いよいよ今週1週間で完結するおちょやん。
最後に用意されたエピソードはどんなものなのかと。
ある程度の想像はついていたけれど、かつて千代ちゃんを育てあげた道頓堀から思いがけない依頼が舞い込む。
すでに、昭和27年になろうとしている。
ラジオ放送が絶好調な中、次にきたるべきテレビの放送も着々と準備が始まっていたはず。
さて、ラジオドラマで一躍有名になった千代ちゃんと、
新たな書き下ろしの舞台桂春団治で再び活気を呈した鶴亀新喜劇の2代目天海天海。
実は、辛い別れを経験したこの2人のその後の様子が描かれる。
目次
道頓堀からの思いがけないオファー
ラジオの生放送の仕事が終わって家に帰ってみると思いがけないお客さん。
彼は道頓堀のえびす座以来の千代ちゃんのお知り合い 熊田さん
もともと鶴亀撮影所の大山社長の下で様々な仕事をこなしていた。
鶴亀新喜劇が鶴亀家庭劇の時代からお世話になっていた、物語の中でも特に大切な人。
その彼がわざわざ千代ちゃんの自宅まで訪ねてきてくれたのだ。
ちょうどその時は春ちゃんも同席。
子供らしくお土産に喜んでいるところを千代ちゃんにたしなめられる。
熊田さんと子育て談義に花が咲いたところで、鶴亀新喜劇からのお願いが語られる。
一度でええから道頓堀の舞台に出てくれへんか?
そして、一平君の書き下ろしの台本をそっと差し出す。
さて、そのことを直接頼まれた千代ちゃんはどんな思いで受け止められただろうかね。
一平君以上に離婚騒動の時は傷ついたはずの千代ちゃん。
もう二度と芝居はやらへんと心に決めたはずだったし、今でもトラウマとして残っていることには違いない。
最後の週のおちょやんの一番のテーマがこの辺のことだろうと推察する。
一旦は道頓堀を逃げる形で行方不明を決め込んだ千代ちゃんが再び女優として復活するまでの様子が描かれるのでは。
一平君の新作 桂春団治
一平君の満を持して発表された新作。
桂春団治
芸の為なら女房も泣かすと歌にもなったくらいの、名うてのプレイボーイ。
その春団治の1代を描ききる。
実はこの桂春団治の人間像は一平君自身でもあるのだ。
自分自身の自己表現として書いたと本人も述懐している。
おちょやんでは桂春団治の舞台もかなり力を入れて演出しているに違いない。
どうすれば、喜劇として成立するのか、綿密に考察が加えられたような気がする。
丁稚を演じている寛治君はあの藤山寛美のギャグををそのまま取り入れているような気がしたが。
例の人差し指を鼻に突っ込むやつ。
どうすればお客さんに受けて笑いが取れるのかを充分計算しつくした舞台演出。
お父さんはお人好し
人気絶好調のお父さんはお人好し。
台本の読み合わせにも力が入るが、この時放送局ではちょっとしたニアミス事件が起こる。
それは鶴亀新喜劇の桂春団治が人気絶頂なことを受けてラジオでインタビューの生番組が予定されたのだ。
この時もし運が悪ければ、千代ちゃんと一平君が鉢合わせする可能性が。
当の本人たちは全く知らないことなれど、ラジオ局のスタッフたちは随分と気を遣ってハラハラドキドキしているのだ。
しかし、遅かれ早かれ気づくことになるのでは。
それは、当郎さんが何気なくスイッチを入れたラジオ。
そこから聞こえてくるのはなんと2代目天海天海の声。
彼は、ちょうどラジオ放送の真っ最中で、周りにいた放送局のスタッフたちはたちまち凍りつく。
しかし、驚くほど無表情で感慨深げに音声に聞き入る千代ちゃん。
道頓堀を出てからすでに2年3年が経過しようとしている。
そして彼女は、一旦はやめることを決めていた女優業に勇気を振って再び戻ってきている。
かつての思い出をそのまま引きずって仕事に支障をきたすことなど考えにくい。
この先、どんなふうに物語をまとめていくのか。
おちょやんを毎日見ている者としてはもう一度道頓堀の舞台に立つ千代ちゃんをみたいと思うのだ。
一平君と千代ちゃん
物語の中で一平君と千代ちゃんは再会を果たすはず。
そして憶測だが舞台にも立つだろう。
なんといっても竹井千代は舞台女優であり喜劇俳優なのだから。
そして縁があって2人は結びつき、そして縁がなくなって別れることに。
それぞれは新しい家族とともに新しい人生を歩み始めている。
ちなみに写真の中央が藤山寛美。
彼がドロドロの愛憎劇を演じてしまった2人を仲直りさせたとネットの記事では。
浪花さんにしてみればあの離婚騒動は怒り心頭だったと聞いているが。
形の上ではここで和解したんだろうね。
舞台人としては彼らは皆第一人者として広く世の中に知れ渡っていた。
残りの4回の放送枠でその辺のところも詳しく語られるに違いない。