今週からはいよいよ主役たちは本来の役者さんが演じる。
今日は学生になった祐一君をめぐるさまざまな物語。
当時は商売をやっている家の子供は商業学校に入学するのが常だったようで、祐一君も同じように進学。
しかし音楽好きは相変わらずで、学校の勉強をしつつも、目標とすべきは作曲家。
そのための勉強を独学でがんばっていたのだ。
目次
落第しちゃってた
先週から既に何年も経っている設定で時代は大正15年。
この時代もやっぱり、かなり不景気だったらしくて 商売をやっている人は大変だったような。
そういえば関東大震災が起こってまだ何年も経ってなかったよね。
実は物語の設定で主人公の祐一君。
地元の商業学校の生徒は良かったんだけれど落第をしていてすでに2回目の4年生。
かなりきわどい位置にいるらしくて卒業も危ぶまれるような。
音楽家になりたくて、そのことばっかり考えているから学業に身が入るわけもなく。
毎日五線譜とにらめっこで、教科書もろくに見ていない有様。
そんなんでどうなのかとも思うが、本人は作曲を中心とした音楽家で身を立てようと一生懸命努力をしているのだ。
寝ても覚めても音楽に傾注している祐一君。
そんな彼に訪れる波瀾万丈の人生。
当時はハーモニカが大流行
学校の勉強そっちのけで力を入れて活動していたのがこのハーモニカクラブ。
大正時代の中頃から昭和の初期にかけてはハーモニカが大流行りだったと聞いている。
私のような戦後の世代だとあまりなじみはないが、私の父親の世代は昭和のごくはじめの頃の生まれなので 、ハーモニカに慣れ親しんだ経験があるらしく、典型的なサラリーマンだったはずなのだが、ハーモニカを吹かせるとかなり上手かったなと記憶する。
この時代の人の特徴として1人でハーモニカを吹くのだが、伴奏とメロディーがあのちっちゃなハーモニカから同時に聞こえてくるんだけれど、一体どうやっていたんだろう。
何度か演奏を聞くたびに感心していたと思った。
そういえば私が子供の頃も私用ではないと思うが、ハーモニカが家に2台くらいはあったような気がする。
福島県のこの商業学校でも、学校の生徒たちの上級生を始め、一般の人たちも参加してかなりレベルの高い演奏クラブを運営していたようだ。
コンクールに1曲披露してみては?
ハーモニカクラブはその実力が認められてあちこちで演奏会の依頼があったようだ。
実はその時の催しもので、クラブに所属しているメンバーの中からオリジナルの曲を1曲披露したいとの発案が。
作曲を得意としていた祐一君。
流れの中で作曲の依頼がやってきたのだ。
話をよく聞いてみると祐一君だけではなく周りみんなに声をかけるらしいのだが、ぜひともがんばって1曲作ってみてほしいと。
ハーモニカクラブの練習風景が放送されていたが、やっていた曲がなんとビゼーのカルメン前奏曲。
あの演奏をこなすためには各パーツに分かれなければいけない。
つまりソプラノ、アルト、バスくらいはパーツとして分かれていないと演奏がうまくいかないだろう。
またそういったことを想定してか、バスハーモニカも用意されていてきちんと演奏していたようだ。
普段我々が目にするものは小さなソプラノのものばかりのものが多いが、種類はたくさんあるのだ。
あの縦笛だって(リコーダー)何種類ものバージョンがあってソプラノからバスに至るまで豊富に取り揃えられている。
他の楽器に比べるとそれほどメジャーではないので、今では専門の演奏会を聞く事はあまりないのかもしれない。
しかしYouTubeを探してみると様々なものがある中でちょっとユニークなソロ演奏があったもので。
可能性としてはこれだけのことが普通にできてしまう楽器なのでかなり奥が深い。
現在の祐一君はこれらのハーモニカの合奏団で音楽家の可能性を探っていたようだ。
やっぱり養子縁組は避けられない
古山家は経営する喜多一の業績不振のことがあってから、お母さんの実家に資金援助を依頼していた経緯がある。
その時の条件で息子2人のうちどちらかが養子にいかねばならないことに。
その話は一旦は立消えにはなったものの 、何かにつけて再燃することに。
ちょうど今はお父さんの仕事も順調に波に乗っているので喜多一も黒字経営。
古山家は祐一君か浩二君のどちらかが家業をつがなければならないようだ。
今日の物語の中では、どうやら長男である祐一君は音楽の道に進んでも良いとの話が出たようだ。
弟の浩二君が喜多一を譲り受けることに。
さてそうなると、いよいよ祐一君は音楽関係で結果を出すことが求められる。
この養子縁組の話と、実際に音楽科の道に進めるかどうかの話はこの後も少し尾を引いて長く語られることになるのだ。
家族のまとまり
古山家では弟の浩二君が兄祐一君の振る舞いについてかなり鬱憤が溜まっている。
長男なのになぜあんなに好き勝手できるのか。
しかも両親はなぜそんな兄を許して野放しにしておくのか。
そのことを考えて苛立つ気持ちを募らせる。
そして自分自身も兄同様好きな人生を歩みたいと言い出すのだ。
商業学校にはいかず高等科を目指したいと。
つまり世間一般的な考え方からすれば商業学校に行くべきところをその進路を選びたくないと。
家庭の状況がそこまで険悪になっていても全く意に返さない祐一君。
そうしているうちに、現在留年中の4年生をさらにまた落第しそうな気配。
もしこの次落第するようなことがあれば、それはもう退学しか道が残されてはいないと。
彼が考える以上に現実は厳しそう。