はるか昔、この映画は映画館で見た映画だったので記憶にも残っていた。
不思議な作りの映画で、サスペンス映画のような雰囲気で物語が進むのだが、最後でラブストーリーだったことに驚かされる。
当時、人気ナンバーワン俳優だったケヴィン・コスナーと映画初出演になったホイットニーヒューストン2人の共演で話題性も充分だったと思う。
映画館で見たこともあって改めて調べなおしてみることに。
目次
作品が作られたのはこの映画の封切りの15年前以上
最初この映画が計画されたのは70年代の中頃、
スティーヴ・マックイーンを主役に据えて物語にしようと。
しかし出演を断られたためライアンをニールに依頼。
その計画も実は実現できなかった。
そしてそれから15年経ってやっとこの脚本が日の目を見ることに。
かなり年季の入った作品だったんだなと改めて思う。
物語は凄腕の雇われボディーガードが依頼を受けて人気歌手の護衛を務めるが、住む世界が違う2人なのでおよそ意見が合う事はなく、お互い歩み寄りにずいぶんエネルギーを要した。
しかし、映画の中でも描かれる通りに危険はひしひしと迫っていて、ケヴィン・コスナー扮するフランクがいなければホイットニーヒューストン扮するレイチェルマロンの命も危うい場面が何度か。
緊迫感のこもったやりとりが続く中で、レイチェルがフランクに恋心を抱く。
そしてその恋心にフランクが答えてしまうところが、この物語の面白みを倍加させているのでは。
映画はアメリカでもそこそこヒットしたと言われている。
しかし、日本では私も記憶しているが大ヒット作品となった。
特に主題歌を歌って主演も務めたホイットニーヒューストンの人気は爆発的に広まったと言える。
ケヴィン・コスナーとホイットニーヒューストン
映画はこの2人が絡むシーンとやり取りで、全体のストーリー自体もそれほど理解せずに見てしまっても納得させられるわかりやすさがあった。
正直なところ犯人は、私は最後の方でやっと認識できるような有様。
あちこちで布石が貼られていたにもかかわらず、どこから誰がやってくるのか皆目見当がつかなかったのだ。
ケヴィン・コスナーの渋い演技もさることながら、誰もが感動したのはホイットニーのみずみずしい演技だっただろう。
歌手としてもこの時人気絶頂だった彼女の大ヒット作品と言える。
そして誰もが知るこの歌は、その後大ヒットとともに今日に至る。
Whitney Houston - I Will Always Love You - Lyrics
YouTubeを検索すると様々なバージョンがアップされていたが、私がいろいろ聴き比べてみたところ彼女の印象に最も近くて聴く者を納得させる歌唱はこれだった。
後半のファルセットのところは歌に自信のある女性なら誰もが試したことがあるんじゃなかろうか。
みんなカラオケでも真似していたよね。
上手い下手関係なく歌そのものにとてつもなく魅力があったと今更ながら感心する。
今日は改めて字幕スーパーの放送を見直してみてケヴィン・コスナーの俳優としてのポテンシャルが改めて納得できたような。
やっぱり一流の俳優なので役柄の作りが全く完璧に出来上がっている。
無骨でコミュニケーションをとることが苦手な仕事一筋の男の心意気を遺憾なく発揮していた。
それ以前の役柄では意外と感情表現をたくさんするような役柄も多かったのでは。
この作品でがらりと印象を変えたような気がしたのは私だけではないだろう。
ホイットニーヒューストンを襲った悲劇
ホイットニーヒューストンを振り返ってみたときにどうしても
彼女が48歳で不本意な死を遂げたことを忘れられない。
ホテルの風呂でコカイン中毒とおそらく他にも摂取したであろう薬物で気を失ってそのまま溺死してしまった。
事故死で片付けるにはあまりにも悲しいなと。
彼女は少なくとも大スターだったわけで。
おそらくお金に困るような人生ではなかったはずだが、しかし幸せではなかった。
彼女の幸福感はやがて麻薬に手を染めアルコールにも溺れたと聞いている。
結婚をして子供を1人設けるが、その子も22歳で同じような亡くなり方をしている。
さらに、認知はしていなかったけれど男の子を1人引き取っていて育てていたらしい。
その子も若くして薬物か何かで亡くなっている。
彼女の血筋ではみんな早死にしてしまっている。
彼女の素晴らしいひらめきとともに繰り出される歌唱力は今でも聞けば納得するのだが、もう残された音源を楽しむ以外に方法はなかろう。
40歳前後で一旦は引退しかけたこともあったが、復活しようとしていた矢先だったようだ。
彼女の晩年の歌もYouTubeで上がっているが、残念ながら全盛期ほどのひらめきと輝きを感じない。
もともと類まれなる歌唱力の持ち主なので、歌いこなすことにかけては天才肌の歌手だが、どうしても表現できないファルセットは小手先でかわそうとしていたフシがある。
今さら何を言っても始まらないが、映画はとても面白かった記憶とその後の残念な記憶が心の中に折り重なる。