本来の大河ドラマが始まらないのでその間はかつての映画ドラマのおさらいのような状態が続いている。
今日はその3回目の放送で利家とまつ。
加賀百万国の礎を築いた前田利家とその妻まつの夫唱婦随の物語。
この作品は2002年の放送なので、既にもう20年近く経過しているのがなんとも意外。
このドラマは実はリアルタイムで見ていた。
この前の年に、ハイビジョンテレビに変えた我が家では、大河ドラマは格好の視聴番組だった。
特にドラマの中では主役を演じた唐沢寿明君と松嶋菜々子が有名だったが、それ以上に織田信長を演じた反町隆史がちょうど松嶋菜々子と結婚したばかりの頃で話題として持ちきりだったね。
目次
前田利家と正室まつ
今日の放送で断片的にシーンを見返してみると、思いのほかドラマチックに作ってあったと。
史実をきちんと踏襲しながらも、それぞれの俳優たちに目一杯演技をさせていたような。
特に前田利家やまつは感情表現を、ある程度前面に出すように描かれていたような気が。
また同じように他の織田信長を始め豊臣秀吉も徳川家康も表情の作り方などで心の動きがよくわかるような設定に。
時代劇と言えばどちらかと言えば重々しいセリフ回しで静的な印象を受けるのだが、このドラマは違っていたと記憶する。
要するに感情を激昂せるシーンが多かったような気が。
やっぱり視聴者を意識してわかりやすい脚本作りになっていたと。
全編通して様々なシーンが描かれたが、記憶に残るのはある程度放送回数が経ってからは、衣装を始めとする小道具たちが驚くほど絢爛豪華に映ったもの。
特に女性たちが来ている着物の美しさは初めて見ることになったハイビジョンテレビのせいもあって、特に際立って見えたと思う。
あとうっすらと記憶に残るのはまつを演じた松嶋菜々子さんが、当然お化粧はするのだが、うっすらとそばかすが見えるのがなんとも新鮮な印象で映ったね。
ファンデーションでいくらでも隠せたはずだけれど、そこをあえてきちんと表現して見せたところに当時の女性として血が通った印象をより強く受けた。
話題満載だった反町信長
彼のセリフで
で あるか…
これがあちこちに出てきて、印象に残っている人も多いのでは。
またまつの決めゼリフ
私にお任せくださりませ
これも有名だったと思う。
ドラマとしての方向性をこの辺のビジュアルで訴えていたのだなと今更のように感じる。
今日のスタジオの感想の中で反町隆史が回想していたが、初挑戦の時代劇なので、周りはすべて先輩だと言うこと。
特に明智光秀役の萩原健一をぶん殴るシーンがあったんだけれど、2日くらい前から夜寝られなかったらしい。
撮影の時もある程度演技をするつもりでいたのが萩原健一が思いっきり頭をぶつけてしまって青ざめたんだそうだ。
しかし、その後の批評で萩原健一自らが、とても良かったと褒めてくれて一安心したとのこと。
この時、萩原健一は51歳で信長よりも一回りも2回りも年上になっていたのだが。
歴史的に考察してみると明智光秀は織田信長よりも最低一回り以上は年上だったと聞いている。
それを思えばそれほど荒唐無稽な配役ではない。
萩原健一扮する明智光秀は今でも語り草に
こちらで描かれた本能寺の変は驚くほどのシリアスな作りになっていた
怒りに震えた光秀は信長と対峙したときに声が裏返ってしまってセリフも噛みそうなほど。
しかしこのリアリティーこそが萩原健一の真骨頂だったのかも。
直接織田信長に恨みを述べる設定になっていたが、この辺は史実とは違うと思う。
また前田利家も本能寺に駆けつけた設定になっていたがこちらも史実ではないだろう。。
ドラマとしての面白さをとにかく追求した物語になっていたと思う。
香川照之演じた豊臣秀吉
豊臣秀吉を演じた香川照之。
彼の描き方は天下人でありながら前田利家の親友であり、腹を割って話せる間柄に設定されていた。
確かに歴史的に見ても、この2人は同年代で二人三脚で織田信長を支えていた間柄だったかも。
手柄の立て方は秀吉の方が圧倒的に優れていたのだが、前田利家はその人柄と武勇で多くの人から信奉を得ていた。
豊臣秀吉が亡くなった翌年に前田利家もなくなるのだ。
この時にもし前田利家があと5年生存していたなら、徳川家康は歴史に残るほど自由自在には動けなかったはず。
またこのときの家康と利家の周りからの信頼度を比較したならば、利家の方が上回ると言う意見は多い。
しかし前田利家は40歳を過ぎたあたりから腹痛が持病となっていたのだが、今様々な人が推察するとどうやら消化器系のガンだったようだ。
特に、腹痛の発生の仕方から見て、胆石を長く患っていたのではと言われている。
おそらくそこら辺の病気であれば発症すればある程度命の期限を切られてしまうだろう。
今日のスタジオには反町隆史も唐沢寿明も出演
スタジオに出ていた2人の様子を見ていると、20年近く経っているのであの当時は若かったんだなと痛烈に感じてしまう。
当時の映像を流したものを見たときに出演者たちが皆拍手をしていたのが印象的。
特に心に強く刺さったのは唐沢寿明が自分の演技したシーンを見た後涙ぐんでいたこと。
それは前田利家が大往生するシーン。
もうずいぶん時間が経っているにもかかわらず、彼にとっては強く思い出に残る作品だったことは間違いなさそうだ。
確かに大河ドラマは驚くほどの労力と、俳優やスタッフたちの献身的な奉仕の精神で成り立っているのかも。
今日の放送を見るにつけ、麒麟がくるが早く放送されるのを首を長くして待つようだと。