くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

青天を衝け 明治維新がもたらしたもの

 

歴史を描くドラマなので、描く内容はほぼ史実と言って良いだろう。

私は明治維新は、決して血を流すことのなかったクーデターだったとは思っていない。

以前受けた講演会で、明治維新は世界的に見て血が流れることが驚くほど少なかったと教えられたが、調べれば調べるほどそれはうそだと考えるように。

大勢の若者の血が流されたのだ。

それは明治維新に至る前から明治維新後もしばらくの間続いた。

さて物語はいよいよ篤太夫がパリから帰国する。

そこで1年ほどのブランクがあったのだが、周りから時間の経過とともに様々な事件を知ることになる。

知らされた内容は驚くほど悲惨なもの。

一般的な歴史観の中にはあまり出てこないことが多いが、物語は事実を淡々と描いているのでは。

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民部公子と篤太夫 パリの記念写真

目次

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フランスパリより帰国

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徳川方は賊軍なのでこっそり帰国

いざ日本に帰ってはきたものの、堂々と船を降りるわけにはいかなかった切ない事情がある。

彼らは皆賊軍として不当な扱いを受ける可能性があったのだ。

一旦は小舟に乗り換えてこそこそと上陸したように描かれていた。

そこで様々な空白の時間を埋める情報を得ることに。

何よりも残念だと思われたのは大阪伏見の戦いで徳川慶喜が戦線を離脱して江戸へ逃げ帰ってしまったこと。

これは当の本人も一世一代の不覚と述懐している 。

徳川慶喜はもともとが朝廷こそが日本の頂点だと考えていた。

朝廷には決して逆らえないマインドが刷り込まれていたと言える。

したがって錦の御旗を取り上げられて賊軍の認定をされたときに戦意喪失したのが事実だと言われている。

彼は水戸斉昭の息子なのだ。 

日本の頂点は天皇であることを子供の頃から教え込まれていた。

薩摩、長州のような天皇を利用するような淺ましい考えには到底至らない。

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物語の中では慶喜に切腹を勧めていたね

大勢の期待を裏切ったことで徳川幕府はいよいよ終わったのだと言わざるを得ない。  

日本では明治維新 徳川幕府は消滅

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憔悴しきった徳川慶喜

あれだけ頭脳明晰で行動力もあった徳川慶喜は、今は見る影もなく憔悴しきって発する言葉もない。

徳川恩顧の武将たちは、兵を上げて 薩摩長州に立ち向かうべきだと盛んにはやしたてるが、すでに慶喜にこの先表舞台に出ようとする意志は消滅してしまったかのように見える。

ただし、出発したはずの明治政府、これは薩摩と長州が天皇をそそのかして見切り発車したもの。

始まった段階では、およそ政権担当能力などあるはずもなかった。

朝廷側の岩倉具視や薩摩の西郷隆盛らが実権を握っていて、彼らの思惑でどうにでもなったような状況。

また、金銭的な裏付けもまるでない。

明治政府は基本的にはほとんど無一文のような状態で出発したのだ。

経済政策も何もまるで始まってはいない。

徳川時代の様々な制度はそのまま残しながら、表舞台には出たものの、これから何をすべきか暗中模索の状況だったようだ。

徳川のシンパ 最後のあがき

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成一郎は土方歳三らとともに函館に

 徳川恩顧の生き残りたちは、徳川家を再起すべく北上を続けながら明治政府軍と戦いを続けることに。

最終的に行き着いた先が函館。

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明治政府から強奪した函館五稜郭

ここで活躍していたのが新選組の生き残り土方歳三と渋沢篤太夫のいとこ成一郎

結論から言うと、土方歳三はここの戦で戦死することになる。

しかしいとこの渋沢成一郎は無事生き延びて大正時代まで長生きすることになるのだ。

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左が渋沢成一郎 右が尾高惇忠

2人とも渋沢栄一のいとこになるが、それぞれ長生きしたと言えるだろう。

明治の経済人として名を残すことになる。 

篤太夫と平九郎(養子)

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実物もかなりのイケメン 栄一の養子だが悲惨な最期を遂げる

今日の物語の中で切なく悲しかったのが渋沢平九郎の最後。

ほぼ、史実通りに描かれていたはず。

彼は上野彰義隊の生き残りだったが、 1人はぐれたがために明治政府に追われる身となっていた。

必死で逃避行を続けたが、最後は如何し難く、自ら腹を切ったとされる。

もともとは尾高家の末っ子で、英一の妻千代の歳の離れた弟でもあった。

先に挙げた渋沢成一郎や尾高惇忠とも親戚同士になる。

彼は渋沢家の養子に入ってわずか1年ほどで命を散らすことになるのだ。

事実を知った渋沢栄一がどれほど苦しんだか。

物語の中では渋沢家の一番下の妹とのロマンスも語られていたが、気の毒としか言いようがないね。

史実では、婚約者だったおていちゃんは婿養子をとって渋沢家の家督を継ぐことになる。

本当の明治維新はこれからかも

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今日の回から登場したイッセー尾形は後の三井財閥の番頭とのこと

どうやら今日のエピソードから明治以降に語られるであろう経済関係の話が出てくる。

渋沢栄一は日本の資本主義の祖と言われている。

その時交流のあった人たちだが、岩崎弥太郎はまず1番に名前が出てくるのかも。

今の三井財閥の祖とされる人物。

当時の実力者には違いなかっただろうが、最後は胃がんで結構悲惨だったと聞く。

今日の物語はここまでで、経済活動をするための基盤がまだ日本には存在していなかった時代。

彼らがどのように日本を立て直していくのか。

明治政府は基本、薩摩と長州の武士連中が作ったもの。

社会の具体的な仕組みなどには素人だったことが想像つく。

さらには来週、いよいよ徳川慶喜と渋沢栄一の対面が果たされることになる。