく撮影されたシーンでもおそらく、かつてないぐらいのこだわりの中で撮影されたのではないだろうか。

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リュックベッソンという才能

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監督リュックベッソン フランス男らしくなかなか浮き名を流す

この監督の才能は言うまでもない。

映画監督としてもハリウッドの著名な監督と並び称せられるだろう。

私は個人的にはフランスのジェームズキャメロンかなと思っている。

そのぐらい非凡なものを彼の作品からは感じるのだ。

映画を作る上で、作るためのビジョンがはっきりしているのだろうと思う。

どんな映画を作りたいのかしっかりとした意志があって作っている感がある。

フランスは昔から映画を始め様々な芸術が発達してきた国 。

著名な映画監督はたくさんいるが、私の昔からの思い出だとジャンリュックゴダールになるだろうか。

彼の映画や彼がよく使っていた女優や俳優など、私の思い出の中にも残っている。

リュックベッソンは、そういったフランス映画の伝統を引き継ぐだけの活躍をしている。

特に脚本を主体とした映画制作もかなり熱心に行っていて、あのSF大作のフィフスエレメントなど暇つぶしに描いた物語と言い切るあたり、ちょっと凄みを感じてしまう。

監督リュックベッソンは様々な女優と浮き名を流した事でもよく知られているが、ニキータで主演した女優 アンヌパリローやミラジョヴォヴィッチなども婚姻関係にあった

映画作りでは、それぐらい浮き名を流すぐらいのエネルギーがなければあれだけ次々と名作出世作を作ることなどかなわないだろう。

彼はまだ60歳になったばかり。

ニキータを撮影した頃はまだ30歳だったことになる。

若い時から大変な才能を評価されていたと思う。

彼には刑事事件に関わるなど様々な噂もあるが、映画人としての実績は申し分がない。

おそらくこれからも、見る者を楽しませる傑作をたくさん発表し続けるに違いない。