やはり、思った通り千之助が万太郎一座を追い出された理由が語られることに。
今から20年も前の話らしい。
須賀廼家兄弟劇として万太郎と千之助は人気を二分する大活躍だった。
それがある日突然、万太郎から千之助えの離縁状が言い渡される。
お前とはもうやらん!
やる気がのうなった
たったこれだけの理由だが、実はこの理由も千代ちゃんが問い詰めてやっと聞き出したもの。
今日はその辺のいきさつが詳しく語られることになる。
目次
小山田さん許してもらえるの?
万太郎一座の劇団員に見つかって激しく詰め寄られる小山田さん。
千代ちゃんがやってきて必死で弁解するも、許してもらえるはずもないのだが。
そこへ現れたのが座長の須賀廼家万太郎本人。
冗談を言いながら、舞台以外でも笑いを取る喜劇役者ぶり。
この辺のやりとりは、さすがに脚本自体がうまく作られていて、万太郎の洒落に、劇団員が皆こぞって大笑いをする流れ。
小山田さんがこっそりつぶやく。
この劇団では座長が冗談を言ったらみんな笑うんやなぁ
あたかもそれが社交辞令のような描かれ方。
こちらの劇団は座長の万太郎の権限が全て。
座長の胸1つで配役やら出し物やらが決まっているようだ。
やり方は昨日紹介した通り、女優を一切使っていない。
昔ながらの女形を仕立てるやり方。
脚本はすべて万太郎の手になるもの。
この出し物が、役者たち全員きちんと体に入っていて、必要に応じて演目として選ばれる。
鶴亀家庭劇の場合、公演が近づいてから必死で脚本を作り上げる。
ドラマを見ていてもそれぞれ2つの劇団の立ち位置が全然違うなと。
最初から同じ土俵の上に上がっていない印象を受けるよね。
思いがけない万太郎の答え
家庭劇の2人にあっさりと言い放つ。
これらの脚本は全て皆ワシの18番。
これを日替わりで毎日上演するんや。
手の内を何のてらいもなく明かしてしまう。
恐るべき自信。
自分たちが家庭劇に負けることなど絶対にないと確信しているもの言い。
確かに得意な演目を日替わりでやるなど、普通の舞台公演ではありえない。
ハイレベルなスキルが要求される。
万太郎ははっきりと言い切っていた。
鶴亀家庭劇は絶対に勝てへん(キッパリ)
自信に満ちた発言に思わずたじろいでしまう小山田さんと千代ちゃん。
さらに続けて、
他にも聞きたいことがあれば何でもお聞き
その言葉にほだされて千代ちゃんが意を決して質問をする。
なんで千之助さんと別れることにならはったんですか?
その質問に対する答えが。
千代ちゃん直球質問
直球勝負の質問を投げかけた千代ちゃん。
帰ってきた答えはめんどくさいから答えとうない
それでも食い下がる千代ちゃんにしぶしぶ20年前のいきさつを話し出す。
万太郎の話によれば千之助は当初は人気があるように見えたが、
芝居はとにかく自分勝手、彼に合わせて何とか舞台を務めていたが、これ以上の進歩は望めないと悟り彼と一緒に舞台に上がることをやめようと決めた。
一緒に芝居をやっていてもつまらん
そして、千之助を舞台から外すことこそ面白いのではと考えるように
万太郎はあくまでも面白さを追求する喜劇役者。
そのためには手段を選ばない冷酷非情さがある。
必死で劇団に残ろうと食い下がる千之助に無慈悲な振る舞いをして飛び出させるのだ。
ここまで邪険に扱うのも面白さを追求するが故。
1連の話を聞き終わった千代ちゃんの率直な感想
万太郎は喜劇役者としてお客さんに届ける笑のグレードアップを常に図っていたに違いない。
千之助は自分勝手な独りよがりの演技しかできない。
自分が合わせてやることによって面白さは発揮できていたが、やがてそれもめんどくさくやる気がなくなっていたと。
その結果出した結論が千之助を舞台から完全に外してしまうこと。
ドラマの中では決してクビとは言っていなかった。
生卵のカツラ仕込み事件の後、嫌がらせに耐えられずに千之助が自ら劇団を飛び出す形で幕引きとなっていた。
千代ちゃんは千之助の名誉のために彼は自分勝手で無茶苦茶なところもあるけれど芝居に対する熱意はまっすぐで正直だと弁明していたが。
万太郎はまるで取り合うことなく茶化したままその場を立ち去る。
千之助の胸の内
万太郎から受けた仕打ちに対してどうしても怒りの気持ちを抑えることができない。
自分自身の芝居に対する熱意だって決して万太郎に引けを取るはずもなく。
そう思って勇んで書き上げた渾身の台本だったが、評判は芳しくない。
そう告白されてしまうと途端に気持ちが萎え始める千之助。
今日の物語はそのまま荷物を抱えて宿屋を出て行くところで終了。
このままどこへ行くと言うんだろうか。
今週のエピソードはあと2日で語り終わることになるが、喜劇対決もまだ始まらないまま、ストーリーそのものが空中分解しそうな雰囲気。
ネタバレでチェックするときちんとオチがついているので、どうやら物語は確実に先へ進みそう。
意外な結末が待っているような予感。