物語は先週からさらに5年が立ったとの設定。
鶴亀家庭劇はご時世にに合わせて、戦争ものの出し物が多くなりつつあったね。
時代は昭和12年。
支那事変が始まって日本は中国戦線で快進撃を続けていた。
歴史的なことを言う言えば、この快進撃が欧米のヒンシュクを買うことに。
その結果、様々な輸入の停止処分が課せられて、最終的にはアメリカやイギリスと戦争をすることになってしまう。
そのほんの少し前のエピソードになるが、千代ちゃんと一平君の家庭で居候の形で少年を1人預かることに。
その少年は新派の劇団の座長の息子とのこと。
事情があって現在は孤独な身の上。
家庭劇で少しの間、預かってほしいと鶴亀の熊田さんからの依頼。
目次
昭和12年道頓堀では
鶴亀家庭劇の座長の妻として毎日忙しく立ち回る千代ちゃん。
すでに30歳になったとの設定。
毎日忙しく働いてはいるが、夫婦の間に子供はいないようだ。
一平君は以前と同じように脚本作りを励み、また座長として舞台そのものの運営にもあたる。
千代ちゃんはそんな劇団の様々な雑用係りも含めて、さらに役者もやりながら活躍している。
あの千之助兄貴も毎日酒を飲んでいるようだが、千代ちゃんの世話を受けながら舞台に立っている。
さて、先週までのエピソードで描かれた千代ちゃんの父親テルヲ。
彼には借金があってそのために千代ちゃんはじめ、周りのものみんなが被害を被った。
特に岡安のごりょんさんの配慮で借金取りを追い返すために200円を用立ててもらっている。
そのお金をやっと返すことができた。
ごりょんさん曰く、
わてが勝手にやったこと、返すことあらへん。
こんな言葉をかけてもらえるのは なんとも嬉しい限り。
2人の会話の中に、
子供はおらへんけど劇団員が皆子供みたいなものとあった。
確かに言い得て妙。
出し物は戦争もの
舞台での出し物はやはり戦争ものが圧倒的に多くなっているようだ。
この頃は戦意高揚のために国を挙げて様々なものが戦争に向かいつつあった。
実はこの郵便配達をするおばあさんの物語はコメディーでありながら、涙を誘う部分もあったりして、大人気。
実はこのときの舞台のバックに流れていた和楽器を使った音楽。
この前の朝ドラエールで使われていた
古関裕而作曲の「露営の歌」
三味線の伴奏が聞こえると、最初の1節をいやがおうでも思い出してしまう
勝ってくるぞと勇ましく
誓って故郷を出たからにゃ
手柄立てずにいらりょうか
詞を見ただけでメロディーの浮かぶ人も多いのでは。
この当時、朝ドラエールで活躍した古関裕而作曲の曲が日本中を席巻していたのを改めて思い起こす。
松島寛治君
舞台千秋楽の後、皆が楽屋に戻ってくると何やらごそごそとあちこち探し回っているような少年が1人。
思わず千代ちゃんが
泥棒‼️と叫ぶ
実は、彼は泥棒ではなかった。
彼のお父さんは新派の劇団の座長だったとのこと。
お父さんが亡くなって彼は行き場所がなくなってしまった。
劇団も解散してしまったので大山社長の命令で家庭劇で預かってもらえと。
最初は1ヵ月間との約束だったのだが。
物語の中では詳しくはまだ語られずじまいだが、彼はこの後ずっとこちらの劇団にお世話になる。
もともとは役者の息子なので演技ができるのかと思いきや、彼は雑用専門とのこと。
演技はしないと本人が言っていたね。
しかし、彼は実際の浪花千栄子さんのエピソードから追ってみると
あの藤山寛美がモデル。
後に関西の喜劇界で大成功するのだ。
どちらかと言えば関西苦手の私でさえ藤山寛美の名前はかなりよく知っている。
少ないがテレビで舞台も何度か見たことが。
素人が見ても笑える舞台をやっていたような気がしたな。
その彼が新たな登場人物として今週から物語に加わってくる。
家族のまねごと
家庭劇の団員の誰のところで世話をするかだが、結局は一平君千代ちゃんのところで面倒を見ることに。
ここでちょっと面白い現象が。
こちらの家は夫婦2人暮らしのはずだが少年が1人加わったことで家族が1人増えたような印象。
千代ちゃんが妙に明るくそして色々と世話を焼くような雰囲気。
先週の予告編でもあったように、彼女は自分の子供のように寛治君を可愛がるのだ。
物語の中でもちょっと触れられていたが、千代ちゃんの心の声
もし、ウチらに子供がおったら毎日こんな感じやったんかな?
物語ではここで千代ちゃんがにっこりしている様子が描かれていた。
彼女なりに自分の周りで子供がいる様子をつぶさに見ていたから、自分にももし子供がいたらと考えることが多かったのでは。
今週は新たに加わった寛治君のエピソードがずっと続いていくに違いない。