くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

おかえりモネ 行き違う友情

 

今週は物語の核心部分が描かれつつある。

主人公のモネが抱えるトラウマは、彼女だけのものではなかった。

私は何もできなかった…。

実はこの時、同じような思いを誰もが抱いていた。

重要なエピソードが父耕治と親友新次とのやりとりで克明に描かれる。

震災のあった2011年、新次は夢と希望の象徴 自分の船と、最愛の妻を失った。

これだけでも立ち上がれないほどの痛手を被ったはずだが、彼にはその時返済しなければならない莫大な借金を抱えることに。

今日の放送で正確な数字も語られていた。

1億2800万円

私が思うに個人が背負えるような金額ではない。

今の一般的な日本人なら、生涯賃金を超える可能性だってあるのだ。

よくサラリーマンの生涯賃金が2億とかいわれるが、それは上流階級の人たちだけだろう。

普通の人はありえない話。

新次の力になろうと全力を振り絞る耕治。

だが2人の間にお金をめぐって微妙な見解の差がほころびを見せ始める。

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おばあちゃんが洗っていた写真 このシーンも涙がこぼれた

目次

お名前.com

新次発見

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元あった家の場所で1人たたずんでいた

 この時点で物語は2016年1月の設定。

アルコール依存症の治療に病院に通う新次に母亜哉子さんが同行しているのが昨日の流れだった。

しかし心の中に癒されることのない傷がそのまま残っていた新次は、気仙沼の仮設住宅を出て、亀島の自分の元あった家の場所で1人酒を飲んでいたようだ。

その時の様子も短い時間だったが放送されていたと思う。

酒の肴にしていたのは津波が来る直前に入っていた留守電。

それは震災の時に失った妻美波さんの最後の肉声。

どうしても消去できなかったんだろうね。

新次や耕治の世代では美波さんはアイドルだったと語られていた。

誰からも愛されていたというのが物語の設定。

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泥だらけの写真を洗うおばあちゃん

どんなに悲しんでみたところでなくなった人が戻る事は無い。 

それは残された者にとっては恐ろしく冷酷で無慈悲な現実。

新次だけではなく、この時大勢の人が似たような目に合っていたと思う。

このときの地震で亡くなられた方は18,000人を超え、様々な分野で被害が確認されているが、漁船の被害隻数が2万8000隻を超えるとあった。

物語上のことになるが、この数の中に新次の新造船が含まれるものと。

耕治の捨て身の努力

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新次の別枠の借金が発覚 審査は却下される

耕治はこの時、(地震からおよそ半年が経った頃)新次に新しい借金返済のための計画を持ちかけていた。

そして、同時に更なる船を持つことも計画していたようだ。

そのための方法としては、他所の船に乗って1漁師として稼ぐこと 。

しかし、他人の船に乗ることをよしとしない新次はしぶしぶ提案を受け入れたに過ぎない。

審査の当日、銀行から言い渡されたのは、融資はできないとの厳しい結果。

耕治にも隠していた別口の借金が見つかったのだ。

およそ1000万円ほど。

この借金が発見されたが故に融資を受けられなくなる。

そのことを激しく責める耕治。

大した金額じゃねぇ!

お金に対する見解はここで埋めようのない溝となって現れる。

大雑把で、豪快な新次の金銭感覚は金融マンの耕治には相容れないもの。

おめぇは漁師のことがわかってねぇ!

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俺の力ではもうどうしようもねぇ

おじいちゃんの龍巳さんと耕治のやりとりの中で交わされた会話。

もうこれ以上新次に関わるな!

力になってやりてぇ

ここに親子住まわせられねぇか?

おめぇは漁師のことがわかってねぇ。

漁師は意地で生きているんだ

これ以上潰すな!

何も失ってねぇ俺は何もできることがねぇ

これが2011年10月の時の永浦家でのひとこま。

夢も希望もなくなるということ

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船と妻 替えが効かない

 雇われ漁師になることを拒んだことで新次の未来は閉ざされた。

借金だけが残ることになる。

そして仮設住宅住まい。

ここから挽回することがどれだけ大変なことか。

普通に暮らしているものにすればありえない厳しさ。

個人的に思うのは、やはり奥さんを失ったことが1番堪えているだろう。

心の支えがなくなってしまうことだから。

頑張る気力が失せてしまったと思う。

他人に雇われたのでは、それは漁師としての面目が立たない。

普通の人ならそんなこと言ってる場合じゃないだろうと考えるかもしれないが、海に出る商売なので、何かあれば命と引き換えになってしまうのだ。

普通の人では理解不能な覚悟が心の中になければ到底続けられる仕事ではない。

それは物語の中では意地と表現されていた。

私自身の気持ちの中でも仕事に対する意気込みは、心意気と表現できる。

その心意気を否定すれば、たとえ仕事をしたとしても周りに迷惑をかけるのだ。

本来の力が発揮できないばかりか、必ずと言っていいくらいミスを犯す。

それだけは避けたい。

新次にもそんな思いが見てとれる。

モネの決意

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モネに寄り添う菅波先生

震災の時の亀島でのやりとりを思い出して涙ぐむモネ。

そんなときたまたまかかってきた電話は菅波先生。

例の縄跳びの話だけれど、3分じゃなく5分の方がより効果的だと。

涙でまともな受け答えのできないモネ。

しかし、自分の罪滅ぼしだけで気象予報士を目指しているのではないとはっきり告白していた。

それは誰かの役に立つことではなく、自分自身が未来に向かって全力で突き進もうと言う前傾姿勢。

そのことのみがトラウマと戦う自分に力を与える。

今日の物語はその辺までが描かれたと思う。

今日のエピソードも、特に龍巳さんと耕治のやりとりの場面では思わず涙がこぼれた。

私自身も危険と隣り合わせの仕事をしていたので、意地の部分がよく納得できたから。

今週は重要なエピソードがさらに続く。