日本の女性バイオリニスト神尾真由子はクラシック音楽の世界では知らぬ者のいないほど有名な人。
音楽コンクールの老舗としてチャイコフスキー国際コンクールがロシアで開かれる。
このコンクールに参加できることもステータスだが優勝となると全く別格として扱われる。
2007年度このコンクールのバイオリン部門で優勝したのが
神尾真由子。
この時、彼女は若干21歳。
ちなみにこのコンクールで過去に優勝経験のある日本人と言えば諏訪内晶子。
どちらも日本を代表するバイオリニストとして私もよく存じ上げる。
普段テレビではごくたまにしか見かけない彼女たち。
しかし、クラシック音楽は私のような年寄りも含めて根強いファンが多いのも紛れもない事実。
姿を見かけるたびにはっとした思いに駆られて見入ってしまう。
最近彼女をよく見かけるようになったのはYouTube。
新日フィルの指揮者藤岡幸夫さんのチャンネルがあって、そこでしょっちゅう見かけるようになってから、再び注目することに。
もうすぐ35歳になる彼女の新たな一面を発見。
目次
チャイコフスキー国際コンクール優勝者として
ずいぶん前にテレビでの特集番組で初めて彼女を見かけたもの。
チャイコフスキー国際コンクールの優勝者として日本人2人目の快挙とのこと、いざ見てみるとごく普通のちょっと小柄なお嬢さん。
興味が湧いていろいろ調べてみたところ、彼女は16歳の頃からストラディバリウスを貸与されて演奏し始めている。
幼い頃は同じバイオリニストの五嶋みどりさんから個人レッスンを受けていたとのこと。
初めてテレビで見かけた時は、ちょうどヨーロッパに留学中とのことで、外国語を駆使しながら一人暮らしを始めている彼女の様子が写し出されていた。
聞くところによると小学生の頃から外国留学は始まっていたようで母親に連れられて行っていたとのこと。
実はこの母親なる方はステージママのようでいて、意外と自由奔放なところが。
小学生の娘を気に入らないからといってそのまま外国に1人放り出して帰ってきたこともあったそうな。
残された娘は1人でがんばって何とか暮らしていくしかない。
そんな少女時代を過ごしつつ、外国へ行き来することが当たり前のように育っていた神尾さん。
10代の頃から、バイオリンにかける情熱は様々なコンクールで多くの優勝経験を持ち、その中の頂点に位置するのがチャイコフスキー国際コンクールの優勝。
YouTubeで検索すると当時の映像がそのままアップされているのでとてもありがたい。
年齢とは裏腹に肝の座った力強い演奏を見せる。
それでいて感じるのは驚くほどの繊細さ。
強さと繊細さの両方を余すことなく表現できればこれほどのアピールはないだろう。
このコンクールでの優勝が彼女のそれ以降の人生を大きく変えていくことになる。
ずいぶん前でテレビで見たときには、バイオリンのトレーニングと生活費を切り詰めながら外国で暮らす様子が詳しく語られていた。
彼女の語学力がどれほどのものかはよくはわからないが、子供の頃からヨーロッパなど様々な国々を訪問しているのでおそらく数ヶ国語は日常会話は難なくこなせるのでは。
バイオリニストとしてずいぶんナーバスな一面も持ち合わせていると番組から感じたもの。
結婚していて6歳になるお子さんが
実は2007年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門での最高位を獲得したのが現在のご主人。
実は、当時は2人が顔を合わせる事は全くなかったらしい。
ご主人はピアノが担当で神尾さんはバイオリンなので、演奏会場その他も全く違う様だった。
2人が近づくきっかけはその後日本で演奏会が開かれた時に同じコンクールの優勝者として招かれたことらしい。
2人が結婚したのが2013年だから、コンクールからは6年後。


お二人には今年6歳になる男のお子さんがいると聞いた。
クラシック音楽では国際的な活躍をしているお二人のお子さんの事、一体どんなふうに育つのだろうか。
古楽器バイオリン
現在、彼女の演奏する楽器は演奏歴から考えると著名なものとしては3代目だろうか。
最初は、16歳の時からストラディバリウスを貸与されて演奏し始めた。
11年後にその楽器を返納して、ガルネリウスを。
現在はまた別のストラディバリウスを演奏していると聞いた。
演奏家としての彼女の評価がなんとなくわかると言うもの。
ちなみにこういったバイオリンの古楽器はプレミアムがつくほどの値打ちが。
個人で所有する演奏家も稀にはいるが、大抵の場合 音楽関係の財団が所有しているものを貸与される形で世に出てくる。
日本人でもかなりの数の人がこれらの楽器を演奏する。
以前、私が注目したバイオリニストがこちらの方。
バラエティー番組によく出ていたこともあったのでご存知の人も多いのでは。
バイオリニストとしては一流の上に超が1つ2つつくだろうか。
神尾真由子はこれらの人たちに間違いなく匹敵するかそれ以上。
コロナ禍での活動
実は、YouTubeを見ていた中で、子供たちを個人レッスンする 神尾真由子さんの様子が映されていた。
その時のレッスン風景がとても興味深かったのでこの記事にアップすることに。
こちらがとても興味深く観させてもらったもので。
バイオリニストとして彼女なりのポリシーが子供をレッスンすることでよく表れているような気がした。
バイオリニストはステージに立てば音を聞かせるだけでは済まないのだと。
ビジュアルとして見せなければいけない。
どのように見せるかによってその演奏家の値打ちが大きく関わってくるのだと。
それは多分に実践を意識したもので、高度なレッスンになるはずなものが、とても楽しく和気あいあいとやっているように感じた。
神尾さんは子供の頃から拷問に近いようなレッスンにも耐えて現在があるとみる。
自分と同じような体験をそのままさせるのではなく、自分流の解釈で子供たち一人ひとりにどんな方法がふさわしいのかを考えている。
現在は演奏会もリモートで行うようなことも増えていると聞いた。
生の演奏にはかなわないだろうなと思いつつ、コロナに負けることなく活動している芸術家たちを賞賛したい。