くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おちょやん1週間振り返り 今までもこれからも道頓堀

 

実質的には昨日最終回の放送のおちょやん。

様々な困難の中、物語は確実に盛り上がりを見せ、ふさわしいオチを演出

1週間の振り返りとは言え、生まれ育った場所から道頓堀へやってきてそこから出会いと別れを繰り返し、役者として広く知られる存在になった千代ちゃん。

彼女の物語は、モデルとなった浪花千栄子さんの人生をほぼそのまま踏襲しながら語られることに。

最後の1週間で、辛く厳しい別れを経験しながらも、そこからのトラウマから見事に復活する竹井千代が描かれた。

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小説版が出るようだ😳😍

目次

お名前.com

道頓堀からのオファー

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熊田さんからのオファー

物語のきっかけはいたるところに転がっていると思うが、今回はやはり、この物語の初めから登場していた彼、熊田さんからだった。 

 今は亡き大山社長の意志を継いで、鶴亀を運営する中心的な役割を果たしている。

ラジオドラマで活躍する千代ちゃんを見るにつけ、もう一度道頓堀のえびす座に出演できないかを模索していたようだ。

彼からの依頼が今回の最終回に至るまでの1連の物語のきっかけになる。

様々な苦労をしてきて道頓堀で舞台女優(喜劇女優)として活躍するようになった千代ちゃんは夫の不倫劇のせいで道頓堀を飛び出さざるを得なかった。

今まで苦労して培ってきたもの全てを捨てて1年間行方不明をきめこんでいたが、ラジオドラマで活躍することになって存在は再び脚光を浴びる。

竹井千代の値打ちは実物を見てもらって初めてわかると言うのが大山社長を始め、彼女と関わってきた人たちの共通の意見。

様々な葛藤とトラウマを乗り越えながら再び一歩踏み出す千代ちゃん。

再会かつての仲間たち

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懐かしい仲間たちと

新しい決断をするに至って、彼女の新しい家族娘春子の存在は欠かせない。 

春ちゃんの明るくて屈託のない仕草は千代ちゃんを知らず知らずのうちに励ましていた。

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今は親子だが物語は当初2人とも千代を演じる

 おちょやんの他の物語とは一風変った設定は、

初代千代として大絶賛された毎田暖乃を再び娘役で登場させたこと

しかもこの登場には物語の最初から長く続く秘されたエピソードがあった。

それは、継母だった栗子さんの存在。

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栗子さんの物語は千代ちゃんを追い出してから本格的に始まったと言える

俳優たちはみんなこのドラマに出演してして値打ちを著しく上げた気がする。

どの場面でも彼女たちの演技は絶賛された。

それは台本の中の設定もさることながら、彼女たち自身のアドリブでより値打ちのある物語を作ろうとする熱意、そして日々繰り返される根気。

このドラマの撮影はコロナ禍騒動の中、困難を極めたに違いないのだ。

そういった苦労をはねのけて最後まで仕事を全うした。 

千代 一平 灯子

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新平君はみんなをつなげる潤滑油

 千代ちゃんの人生を大きく転換させたこれらの登場人物。

おちょやんが最初計画された時に、史実としての不倫騒動を取り上げるかどうか話題になったことがある。

浪花千栄子さんは千代ちゃん同様、夫の不倫に苦しんだあげく行方不明になってしまった。

その時は死のうとさえ思ったと述懐していたね。

これだけ重たい題材を扱うとなれば、正直朝ドラ向きではないのでどんな描き方にするのか、スタッフも脚本家もかなり悩んだと思うのだが。

物語の性質上、ここら辺をぼかしてしまってはきちんと制作意図が伝わらないと判断したのだろう。

そのまんまエピソードを持ってきた感がある。

登場人物それぞれが相手のことを心からいたわって謝罪をし、そのことを素直に受け入れて和解できている。

こんなふうに良いほうの結果が出る事はそれほど多くはないパターンだと思いつつも、物語の中ではかなり自然に描かれていた。

そして、さらにその不倫騒動の後、千代ちゃんがトラウマになるほどの大失態を演じた演目を再び取り上げてリベンジすると言う。

ここがこの物語の一番の見せ所だったかもしれない。

再び舞台へ

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かつて大失態を演じた舞台をしっかりリベンジ

千代ちゃんも一平君もそれぞれ名前の売れた俳優になっていて、簡単にスケジュールを合わせることも厳しかったようだ。

それでも稽古を含めて5日間道頓堀に通ってもらえるとのこと。

かつて別れる原因となった演目を、別れた夫婦が再び演じると言う。

意外性もあって、さらには演じている2人の役者魂がものを言った瞬間。

最後の方で、新しいセリフを1つ2つ書き加えて物語はリニューアルされて上演。

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様々な思い出をきれいさっぱりふっ切った千代ちゃん

たった1度限りのお家はんと直どん。

この物語は、かつての思い出をきれいにリセットして新たな俳優としての出発を高らかに宣言した決意表明のようなもの。

千代ちゃんは舞台女優になりたての頃から、アドリブその他で徹底的に鍛え込まれてきた。

その集大成ともいえる舞台。

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舞台袖から大山社長の遺影も見守る

最後のエピソードで中心的な役割を果たしていた熊田さん。

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どうしてもお父さんに似てると思っちゃうよね

おちょやんは主人公の行動の裏に必ずきっかけとなる人たちのエピソードがきちんとついて回っていた。

そういったことが物語の値打ちをいやがおうでも高めていたような気がする。

主人公にこれだけの値打ちがあるんですと表現するための様々な方策だけれど、おちょやんで設定されたいろんなエピソードは、驚くほどの長い時間をかけて綿密に組み込まれていたと思う。

 娘春子が生きがいに

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このシーンは繰り返し描かれた

千代ちゃんの新しい家族は養子として迎えた娘春子ちゃん。

この2人の演技の素晴らしさは言うまでもないが、ここに至るまでの設定が実に奥深い。

昨日のドラマの最後の方で描かれた千代ちゃんの亡くなったかつての家族

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最後のシーンのためにわざわざ3人出演したと聞いた

わずか数秒間のシーンだったけれど、強烈なインパクト。

私はここで思わずもらい泣き。

何と言う粋な計らい。

こうして物語の過去と現在と、未来をきっちりまとめあげていたね。

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満開の桜の下、最後のシーン

千代ちゃんが養子を迎えるのは史実と同じで、浪花千栄子さんは親戚の女の子を我が子として引き取ることにしている。

子供ができなかった浪花さんは自分の料亭を新築して、その経営にも乗り出していた。

その時、娘として弟の子供を引き取ったと聞いた。

さて、おちょやんが私の朝ドラ史上の中でもナンバーワンに位置するかもしれないと昨日報告した。

ドラマとしておちょやんを驚くほどきちんと作り込んでいるスタッフたちの熱意に本当に感動させられたので。