くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

エール 召集令状の顛末

 

先週の最後のエピソードで届いた召集令状。

祐一君のような大活躍の作曲家といえども招集システムからは逃れられなかった。

しかし、エールではこのエピソードに特別な配慮がなされていた。

エールでは物語にきちんとしたモデルがいて祐一君のモデルは

古関裕而さん。

彼の情報を調べてみると、彼自身にも召集令状は来ていたとあった。

ただし1週間の約束で入隊をして、その後除隊するように話をされ、結果として1ヵ月ほど軍隊生活をしたらしい。

この当時、ごくまれにだが召集令状が届いても様々な状況を加味して招集を免除される例もあったらしい。

祐一君にも兵役免除が適用されたと物語では語られている。

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物語上でも36歳で召集令状が届いた設定

目次

海軍から映画の主題歌の作曲依頼

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映画の題名は決戦の大空へ

召集令状の届いたそのすぐ後で東都映画の三隅さんなる人物が古山家を訪れる。

それは他でもない海軍の戦意高揚のための戦闘機乗りの訓練を描いた映画作り

祐一君の実績を聞きつけてその主題歌を作って欲しいとの事。

その時は既に召集令状に基づいた入隊日は1週間後に迫っていた。

映画の話をすると、主役は原節子、そして主題歌の作詞を西条八十。

作曲は小山田耕三の名前も上がったが、やはり軍事歌謡の第一人者である古山祐一の実績が勝って依頼が舞い込むことになったのだ。

今までの祐一君なら1も2もなく引き受けていたはずの仕事だったが、今回に限り、1週間後には入隊が控えている。

その事情を話して丁寧にお断りをすることに。

召集令状を見せられた三隅さんは、ひどく納得した表情で何かを画策しているような様子。

召集令状を理由に依頼をお断りするも…

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兵役は丙種合格となっていたね

エールのモデルだった古関裕而さんも召集令状を受け取っている。

当時36歳だった古関さん。

36歳で召集令状はちょっとおかしな気がしたので海軍まで問い合わせて事実確認を確認してみたところが、これがなんと間違いだったことが発覚。

つまり間違いで召集令状を頂戴したことに。

訂正しようとしてみたところが、それもままならないと言う。

結局、一旦は入隊をしてもらって1週間で除隊することで納得。

結論から言うと1週間では終わらずに1ヵ月ほど軍隊生活を送ったらしい。

その間、音信不通だった妻の金子さんは気が気でなかったと後に語っていたようだ。

当時専門的な分野で日本に貢献しているとみなされた本当にごく僅かな人たちは、兵役を免除されたようだ。

この当時、古関さんの親友だった伊藤久雄、彼も召集令状を受けている。

ただし、ちょうど召集を受けた時は痔が悪くて治療のために入院していたとのこと。

エールで描かれた久志君と同じようだ。

ちなみに鉄男君の場合モデルとなった野村俊夫さんは実際は古関さんの5歳年上だったこともあって兵役を免れていたようだ。

調べてみると様々なことがよくわかるがエールは史実に忠実に描かれているだろう。

豊橋では五郎君と梅ちゃんが!

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ついに岩城さんの試験に合格 7年目にして

梅ちゃんと知り合ってから7年間。

岩城さんの試験に落ち続けていた五郎君。

今日の放送ではめでたく試験に合格となった。

祐一君のアドバイスの通り、好きな音楽を頭に思い描いて、リラックスして試験に臨むことができた。

もともと長く修行を続けてきたので目をつぶっててもできるぐらいに上達はしていた。

これで晴れて梅ちゃんにプロポーズ。

梅さん 結婚していただけますか?

はい😍❣️

今日のエールの中では1番の見せ場だったかもしれない。

今週のエピソードでは心が沸き立つような嬉しい話はほとんどなかったから。

招集免除

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吟ちゃんにお願いするも願いは叶えられず

当初、召集令状に関して音ちゃんは姉の吟ちゃんにお願いをして何とかしてもらうように働きかけていた。

しかし、吟ちゃんの反応は驚くほど冷ややか。

国民全員が一丸となって戦おうとしているときに、兵役免除なんて事はありえないと。

彼女の頭の中では、中国戦線で戦っている夫の事や、なんとしても勝利をもぎ取るために辛抱に辛抱を重ねて戦い続ける決意で埋め尽くされていた。

ある意味軍人の妻として、戦争に対する覚悟が誰よりも強固だったかもしれない。

音ちゃんの願いはほかならぬ映画製作の三隅さんによって叶えられる 。

彼が自分自身の知り合いのツテを頼って祐一君の兵役免除を勝ち取ってきた。

この当時兵役以外でも日本に大きく貢献しているとみなされたほんの一握りの人たちは、兵役を課せられることなく、得意分野での活躍が認められた。

祐一君も作曲の才能を大きく評価された形。

今日のドラマの中の最後の1分にも満たない時間の中でこのことが語られていたのだが。

祐一君の複雑な表情が印象的だったよね。

ある意味、彼は特別扱いされて生きながらえる権利を頂戴したようなもの。

それは自分の代わりに誰かが死ぬことを察知したに違いないのだ。

これからのエールのエピソードの中でも、特に祐一君や周りの人たちを大いに苦しめることになる自分自身のやってきたことに対する責任。

そのことが布石として描かれていた。