いよいよ今日あたりから描かれる物語は、昔から歴史で語り継がれてきた戦。
上洛を果たした信長が朝倉義景に戦を仕掛け、その背後を義理の弟浅井長政に突かれる大ピンチに陥ることに。
この戦に至るまで織田信長は迷いに迷っていたようだ。
朝倉義景は今川義元に匹敵するくらいの大大名。
桶狭間の戦いの時のように自らの陣地の中で戦うわけではない。
実からわざわざ越前一乗谷まで赴いて戦わなければならないのだ。
数字から行っても圧倒的多数の兵力で戦えるわけではない。
互角の戦いとなれば地元である義景有利。
その戦をめぐってさまざまな武将たちの思惑が交錯する。
目次
帰蝶と光秀久しぶりの再会
物語の最初のエピソードで久しぶりに帰蝶が登場。
麒麟がくるでは、帰蝶ファンは特に多く、ここ最近全く登場していなかったので物語に参加してくるようなネットの書き込みがあちこちで見受けられた。
今日は光秀と9年ぶりの再会を果たす設定。
あの小さな子供だった奇妙丸も分別のつく年頃まで成長。
織田信長の嫡男である後の織田信忠。
本能寺の変で織田信長ともども討たれることになるのだ。
今日の話の内容では帰蝶が手元に置いてずっと育ててきたと語っていた。
実際のところがどうだったかは不明だが、何となく想像できる話ではある。
そして帰蝶の口から語られたのは信長が朝倉義景との戦に逡巡しているとの事。
良い意見を授けてほしいと口添えされる。
織田信長の戦い方を見れば、なんといっても拮抗する戦いはしてきてはいない。
必ずと言っていいぐらい有利な状況を自ら作り出して、戦って勝利するパターンを持ち続けている。
朝倉との戦は互角の戦いになる可能性が極めて濃厚。
そのための妙案を欲していた。
光秀とのやり取りで、少し気持ちを持ち直した信長の様子がしっかりと描かれていた。
光秀家族との再会
光秀は京都で将軍付きの武将として活躍。
妻子とはずっと離れ離れで暮らしていたのだ。
今日は家族からの申し入れとのことで、皆が京都で暮らしたいとの願い。
家族からの申し入れで光秀もついに一緒に暮らすことを決心する。
家族が一緒に暮らせるようになるのはなににもまして嬉しいこと。
戦に明け暮れる武将たちにとって家族の存在は何よりの癒しになったはず。
特に光秀の場合、女の子3人の父親なので、家族は元気の源と言っていいかも。
信長をめぐる様々な思惑
織田信長は自らの政治的な行動のお墨付きを得ようとついに天皇家にもアプローチをかける。
この当時の信長の尉官では、天皇に直接謁見する事は叶わないとの事だったが、様々な活躍が認められて特別に許された経緯があるようだ。
このときの正親町天皇を坂東玉三郎が演じている。
この天皇と望月東庵が碁を打っているシーンはずいぶんと思い切った演出のように感じた。
つまり、望月先生のアドバイスで信長との謁見を果たす設定に。
このときのやりとりの様子はドラマの中ではほとんどセリフなど語られていたわけではない。
しかし、謁見が終わった後の信長の目を輝かせて喜んでいる様子から破格の賞賛をしてもらったのでは。
ただし、ここは本当に上層部での会話。
この下の幕府の中では、この謁見そのものもそれほど大きく評価される事はなかった。
信長の使者として幕府を訪れた光秀。
摂津晴門や三渕藤英らから驚くほどそっけないぞんざいな扱いを受ける。
もし信長がその場にい合わせたなら、激怒したかも。
実は明智光秀はこの後、足利幕府を支えることから見切りをつけることになる。
幕府は後戻りできないほどに腐敗しきっているのだ。
自分たちの身の保全しか考えていない。
いずれこれらの古い時代のメンバーは一掃されることになる。
いよいよ歴史が動く
幕府からの支援が得られないと悟った織田信長。
1570年、ついに朝倉討伐のために兵を挙げる。
このときの戦いは、実は負け戦となるのだが、織田信長はかつてないほどのピンチに襲われる。
その辺の詳しいいきさつは、来週語られることになるが、歴史でも誰もが知っている話なのであえて紹介すれば、兄弟分のはずの浅井長政が裏切ることになるのだ。
その時に信長は背後を突かれることに。
まともにいけばここで万事休すのはずだった。
しかし、この時に羽柴秀吉と明智光秀の命をかけた援護によって命を長らえることに。
この大ピンチを乗り切って織田信長はさらにその勢力を拡大していくことになる。
とにかく本能寺の変まではあと12年。
この間たまたま脚本家の池端俊策のインタビュー番組を見る機会があった。
その中で語っていたのは、登場人物を丁寧に描くこと。
何よりもキーポイントになるのは本能寺の変。
なぜあの事件に導かれてしまうのか。
信長と光秀の間にどのように不協和音が生じていくのか。
その心がすれ違っていく様を丁寧に描きたいと。
脚本家が自ら口を開いて述べた言葉なので、なんとなくストーリーが想像できないでもない。
やはりこれからの麒麟がくるは信長と光秀の関係が描かれることになるが、少しずつ感じ方に不協和音が生じていくのだろう。
そのきっかけがどんな感じで生じるのか、興味の尽きないところではあるが、人物描写では重厚な描き方をするこの脚本家。
今までの見方とはまた違った描き方をする可能性もある。
とにかくまだ光秀は信長の家臣にすらなっていない。
そして足利幕府は遠くない将来滅びてしまうのだが、そこもきっちりと描かれなければならない。
興味津々で見守ることになる。