しばらくぶりに会った弟ヨシヲは千代ちゃんの思いとは裏腹に極道の世界に入ってしまっていた。
しかも鶴亀を潰すために雇われたヤクザもんとのこと。
物語は速いテンポで進んで、出会ってすぐに弟ヨシヲの身分がハッキリする。
それは、ヨシヲに殴られた一平君がとっさに気がついた胸の刺青。
そこからすべての筋書きが白日のもとにさらされる。
ヨシヲをなんとしても改心させて取り戻したい千代ちゃん。
しかし人の心はそんな簡単に変われるものではなかった。
目次
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岡安の人たちは皆優しい
岡安での朝ご飯の時、ごりょんさんも旦さんも
ヨシヲ君も連れてご飯食べにおいで。
ここで一緒に住めばいいやん。
そんな優しい言葉をかけてもらった千代ちゃん。
現実と理想のあまりのギャップに思わず喉が詰まってしまう。
本当のことをどうしても告げたくなる心を押し殺して、おおきにとだけ。
岡安を始めとするみんなは人と人のつながりが皆心の暖かな優しい部分でつながっている。
そして多少なり、経営が厳しくても周りのものに対する思いやりは全く嘘偽りがない。
比較することはできないが、ヨシヲの心は、すでにすさみきっていて千代ちゃんにも捨てられたと思い込んでいるような。
ヨシヲにとっての家族は拾ってくれたヤクザの親分と、いつも可愛がってくれる仲間のアニキたち。
しかし、彼らはやくざ者なので、法に触れるような悪事を働く。
この物語では描かれてはいないが人を傷つけたり、場合によっては害めたりなんてこともあるやもしれない。
比較をすると千代ちゃんの胸の中は張り裂けそうなくらい苦しく辛くなるのだ。
一平君付き添いのもと、ヨシヲを説得する千代ちゃん
ヨシヲ君のところに赴く千代ちゃん。
今手伝わされている鶴亀を潰す仕事を何とかして辞めさせようと。
そこには一平君も同席して事の次第を見守っていた。
千代ちゃんは、とにかく弟が悪事に手を染めることだけはどうしてもやめて欲しい。
そのためには弟が欲しがっていたお金など全て自分が稼いで与えるからと。
テルヲに巻き上げられて今はほとんど持ち合わせも少ないが、これから稼いだ分を全てにあんたにあげるから戻ってきぃやと。
その話を鼻先でセセラ笑うヨシヲ。
ネエやんが必死で稼いだかて、ワシを満足させるだけは稼げへん。
もうすでにワシはネエやん以上に稼いでるんや。
今さら何言ってるんや
他の人の事なんかどうでもええんや
その言葉を聞いた一平君は無理矢理千代ちゃんの手を引きずってその場を離れる。
自分の必死の思いが全く伝わらなかったことに激しく動揺する千代ちゃん。
すでに、ヨシヲの心はもうどこへ行ったのやら。
もともとヨシヲは心根の優しい少年だった。
体調の悪そうなまま母のためにわざわざ山まで薬草を取りに行ったりしてた。
父親の影でおとなしくしてはいたけれど、本当は家族みんなが仲良く暮らせることを望んでいたに違いない。
そして彼にとっての家族はまさに姉の千代ちゃんしかいなかったはず。
彼が幼い頃に母親はなくなっていたので、母親代わりが千代ちゃんだった。
噛み合わない心
岡安の縁側で1人月を見ながら母親からもらったビー玉を眺める。
このわずかな短い時間のシーンで女優杉咲花の渾身の演技に感じいる。
弟に出会えたはいいが、その弟はヤクザに身を落としていてまともな生活ができていない。
こんなことでは将来いずれ警察に捕まるか誰かに殺されてしまうかもしれない。
そんな弟をなんとしても救いたいと必死でがんばってはみたがまるで通じなかった。
ズタズタになった心のままビー玉を眺めながら母親に心の中でそっと呼びかけるのだ。
このときの彼女の演技。
ズタズタになった心を抱えながら必死で自分を保とうとする。
くしゃくしゃになった涙顔こそ彼女の役者としてのありったけが込められていたような。
傍で見ていても思わずもらい泣きしそうになる。
千代ちゃんの願いもむなしく事件が起こりかける
普段はひょうひょうとしていてつかみどころのない一平君だが、千代ちゃんの気持ちを察して全力で応援してくれている。
ヨシヲに対して言い切るのだ。
ワシはおよそ13年千代を見続けている。
お前よりもはるかに長い付き合いや
誰よりもお前のことを本当に心配しているのは千代やで!
お前の親分や兄貴たちやない。
そのことを堂々と宣告するのだ。
心の中で何かが動き始めるヨシヲ。
しかし、兄貴たちの計画では道頓堀の芝居小屋全てに火をつけようと言うことに。
それぞれが担当を分けて各芝居小屋に火をつける算段。
ヨシヲの担当はえびす座に決まった。
そしてまさに火をつけようようとしたその時。
千代ちゃん、一平君さらにおばあさんの扮装をした千之助兄貴まで。
放火を止めようとしているのだ。
今日の物語はそこまで。
今週のエキセントリックなストーリーも明日完結する。
こうやって盛り上がってくると見ないわけにはいかないので。