昨日描かれた物语は実は昭和20年8月14日の出来事。
つまり、終戦記念日の前日の話だったのだ。
ついに終戦を迎えた日本。
310万人もの犠牲者を出したあまりにも苦しかった戦争が終わったことで、ほっとした人たちもかなり多かったと聞く。
千代ちゃんの周りもたくさんの人たちがなくなり、戦争が終わってはみたもののこの先どうするのかまだ暗中模索のまま。
そんな中、次に進むべき道となるべきエピソードが今日描かれる。
目次
終戦…
よくできた物語だなと思う。
昨日のネットのニュースを見ていても、おちょやんの脚本はこれ以上ないくらい登場人物を痛めつけている。
その苦しむ登場人物を思いやる内容がたくさんあったような気が。
確かに昨日の最後のシーンで千代ちゃんが道路に転んで泣き崩れるシーンなんか、ここまで苦しめなくてもいいじゃないかと思ったくらい。
世間一般からは、気楽な商売だと思われていた役者たち。
物語で描かれた通りに彼らは彼らなりのシビアな感性で誰よりも死に物狂いで生きていた。
そのことを頭から侮辱されたのではあまりに理不尽と言うもの。
もうずいぶん前になるが日本の役者で小沢昭一が言った言葉。
所詮、自分は“河原乞食”であります。
昔から役者のことを貧乏の象徴として河原乞食と呼ぶことがあった。
役者たちは乞食同然だったのだ。
あのシーンを見ていてそんなことをチラリと思い出したりしてね。
終戦を迎えたことで、日本はいよいよ復興への道を歩み始めることに。
それでも物語は簡単には終わらないんだよな。
モデルの浪花千栄子さんの人生は、おちょやん以上に波瀾万丈だったから。
一福君とミツエちゃん
一福君は心に納得できない気持ちを抱えて苦しんでいる。
絶対に勝つはずだった戦争にあっさり負けてしまって、自分が尊敬する父親は犬死にしたのではと苦しんでいた。
そのことにきっぱりとダメ出しをする千代ちゃん。
アンタのお父ちゃんはな、お国のためになんか戦わへん
アンタとミツエのために命がけで戦こうたんや
犬死にやあらへん
千代ちゃんにしてみればまだ幼い一福君が哀れでならないのだ。
何とかしてこの親子のために力になりたい。
しかし、こうして生き残った人たちは過去に区切りをつけて前へ進むしかなかったのだ。
福富で生き残ったのはミツエちゃん親子だけ。
彼らが戦後しっかり生きていくためには、周りの励ましは何よりも必要だったかも。
千代ちゃんの決意
女優杉咲花が全力で演じたイプセンの人形の家の1シーン。
涙をこらえて全力で叫ぶセリフ。
私には果たすべき神聖な義務があるのだと、千代ちゃん自身に必死で呼びかける。
その場に崩れ落ちそうになるほど疲労困憊しているのに、全力で力を振り絞って自分自身を鼓舞する。
この女優さんの実力は誰もが知るところだが、様々あるおちょやんの名シーンの中でも今日のシーンはその一つに加えられるはず。
この先の彼女の人生を象徴する意味で、今日のこの部分が決意表明になるはず。
千代ちゃんがこれから自分自身のポリシーに従ってしっかりと歩みを始める宣言がなされていたね。
再集結家庭劇
家庭劇は一平君の電報で再集結した。
メンバーを見た限りでは必ずしも全員が揃っているわけではない。
ルリ子さんは少し遅れるけど必ず戻るからと連絡をよこしたらしい。
ちなみに小山田さんだが農業に目覚めたらしく引退とのこと。
それはそれでほほえましくもある。
再集結なった家庭劇。
大阪には上演できる芝居小屋はもうないので、一平君の提案で全国回ろうと言う話。
メンバー皆、1も2もなく賛成する。
そんな中、千代ちゃんからお願いの形で1つ提案された。
それはあの瓦礫と化した福富の跡地で最初の公演をしたいとのこと。
これには深い意味があって、ミツエちゃん親子を何とかして励ましたいと思ったのだ。
明日の物語で今週のエピソードは完結するが、それにしても切ないエピソードになりそう。
一福君は父親のことを思うと簡単には立ち直れそうにもなさそうだ。
形見となったトランペットは、素人が付け焼き刃で挑んだところで音なんか出るはずもなく。
それにしても、多少なりとも明るさが出てきた事は嬉しさを感じる。
これから生き残った人たちは力を合わせて芝居に勤しむことになる。
明日描かれる道頓堀での公演がどんなものになるのか興味津々。