さて1週間のエピソードも今日がひとくくりとなる
岡安のごりょんさん、そして人気俳優早川延四郎の20年を隔てた恋物語。
見ていても、胸が切なくなるほどいとおしく喜びに満ちた展開となっていた。
千代ちゃんは仲間とともに無事組見の大仕事を終える。
そして年季明けを無事迎えることができた。
今日は15分の中では描き切れないほどの盛りだくさんな内容。
あの高城百合子のこれからも描かれていたし、何よりも千代ちゃんの天敵テルヲがある日突然現れる。
来週に向けての伏線張りもしっかり。
目次
想いを確かめ会えた延四郎とおシズ
2人だけで会うシーンがドラマの最初に描かれていた。
実はここへ来る直前延四郎はえびす座で倒れた直後だったと記憶。
彼は身体に重大な病気を抱えていたと後から知らされるのだが。
あの体のかがめ具合から見て、おそらくは胃がんか何かの末期ではなかろうかと推察する。
このお寺の境内で2人は屈託なく話し合い、お互いの胸の内を語り合うことができた。
あの時、待ちぼうけを食らわせたおシズさんはそのことをわびたのだが、延四郎自身も実は待ち合わせ場所に行ってはみたものの、相引きしてそのまま2人で逃避行とは考えていなかったようだ。
つまり、ここでお互い別れようと決心していたらしい。
驚くほど大人の判断。
それぞれの生活があるわけで2人が駆け落ちすればただでは済まないことがよくわかったのだろう。
それは双方が同じ思いを抱いていたと言うこと。
おシズさんは決して豪華な食事ではなかったが2人で屋台のうどんを食べた後、延四郎にお礼を言うことに。
あなたは私の恩人だす。
別れる前にひとことお礼を言っておかなければいけないと。
それは延四郎も同じ。
今まで見守っていてくれておおきに。
2人がお互いの気持ちを確かめ会えた瞬間でもあった。
そしてまさかこれが最後の別れになるとはね。
てんやわんやの岡安
組見の舞台が終わった後はお客さんたちは岡安でお酒の接待を受ける。
茶屋としての岡安が最も忙しい時間。
ごりょんさんはいないけれど、スタッフたちは皆てきぱきと全力でお客さんの対応に当たる。
千代ちゃんはお客さんから時々からかわれつつも、巧みに接待をして全く仕事に支障をきたす事は無い。
客あしらいと言ってしまえばそれまでだが、こういった人とのコミュニケーションはある程度才能も必要だし、普段からの努力もかなりものを言う。
お茶子さん達はとにかくよく鍛えられている。
目の回る忙しさの中無事に大役を務め上げた。
女優高城百合子
女優高城百合子、彼女についてもドラマで詳しく描かれていた。
舞台女優としての活躍を終えて、今度は映画に出演するように。
大きな決断をしたのだろうと推察する。
実はこの彼女はモデルがいるようなのでそのことについても調べてみた。
高城百合子のモデルはあの大女優だった岡田嘉子だと思う。


彼女は女優として活躍していたが、恋多き女としてもかなり有名だった。
駆け落ちしたことでよく知られている。
恋人だった男は共産主義に心酔していてソ連へ行くことを希望していた。
樺太経由で2人して連れ立ってソ連へ行ったのだ。
実は日本に帰ってきてからわかったことだが、この時無事ソ連にたどり着けて暮らせたのは岡田だけ。
一緒に行動した杉本良吉は岡田とともにスパイの疑いをかけられ2人とも有罪。
岡田はかろうじて10年間の自由剥奪で済んだが、杉本は銃殺刑に処せられた。
2人の熱意は無残にも踏みにじられた形になる。
岡田が日本に帰ってきたのはずいぶん後になってから。
1972年に帰国。
およそ10年ほど女優やバラエティー番組で活動した後そのままロシアへへ引きこもる。
1986年のことだった。
彼女の晩年はロシアで過ごし、若干の認知症を発症していたらしいが92年満89歳で亡くなっている。
おそらくこの彼女をモデルに高城百合子が描かれていると感じる。
訃報早川延四郎死す
早川延四郎が東京へ行ってからわずか2ヶ月後。
彼の訃報が知らされる。
おシズさんと会った時は既に末期の病気を抱えていて本当に今生の別れとなってしまった。
この訃報を知らされた時の篠原涼子の驚くべき演技。
彼女は延四郎の訃報の連絡を全く無表情で聞いていたのだが。
しかしカメラが寄ったアップの彼女の目はみるみる赤く充血して、涙をいっぱいためているようにも見えた。
表情1つ変えずに、涙1つこぼさずにそれでも赤く充血してくる目は激しく心を揺り動かされていることを物語っている。
普通にドラマを見ているだけなのに、驚くほどハイレベルな演技をしているなぁと。
天敵あらわる
さて全てが終了した後いよいよ千代ちゃんの年季が開けた。
ごりょんさんから後悔しない旨の約束を取らされて、晴れ晴れした気持ちで受け答えをする千代ちゃん。
そんな時玄関を激しく叩く音が。
誰が来たんだろうと戸を開けてみたところが、
なんと夜逃げしたはずの父親テルヲがそこに。
一体何を考えて現れたのか。
テルヲは成長した千代ちゃんにはすぐには気がつかない。
予告編の中にあったけれど、おそらくまた、ろくでもないことを考えているに違いないのだ。
どうやらあの栗子ちゃんとまだ暮らしているような雰囲気。
物語はここで終わりなので来週に続く。
千代ちゃんにとっても波瀾万丈の物語が待ち受けていそう。