くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

エール 音楽の果たす役割ってなんだろう?

 

エールは今物語の中で最も大切な部分を描こうとしている。

依頼の若鷲の歌も映画のヒットと同時に主題歌として大ヒットを記録。

祐一君の作曲家人生は今絶頂期を迎えつつあるのだが。

しかし彼の場合、有名にした曲はすべて軍歌。

軍歌は国威発揚と戦争に向かおうとする人々を鼓舞するためのもの。

どんなに聴く人の心に寄り添おうとも、戦争に向かっていく事実はいかんしがたいものがある。

そしてその事実は祐一君を激しく攻めさいなみ、人として大いに苦しまなければならなかった。

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小さな子供たちからも若鷲の歌を賞賛される

目次

大ヒットした決戦の大空へ

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現地取材がものを言ったね

昭和18年に封切られた決戦の大空へは戦時中にもかかわらず大ヒットを記録した映画。

映画ももちろんだが主題歌が今では誰もが耳にすれば聞き覚えのあるメロディー。

🎶赤い血潮の予科練の🎵

おそらく知らない人を探した方が良いのではと思うくらい超有名。

作曲家として戦意高揚を目的とした数々の音楽を生み出し続けた祐一君。

結論から言えば立派に戦争に加担している。

本当は人々を喜ばせるため元気付けるために作曲する目的を掲げていながら、フタを開けてみれば戦争に行って死んでしまう若者を大量生産していたかもしれない。

もしそのように考え始めるとすれば、その苦しみは拷問以上の拷問かも。

古山祐一もモデルとなった古関裕而さんもおそらく一生かけて悩まなければならない重大な問題だった。

梅ちゃんと五郎君

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結婚後初めて古山家を訪問

7年目にして馬具職人になる試験に合格した五郎君。

梅ちゃんを連れ立って古山家に。

最後に訪れたときに祐一君に泣き付いてどうすれば試験に合格するかのアドバイスをもらっていた。

その時祐一君は緊張しそうになったら自分の好きな音楽を頭の中で流すこと。

そうすれば気持ちがほぐれて実力を発揮できるよと。

そのアドバイスの通り試験を受けて見事合格できたのだ。

今日は晴れて結婚できたことの報告と、久しぶりに家族の交流を確かめたかったから。

祐一君と五郎君 すれ違う心⁉️

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先生の音楽でムダに死ぬ人が増える‼️

書斎で向き合う祐一君と五郎君。

五郎君は実は豊橋で関内家の家族になると同時に同じキリスト教に入信したとの事。

特攻警察から迫害を受けながらも信仰を捨てない家族のひたむきさにいたく感動した五郎君。

彼自身キリスト教のもとになる聖書を必死に読み込んだ末の結果だったのだ。

聖書には争って殺しあってはいけないとそのことが事細かに説かれている。

そのことに照らし合わせると祐一君の今の名声は軍歌を作曲することによるもの。

つまり、人々を戦争に向かわせ、見方を変えれば大勢の人が争って死ぬことに加担している

戦争に向かう人が増えれば、無駄に死ぬ人が大勢出てくる。

その言葉に激しく反応する祐一君。

人の命を無駄だと言うな‼️

エールの中でもここまで大声を出した祐一君を見たことがなかったよね。

彼の中でも最も重要で最もデリケートな部分に図らずも五郎君は土足で踏み込んでしまったのかも。

祐一君は音楽で人を幸せにする。

その一心で作曲しているのだ。

その一方で、自分自身は作曲家の肩書のもと兵役を免除されている。

それは正当な理由でそうなったにもかかわらず、祐一君の心の中に湧き上がる後ろ暗さ。

自分はずるして命を長らえている。

そのような気持ちで自分を責め続けていた。

五郎君はピュアな嘘偽りのない言葉で思いを告げてみたが、それは土足で祐一君の心の中にズカズカと踏み入ること。

このやりとりを部屋の外で聞いていた音ちゃんと梅ちゃん。

見守る家族にとっても夫たちのやりとりは気が気じゃないのだ。

この時代を生きてきた人たちにとって、どんな立場にあっても日本国民であれば全員が戦争に加担していたはずだ。

たとえ反対やその他の妨害活動に加担していたとしても日本国民であった以上はすべて戦争の名のもとに戦うことを義務付けられていた。

そしてそういった人たちは終戦を迎えることによって全く何の整理もつかないまま世の中に放りだされてしまうことに 。

戦争ではおよそ310万人が犠牲になっている。

生き残った人たちは、これらの犠牲者の人たちに守られる形で命を長らえたと思っても良いのでは。

そして今生きている私たちは皆これらの犠牲者の人たちの遺族なのかもしれない。

日本人は全体主義の名の下、すべてはお国のためにとの目的で戦争に向かい、大勢の犠牲者を出すことに。

遺族としてお弔いしたいと思う私の心に嘘偽りなどあろうはずもない。

ついに戦地慰問の話が

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ぜひ戦地慰問をお願いします

今日の放送の最後の方でついに祐一君に戦地慰問の話がやってくることに。

詳しい事は後で説明するとの事になったが、これは古関裕而さんのエピソードから推察するとビルマ戦線への慰問とのことになる。

あの悪名高いインパール作戦の真っ只中に出征していくことに 。

ここで何を見るのか?

それは驚くほど過酷な前線の模様。

インパール作戦で日本軍が行進した経路は別名白骨街道と呼ばれた。

熱帯特有の熱病と栄養失調で多くの兵隊たちがバタバタと死んでいったのだ。

さて、1日わずか15分の朝ドラで一体どれほどこの過酷な状況を描くことができるのか。

しかし、この部分を手抜きすると物語は驚くほど陳腐なものになるのかも。