最近はテレビももちろん見るが、YouTubeを見る時間がかなり多くなったと思う。
主に見るのは映画関係とか音楽関係が多いのだが、よくネタバレ的なものを多く見る傾向が。
様々な音楽は昔からいろいろなジャンルのものに触れてきたが、最近、昔から聞いた古いものが少し気になるように。
ほかならぬ日本の民謡。
私が思う名曲がたくさんあるが、今回はそのうちの2つに特化しようかなと。
2曲とも水辺にちなんだ歌と感じる。
目次
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江差追分
歌声を聞いてみるのが1番よくわかるだろう。
昨年全国大会の優勝者。昨年もその前も女性が優勝している。
男性が優勝とは限らない。女性の歌手が多いのも特徴。
聞いてみてもなんて事は無いのだが、いざこれを自分で口ずさむようと思っても、全く歯がたたないことにすぐ気がつくよね。
コンクールでの採点のポイントがあるんだけど、まず節回し。
所定のテクニックがきちんと網羅されているかどうか。神業に近いようなテクニックも求められているので。
後は息継ぎの位置。
どこで息を継ぐか既に決まっているので、
コンクールの時は、この息継ぎを間違えるとすぐに失格と聞いた。
民謡とは言え、驚くほど厳しいルールが敷かれている。
コンクールの歌い手さん達は、その時の出場者の1番点数の高かった人が優勝する。
当たり前の事だけど、実際に聞いてみると、緊張感が伝わって、追分の本来持っているのびのびとした遠くを眺めるような雰囲気は意外と伝わらない気もしてしまう。
江差追分の名人と呼ばれる人たちもたくさんいて、皆さんそれぞれに味わいが。
いろいろ聴き比べてみて、知名度のある方の歌唱をちょっと聞いてみますか。
昭和43年の全国大会の優勝者ですが青坂満さん。
江差追分の何人かいる名人の1人。ほとんど伝説の人と言っていいくらい。
はるか昔にテレビで拝見した人もこの方だったので。
テレビでの説明では“味わいの青坂”と呼ばれたようですね
いろいろいる江差追分の歌い手さんの中では、多分キーは低い方だと。
他の歌手たち、三橋美智也とか福田こうへいとか聞いても男性の声としては限界を超えるぐらい高い声で歌わされる。
女性が歌う場合も同じ。
基本、江差追分はほぼ限界の高音域を要求されている。
なぜ、こんな振り絞るような発生が伝わったのか、ちょっと考えてみると、
多分海の上で歌うことを想定している。あるいは打ち寄せる波のある海岸線。
波の音にかき消されない音量と遠くまで響く声。多分この辺がコンセプトかなと。
追分を聞くときには江差の海や、蝦夷富士を思い浮かべるのがいいかなと感じる。
数ある日本の民謡の中でも、東北より北に発生した歌はどれも皆、このような歌い手のフルパワーを要求するような歌が多いと感じる。
聞いたところでは、練習する民謡歌手たちは海岸線で波に発声がかき消されないように 全力で歌うのだとか。
初めてチャレンジするときには簡単に声が枯れてしまうそうな。
しかし、この曲は日本でも有数のファンが多いことで有名。
今年行われる全国大会は57回目を数える。
全国から、我こそはと思う歌手たちが地元 江差町に馳せ参じるのである。
大変だなと思うのは会場に集まる人たちも、審査員たちも同じ曲ばかりを聞かされる。
普通のコンサートとは明らかに違うので、聞いてみたいなと思う反面、たじろいでしまう自分がいる。
興味のある方は覗いてみるのもあり。
最上川舟歌
こちらの若手の女性歌手は最近発見。
聞くと一目瞭然。
かなりの実力派であることには違いない
Royalty Free 最上川舟唄 / 朝倉さや PV 【民謡日本一】
映像は意味不明ですが、
彼女民謡日本一の女性で歌手としても超売れっ子です。
この歌声を聞けば納得と言うもの。
実は彼女が民謡歌手と知ったのはごく最近。
最上川舟唄そのものはずいぶん昔から知っていたが、ここで少し聞き比べてみると、彼女の歌声がヒット。
女性にしては野太い歌い出しで、しかし、高音域の伸びや、歌い手のテクニックとしては間違いなくトップクラス。
調べてみてわかったのだが、彼女は1992年生まれでまだ27歳。
アイドルでは無いのだがアイドル歌手みたいな試みもたくさん行っている。
とにかく山形弁で売りのタレントと言っていいだろう。様々な曲を山形弁で置き換えて歌っているのがかなり有名。
私もYouTubeで最初にヒットしたのは、彼女の山形弁吹き替えの木綿のハンカチーフとか。
面白いと思って聞いたのだが、聞き進むうちに彼女が民謡歌手であることに気がつく。
その中でヒットしたのがこちらの歌唱である。
最上川舟唄も、江差追分に並ぶ東北地方の名曲。
川を下る船の様子が浮かんでくるところがこの曲の真骨頂。
全く別な話になるが、朝ドラの再放送でやっていた“おしん”
彼女が活躍した土地も酒田市付近。この歌の歌詞に出てくる。
東北地方も歴史は古いので様々な伝承文化が伝わっているのだ。
彼女以外の最上川舟唄も紹介しておきたい。
大塚文雄さん日本民謡では第一人者とされる。
ステージ活動もレコーディングも日本を代表する民謡歌手。
歌唱を聞いていると、この曲もハイレベルなテクニックを要求されていることがよくわかる。
耳に心地よい歌声だが、歌い手には限界ギリギリまでのパワーを要求している。
最上川舟唄のお手本とも言える。
東北地方の風土や暮らしぶりが育んだ歌だろう。
楽譜はこんな感じ
それぞれ楽譜が存在するのだが、当たり前のことだが五線譜ではない 。
日本古来の楽譜の記述法と言える。
西洋音楽のようにあらかじめ決められた、絶対的な調子は存在しない。
歌い手によってキーはおのずと変わっていく。
どの音が出発になるのかは、歌い手が歌っていくうちに決まっていくもののようだ。
歌うときの様々なテクニックについての約束事がこの楽譜に込められているのだ。
似たような楽譜が日本にはもう一つ存在する。
仏教で歌われる声明。
こちらの楽譜も似たような表記法を使っている。
五線譜に慣れている者にとっては何が何だかわからない。
ちなみに練習だが、すべて1節ずつ口頭で教えてもらって練習する。
楽譜を見て音を想像できるならば楽譜が練習の基本にはなるが、見ても読めないので、直接耳で聞いて発声して覚えるしかないのだ 。
まとめ
江差追分はこのように歌い方の練習の手ほどきをしてくれる会がある。
私がテレビで見たのは青坂満さんの 講義のものだった。
やはり、1節ずつ歌って聞かせて歌わせて覚えさせるのである。
これはプロの方も参加できるが、どちらかと言えば体験講習会のような雰囲気もあった。
つまり素人も参加していたように見えた。
民謡教室とはまた違って、詳しいことはわからないが、1度2度参加するのは楽しいかも。
日本民謡のファンはそれなりに多いと言えるだろう。
かく言う私もそれほど熱心とは言わないが、日本民謡の良さが少しはわかると感じている。
日本民謡の中でも、とりわけ九州や沖縄方面の民謡が私的には手付かずで。
これから 余生で少しずつでもいろいろ聞いてみて感じ取りたいと考える。
今私の中で感じる民謡といえばどちらかといえば東北と北海道のものに限られるので。
全国は広い。
様々な音楽を行脚する。
多分生涯をかけてのテーマ。