くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

2つのドラマを比較 天国と地獄、うちの娘は彼氏ができない

 

普段、地デジの民放のドラマなんか見る事は無いのだが、今回はテレビのコマーシャルに惹きつけられて2つのドラマを見ることに。

コマーシャルが入っているとコマーシャルのたびに飽きてしまってチャンネルを変えてそれっきり見ないことが多いのだが、今回はなぜか集中して最後の会までしっかり見れたので感想としてアップすることに。

どちらのドラマもテレビ用の書き下ろし。

今をときめく実力派の女性脚本家の作品によるもの。

優劣を競うことなど失礼と思いつつ、また好みもあるので一概に評価はできないと知りつつも私の中では明らかに優劣がついてしまったのでブログにまとめてみる。

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失礼を承知でこちらのドラマの方が面白かったです

目次

お名前.com

天国と地獄 “サイコな2人”

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ドラマはサスペンス仕立て

このサスペンス調に仕上げたドラマは格別の仕上がりだと感じた。

綾瀬はるかと高橋一生の魂が入れ替わる設定は正直なところそれほどの目新しさは無い。

なぜなら、

男女の心が入れ替わる設定は転校生と言う映画で大林宣彦監督がずいぶん前に実現していたことなので。

あの映画もかなりユニークでとても面白かった。

この手の入れ替わるシーンを用いる作品はとにかく俳優の演技力がものを言う。

つまり高橋一生は綾瀬はるかの心として振る舞う必要が。

綾瀬はるかは高橋一生の男としての振る舞いをしなければならない。

これがね、なかなか口で言うのは簡単だけれど、そんなにすぐにできることじゃないんだよね。

今回のドラマは殺人事件が絡む話なので、かなりシリアスでしかも結構えぐいシーンも多かった。

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双子の兄弟で兄が犯人 しかし膵臓癌で先は長くは無い

2人の兄弟は全く別々の人生を歩きながら、兄のほうは全く浮かばれることなく世の中の底辺で不遇にあえいで生きながらえてきた。

その2人がある時長い年月を経て再び出会うのだ。

弟は兄のために、兄は弟のために何かをしてやろうとその出発点は相手を思いやる真心から。

しかし物語は犯人とそれを追いかける刑事とで魂が入れ替わっているので、かなりややこしいことに。

この辺のドラマを作り上げるやり方が実に巧妙で巧みだなと感じる。

結論は早い段階である程度明かされる設定だが、それが犯人役と追いかける警察の側でどんなふうに種明かしの追求ができるのか。

見ていてコマーシャルがあっても途中チャンネルを変えるような事はなかったね。

次の進み方をどうしても知りたいと思うので。

さらに、物語の終わり方がとても秀逸。

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魂入れ替わりの元となったアイテムを2人で確認し合う

事件は二転三転しながら無事終わることができたが、途中何度もハラハラドキドキさせられた。

すばらしいと思ったのは3年後の設定がきちんとなされていてそこが描かれていたこと。

魂の入れ替わった2人がもう一度思い出の場所で落ち合うことに。

その時に殺人の狂気となった石を2人で確認し合う。

実は最後のところで2人の魂がまた入れ替わってしまうのではと思わせるような演出が。

この描かれ方を見たときにこのドラマの完成度の高さと脚本家の類稀な技量を痛感させられた。

脚本家 森下佳子

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売れっ子脚本家 朝ドラごちそうさんの作者

森下佳子さんを調べてみると東大の文学部卒とあった。

宗教哲学科が専門だったようだ。 

はっきり言ってかなりの才媛であることには違いない。

もともとは出版社とかに勤めていたようだが、やがて脚本家としてあちこちで活躍するようになる。

朝ドラごちそうさんで活躍したことがとりわけ私の中では印象に残る。

彼女のストーリー設定はかなりわかりやすくなっているのでは。

しかし、そのわかりやすさの説明も単純明快と言うことではなさそう。

様々な人たちの絡みを絶妙に組み合わせるやり方は、彼女の並々ならぬ才能と同時に物語を構築する驚くべきスタミナ。

そういったものを思い知らされる。

物語のストーリー展開を見ても彼女は疲れを知らないのではと思うぐらい縦横無尽に話を組み立てている。

おそらくこれからも様々なドラマや映画の脚本でお声がかかるに違いない。

とにかくまだ51歳と驚くほど若いのだ。

これからさらに脂ののった時期を迎える。

うちの娘は彼氏ができない

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典型的なラブコメだがかなりひねった作り

こちらの物語は典型的なラブコメで、私の最初のノリは菅野美穂と浜辺美波が出ていることが理由。

2人とも芸達者な女優さんなので彼女たちの作品は私も何作品か見させてもらっている。

実はこのドラマの面白さの1つに菅野美穂と浜辺美波のセリフの掛け合いがあるだろう。

娘役の美波ちゃんは母親を母ちゃんと呼んでいた。

そして物語の中で登場してくる父親役の豊川悦司を父ちゃんと呼ぶ。

この昔風の何気ない呼び方に親近感を覚えたのは皆同じではなかろうか。

ただこの物語に関してだと、どこにストーリー全体の盛り上がりと、そして何かアピールできるようなポイントがあるのかとずっと探してた気がする。

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有名どころ綺麗どころが

それなりに著名な俳優たちもたくさん出ていたので、配役的には問題なかったと思うが、それぞれのキャラクターの自由奔放さの絡み合う様子がいまひとつ作った感があったので、私的にはなんとなく物語の中に入り込めることにはならなかった。

最後にはみんなそれぞれが自由な道を進むとのことで、これも全体の物語としては当然そうなる事は予想はできたが、盛り上がりと言う点でどうなんだろう?

ある程度の面白さは感じたが大いに賞賛とまではいかなかった可能性が。

最近のテレビドラマの傾向としてはこのタイプのラブコメは簡単にそのノリを受け入れられるのかなと多少の疑問を感じたね。

脚本家 北川悦吏子

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現在59歳あのロングバケーションの作者

彼女のことを調べてみると実は健康上に大きなトラブルを抱えていることがよくわかる。

彼女は潰瘍性大腸炎を患って、大腸の全摘出手術を受けている。

それだけでも大変なのにさらに左耳の聴力を失ってしまう難病にも犯された。

私の見た感じ、彼女は自分の命を削って作品を作るタイプの芸術家。

そして物語の中の登場人物ないしはストーリーは彼女自身の人生を反映している。

つまり彼女の作る物語はどうやらほぼ一人称で語られていると見て良い。

それが彼女の作り出す物語やキャラクターの魅力ともなっているはず。

私は朝ドラの半分青いしか見ていないが主人公の鈴愛ちゃんの様子がなんとなく彼女と被る気がする。

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主人公鈴愛と相方の律

このドラマも実は北川悦吏子さんのドラマらしく、ストーリー展開がなかなか煮え切らない。

優柔不断なところが彼女の物語の特徴かもしれない。

脚本家としての北川さんの活動の一環としてTwitterの投稿が挙げられるだろう。

彼女が命を削るタイプの作家だと言うことを私が確信したのが彼女の様々な投稿。

twitter.com

こちらを見るとテレビの放送の前も後も彼女はずいぶんツイートしてる。

実は今回のドラマは彼女にしてみればいまひとつ視聴率が取れなかったのも事実。

責任感の強い仕事をする彼女としてみれば、ずいぶんと自分自身を責めているような印象も受けた。

実力者であることには間違いないので、おそらくこれから先まだいくつかの名作を生み出せるものと思ってはいる。

さて、今回2つのドラマを奇しくも同じようなタイミングで見ていたのでどうしても比較してしまうのだが、主人公の美人の女優たち2人が出ているウチカレよりも天国地獄の方が私にははるかに面白く内容の濃いものに感じた

もちろん好みの問題もあるのでこれがすべての評論には当てはまらないだろう。

しかし、続編を作ってほしいとの希望はやはり天国と地獄の方だとネットでは確認できた。

普段あまりしないことだが、両方のドラマを私なりに比較対象してみた結果。