くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おちょやん1週間振り返り 家族の値打ち

 

今週からは新しい登場人物が増えることになる。

藤山寛美がモデルとされる松島寛治君

彼が、天海家の新しい家族として迎えられるまでの紆余曲折が描かれることになるのだが。

彼が天海家に住むようになってからある夜、懐かしい人が訪ねてきた。

それは京都の撮影所時代、千代ちゃんとも深い関わりがあった監督助手の小暮さんと女優高城百合子さん。

戦争に向かう時代背景の中、彼ら2人はプロレタリア活動を行っていて特高警察から追われる身となっていた。

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戦争もの一色の中、世の中でがんばっている人たちに向けられた脚本

目次

お名前.com

鶴亀家庭劇は軍国出し物で大人気

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千之助のおばあさん役もいたについてきている

〒の集配をするおばあさんの物語。

鶴亀家庭劇の真骨頂とも言うべきギャグがちりばめられていて舞台はいつも大人気。

当時は戦争に関係したものが広く推奨されていた。

音楽や文学など厳しく検閲が入って、意にそぐわないものは全て却下されるか、大幅に変更を余儀なくされた。

この時代は前回のエールで描かれた古関裕而が軍歌の覇王として大活躍していた時代。

おちょやんの中でも露営の歌が選ばれて流れていたね。

舞台が終わった後、何気なく楽屋に登場した寛治君。

最初は泥棒と間違われるぐらいこそこそとあちこち物色する様子。

聞いてみるとそれには理由があって雑用係専門で下働きをしてきたらしい。

その彼が突然物語の中に登場してくる。

寛治君の生い立ち

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前田旺志郎君 まえだまえだの弟君

寛治君は父親がもともと新劇の俳優で座長も兼ねていたのだが、彼は幼い頃に母親と分かれていて父親とずっと暮らしていたようだ。

何度か舞台に立たせてもらったようだが、残念ながら才能なしと烙印を押されてしまった。

それ以降は雑用係専門として邪魔者扱いされ続けていたらしい。

彼の心の中では世の中世の中で良い人に見えるように振る舞っている人ほど、影では何か悪いことをしているようなそんなひねくれた気持ちを抱いている。

まだ少年でいながら彼の心は深い闇に閉ざされていて、人を信用しない暗く悲しい性格で凝り固まっていた。

その父親が亡くなったことで彼は孤独な身の上となる。

鶴亀の大山社長がその彼を不憫に思い、鶴亀家庭劇に1時預かりの形で連れてきたようだ。

どうやら寛治君の屈折した性格はあちこちで問題行動を起こしていたような。

ソ連亡命を目指す2人

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小暮さん百合子さんは理想とする芝居を追い求めていた

千代ちゃんと一平君のところに居候することになった寛治君。

やたら調子よく愛想はいいが、なんとなくその調子の良さは人と交流することを拒んでいるようなそんな素振りさえ感じる。

そして少し時間が経った頃夜、

突然かつての映画仲間小暮さんと高城百合子さんが訪ねてくる

後でわかることだが警察に追われているとの事。

自分たちのやりたい芝居をなんとしてでもやりたいが、その希望は今の日本では到底叶えられない。

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百合子さんの脚本 検閲を受けた後は使い物にならない

自分たちの理想を追求するなら日本にはいられないと判断。

決死の覚悟でソ連亡命を企てている最中だが、追っ手がすぐそこまでやってきた。

絶体絶命のピンチを千代ちゃんの機転で無事かわすことができたのだが。

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お芝居を打って警察の目をごまかす

なんとか2階の襖に隠したが、2人の手前に寛治君を入れておくことでうまい具合に警察の目をそらすことに成功。

そして役者魂を見せつける芝居。

首尾よく警察たちを追い払うことに成功する。

この後2人はソ連に亡命。

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こちらが当時の実際の新聞記事

おちょやんでは物語としてこのエピソードを巧みに取り入れている。

2代目渋谷天外は杉本良吉を支援していたとネットでの検索結果。

この時代は、一般大衆の人たちは1部の人たちは共産主義に傾注する傾向が。

一生懸命努力すれば必ず報われる。

誰もが平等に。

この謳い文句は世の中の底辺で苦しむ人たちにとっては神様の福音のように思えたに違いない。

共産主義国家の実情はまるで違ってはいたようだが。

新しい家族

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一緒に暮らそう😊

ある時一平君が社長から預かった家庭劇の芝居の準備金がなくなる騒ぎが起こる。

簡単に犯人は見つかって、なんと寛治君。

それはどうやらお金が欲しい故の行動ではなかったようだ。

千代ちゃんや一平君の優しさが疎ましくて仕方がない。

どうせいい子ぶって人の知らないところで悪さをしているんだろうと勝手な解釈。

2人を困らせるつもりでこんな泥棒騒ぎを起こしたようだ。

このときの千代ちゃんと一平君の反応が神対応。

普通は絶対に許さないだろうが、寛治君の抱えている心の闇に深く思いを寄せる夫婦2人。

自分たちの生い立ちと寛治君の生い立ちがあまりに酷似していること。

そして、彼のことが心配で仕方がないこと。

自分たちのそばに一緒にいてくれればきっと力になってやれる。

その思いを直球勝負でぶつけたのだ。

寛治君の頑なな猜疑心は2人の底なしの優しさによって少しずつ溶け始めていく。

このやりとりが実は昨日描かれていたが、大阪らしいほっこりとさせる納得の出来栄え。

寛治君は2人の真心を素直に受け入れられると感じるのだ。

さてこうして鶴亀家庭劇では新たなメンバーが1人加わることになったが、来週の予告編の中で描かれていた衝撃の事実。

大山社長から家庭劇解散の告知が。

ネタバレ情報を把握しているので事情は指しているが、どうしても興行的に成功しない。

毎回お客さんの入らない舞台を演じたところで、致し方ないと思うようになっていたのだ。

そしてあの岡安も店じまいをするとの内容が。

戦争のせいと言ってしまえばそれまでだが、次の時代を生き抜くために役者たちは皆覚悟を決めなければいけなかったのだ。