昨日から新しく設定が始まったと思っていたけれど今日は再びまたオムニバスの描き方で、
久志君の子供の頃のエピソード。
エールの全体像を描くためには歌手佐藤久志君の存在は必要不可欠なんだろうなと。
そういえばなぜ歌手を目指したのかは語られてこなかった。
今日はそういったネタ証しも含めて語られていたね。
目次
佐藤久志君の家庭の事情
お父さんは確か政治家の設定だったよね。
3年前に離婚をして、その後再婚したようだ。
立派な家でお手伝いさんも1人。
一人息子の久志君は典型的なおぼっちゃまで、何不自由なく暮らしているように見えた。
しかし、まだ10歳ほどの久志君にとって心の中でいつも思うのは本当のお母さんに会いたい。
実際にお父さんには内緒で本当のお母さんからの手紙も大切に読み返していた。
残念ながら、新しいお母さんには全くなじむことができず、つい口をついて出る言葉はぞんざいな投げやりな言葉。
そんな中で息子をたしなめるお父さんと、ひたすら胸を痛めて世話を焼こうとする新しいお母さん。
チビ久志君の家庭の事情とはそういったところ。
大正9年とかの設定だったので、まだ祐一君と出会う前。
当時のことを考えればどちらかと言えば少数派の家庭だったのかも。
幼ない久志君はそんなストレスの中、日々暮らしていたのだ。
本当のお母さんに会いたい
久志君の本当のお母さんは麻友さん。
実家が福島とのことで、離婚した後故郷に戻っていると聞いた。
久志君はどうしても会いたい気持ちが募って、ついに決心して単身会いに行くことに。
既に離婚をして3年経っているのでなかなか住所にたどり着くことができない。
それでもがんばって訪ねて行ったところも、聞いてみるとずいぶん前にもう引っ越したとのこと。
ところがそんな中で訪れた神社の境内で、本当のお母さんが通りすがりの偶然見かけてしまう。
久志君にとっては特別な存在のはずの本当のお母さんは、フタを開けてみたら既にもう再婚していて、子供もいるようだ。
この様子を見て、今まで恋したっていた気持ちが音を立てて崩れていくのを感じてしまう、
久志君。
自分が必死になって探してみた結果がこれでは、自分自身の真心を頭から否定されたようなそんな気持ちになったのかも。
やっぱり、大人の事情とは言え子供の気持ちが反映される事はなかったようだ。
こんな状態だと、一体どんなふうに受け止めればいいのか。
久志君は実はここで大きく成長を遂げる。
今現在の生活を素直に受け入れようとするのだ。
今まで決して心を開かなかった新しいお母さんに、心を開こうと決心する。
初めて、お母さんと声をかける。
ここまで来るまでにどれだけ久志君が苦しんだことか。
エールの中では今日初めて語られたエピソード。
鉄男君の場合は、本編で子供時代にそれなりに家庭の事情が語られていたと思う。
親からずいぶん虐待されて、必死で頑張っていたよね。
久志君は本当の意味でここから新しい人生が始まったのかも。
複雑な大人の事情
やっぱりお母さんが再婚して新しい幸せを見つけてしまっていたのでは、子供心に久志君の居場所はなさそう。
駆け寄って名乗りを上げるほどの元気はもう消え失せていたね。
大人、とりわけ女性は選び取る生き物。
自分にとってどのような男性がふさわしいのか常に取捨選択するようにプログラムされているのでは。
一旦見切りをつけて捨て去ってしまえばほぼ後悔する事は無い。
対する男は、もう二度と戻らないと知りつつも、しつこく関係を修復しようと悪あがきを繰り返す。
男と女の持ち味の差は、大人の事情となって現れるだろう。
今日のエールでは短い時間の中でそんな事情が語られていた。
この場合、子供は素直だから、どうしても今まで通りのものを求めてしまいがち。
こういった事情がある場合は、子供にもいやがおうでも進歩が要求される。
やっぱり藤堂先生の果たす役割は大きかった
家に帰る前にいちど学校に戻って音楽室で過ごしていたところが藤堂先生に見つかる。
既にずぶ濡れで、いかにも訳ありな様子。
藤堂先生は事情を話すように促すが決して語ろうとはしない久志君。
その様子を見た先生は授業で教えていた“ふるさと”を何気なく歌いだす。


先生に促されてフルパワーで歌ってみる久志君。
その時の全身全霊で表現することの爽快感。
歌うことってこんなに素晴らしいのか!
そのことが歌手になるきっかけと言える。
ここでも大きな役割を果たしていたのは藤堂先生。
先生は久志君のボーカルに並々ならぬ才能があることを見出していた。
表現者としては一流の輝きがそこには見て取れた。
こうして歌手を目指すことになった久志君。
振り返ったときのエピソードは山崎育三郎が語っていたね。
今日のエールはそうやって、福島三羽ガラスの1人が歌手活動に目覚めるいきさつが語られていた。