今週描かれるのは万太郎対千之助の役者対決。
どちらが舞台でたくさんのお客さんを笑わせることができるか。
それはそれぞれが所属している劇団の実力がハッキリと結果に現れる。
最初はチャップリンが日本に来るので、それに向けて一興を興じるってことだったんだよね。
圧倒的な実力差で家庭劇を圧倒する万太郎一座。
迎え撃つ千之助や一平千代ちゃんが一体どんな風に頑張れるのか。
目次
千之助に食い下がる千代


昨日の流れで万太郎から絶対に勝てない旨を宣告された千代ちゃん。
どうして勝てないのかその理由を千之助に激しく尋ねる。
どうしたら万太郎はんに勝てるんやろ!
あんさんと万太郎はんのいきさつは聞きましてん
信じる者から裏切られた辛さはようわかります
教えてくれなはれ!
どうすれば勝てるん?
実はこのことに千之助は既に感じる部分があった。
万太郎には何をどうやったって勝てへん
須賀廼家万太郎の役者としての実力は周りのものが束になってかかってたっておよそ勝てるものではない。
そのことを誰よりも知っていた千之助。
負けると分かった戦いなどやれるものじゃないと逃げ出すつもりでいたのだ。
千代ちゃんはそこに押し掛けて激しく詰め寄った。
しかし、千之助の思いは強い。
逃げ出すのんか?
の問いにも答えることなくその場を去ってしまう。
結局逃亡をしてしまう。
万太郎の底知れぬ実力


鶴亀家庭劇が万太郎一座に太刀打ちできないことを大山社長はよく心得ていた。
それを承知でわざわざこのような計画を持ち上げた。
それは一石投じることで適度な緊張感が生まれお客さんを集める効果があるなと。
そして絶対王の万太郎といえども、独走するばかりでは切れ味が落ちるとも言っていたね。
万太郎には適度な緊張があってより芝居に磨きがかかるのではと。
居合わせた熊田さんが怖い表情で社長に語っていた。
家庭劇は当て馬ですか?
そのことに反応するシーンは描かれてはいなかった。
経営者として凄腕の大山社長の手腕が描かれていたシーンとなっていたね。
千之助の一大奮起


逃亡を企てた千之助は道頓堀でばったり万太郎を見かけてしまう。
その時思わずこそこそと路地裏に逃げ込んでしまったんだそう。
実はそういう自分を許せないと感じた千之助。
そして、意を決して一平君のもとへ。
万太郎に対抗するためにどうか力を貸したってくれ
その問いかけに
力を貸すんやない
みんなで力を合わせて戦うんや
そう言って2人で脚本作りを始めることになったのだ。
2階の書斎で2人で案を出し合うが、簡単に名案が浮かぶわけでもなく。
どれも皆、万太郎に対抗するにはいまひとつパワーが足りない。
2人で激しく反目しあいながらも何か目玉になるようなエピソードがないかと必死で思案を巡らす。
そこで行き詰まった結果一平君のぼやきが。
2人で寝転がって天井を見ながら、こんな時オヤジならどうしたんやろう
そのぼやきに反応する千之助。
そうさなぁ、あいつならこんなことも物語にしたんやろな
そこで2人はハタと顔を見合わせて、今のこの状態を物語にしようと言うことに。
出来上がった脚本
丘の一本杉
この脚本に一平君千之助兄貴の思いの全てを込めて勝負に挑む。
一平千之助の合作台本
脚本が完成して劇団員みんなに披露する。
みんな諸手を挙げて賞賛。
これならいける❣️
ことのほか喜んでいたのが千之助兄貴にずっと一緒にいた百久利。
なんや、嬉しいなぁ😂
それははちゃめちゃな事から解放された千之助兄貴の本来の実力が遺憾なく発揮できていると思ったから。
実はこの最後のほうのシーンなんだけど、一皮むけた千之助兄貴の様子もしっかりと描かれていたんだよね。
自分が追い出してしまった女優たちにしっかりと頭を下げてどうか出演してくれとお願いしていた。
さらに万太郎への思いも語っていた。
千之助は万太郎が憎いわけではない
千之助の偽らざる気持ち。
兄貴と慕う須賀廼家万太郎。
彼の一座を追い出されて以来、何とかしてもう一度認めてもらおうと自分なりに努力していたのだ。
そのことを今日のエピソードの中でしっかりと千之助の口から語られていた。
ちなみに千之助をこんな気持ちにさせたのは千代ちゃんのお手柄。
ただのおせっかい焼きではない。
相手の気持ちを汲み取ってそこにしっかりと寄り添ってあげることができる。
天海千代の持ち味が遺憾なく発揮された瞬間でもあった。
こうして舞台は出来上がった。
今週のエピソードは明日でいちど終了するが、果たして万太郎一座との一騎打ちでどんな結果が出るのだろうか。
ネタバレで情報は知っているけれど、明日の放送を見てから納得する方が良いに決まっているので。
しかしここへきて、道頓堀の喜劇界もずいぶんと切磋琢磨して進化してきている。
時代は、昭和7年で226事件や満州事変などもちょうどこの頃。
暗く厳しい時代が待ち受けている中で、芝居小屋がどんな運命をたどるのか、これから詳しく語られる。