ありきたりの浮気事件のはずだったが、灯子ちゃんに子供ができたことで話は深刻さを増す。
当事者である灯子ちゃん本人、そして一平君、千代ちゃん。
昔風の言い方をすれば不義密通の罪は、裏切りの最も罪深い行為とされてきた。
しかし、この物語の場合、単純に考えて生まれてくる子供に罪は無い。
世の中がおおらかに受け入れてくれない以上、当事者たちは自ら悩んだ挙句自分の行く末を決めなければならない。
それぞれの登場人物の胸の内を描きつつ、皆が重大な決意をすることになる。
目次
千代ちゃんの思い
自分が一生懸命面倒を見て可愛がってきた女優が自分の夫と密通していたなんて。
考えただけではらわたが煮えくり帰る
千代ちゃんはその想いをじっと押し殺してこの何日かを耐えてきた。
しかし、気持ちにのしかかる怒りと悲しみはとてもじゃないが日々の生活すらままならない。
舞台の稽古も結局は風邪をひいたとのことで休むように。
自分の夫が、可愛がっていた女優と不倫をしていてしかも子供までこしらえる。
世の中の女性ってこんな時どんな感じ方をするんだろう?
物語の話だと思いつつも、もし我が身に降りかかってきたときにどんな振る舞いができるんだろうと身につまされる。
香里さんは女性の鋭い目線で事情をそれとなく察していた。
灯子ちゃんがつわりのような症状を見せていたのではなかったのか。
それで瞬時に気がついたに違いない。
彼女もかつては一平君に言い寄っていた過去がある。
彼女なりの理屈で、なんとか千代ちゃんが一平君とよく話し合ってよりを戻すことを願っている。
しかし、現実問題として子供が生まれてくるのだ。
周りが考えるほど単純な話ではなかろう。
灯子ちゃんの思い
灯子ちゃんは早くから子供ができたことを覚悟の上、受け止めていた。
彼女の胸の内は、自分のせいで千代ちゃんや一平君が苦しむことがあってはならないと。
生まれてくる子供は自分が1人で育てるのでどうか産むことを許してほしいと。
そして自分のせいで、
千代ちゃんと一平君が苦しむのなら自分はこの子と一緒に死にますと。
彼女は、自分が罪を犯したことを最初から認めていて、何とかして償う方法を考えている。
自分の面倒を見てくれて何かと応援してくれた千代ちゃんを裏切る形になってしまうことがどうしても許せない。
そんな自分が嫌なのと、生まれてくる子供を何とかして育てなければならない気持ちの間で毎日苦しんでいた。
実は、一平君は何とかして事態を収拾させようと無力なことを感じつつも自分なりに行動を起こしていた。
まず、灯子ちゃんと話をしてみてどんな気持ちなのかを確かめる。
彼女の気持ちがわかった以上、自分がどう振る舞えばいいのか。
劇団の座長としての立場がある。
舞台に穴を開けるわけにはいかない。
しかし、お腹に子供のいる灯子ちゃんを見捨てることなどできるはずもなく。
何とかして力になろうと全力で考える。
岡福で正直に白状して借金の申し入れをするのだ。
ここで全ての事実が明るみに。
一平君の思い
自分がしでかしたことの罪の重さをひしひしと感じている。
自分の持ち合わせたお金は全て灯子ちゃんに持たせるつもりなこと。
その上でさらにまとまったお金を何とかしてあげたい。
岡福での借金の申し込みもそんな思惑で。
しかしここでの一平君は灯子ちゃんがどこかへ消えていなくなることを容認しているようだ。
男の反応としては合格点はやれないなぁ。
金を渡して済む問題じゃないんだよな。
いろんな責任の取り方があるだろうけれど、1番怖いのはやっぱり社会的制裁でしょ。
周り中からの非難を一手に引き受けるつもりがなければ、とてもこの不始末の後始末などできるはずもない。
おちょやんではどうやら史実に基づいた物語作りがなされているようだ。
正直言って、千代ちゃんはどこまでいっても貧乏くじを引いているよね。
物語を見ている者の目としては誰かが貧乏くじを引いてそのせいで誰かが儲かる事は許せない思いがある。
その辺もしっかりと語られるのではないだろうか。
新喜劇はどうなるんだろう?
さて、今日の放送の最後の方で明日劇団の稽古場で千代ちゃんと一平君が話し合いをするとの事。
どうやら2人だけでこれからのことを相談するような。
モデルの浪花千栄子さんのエピソードはネットで詳しく検索できる。
彼女は離婚の後、1時行方不明になってしまうのだ。
おちょやんでは同様の描かれ方をされると聞いた。
今日がまだ、週の半分にあたるのであと二日間のエピソードでこの過酷な物語にオチが付けられる。
それにしても、とても朝ドラとは思えないほどのシリアスさで物語が進む。
どれもこれも皆俳優たちの渾身の演技によって支えられているようだ。