昨日のエピソードでついに辛抱の糸が切れたみーちゃん。
図らずも菅波先生に対して、姉のことをけなしてしまう発言が。
今日はその後のエピソードを受ける。
さて、その場にとてもいられないと感じたみーちゃんはすぐに立ち去ろうとするのだが、なぜか様々な横槍が入って、残ることになった。
気仙沼の幼なじみたちが再び集まる設定になっているが、みーちゃんは実は彼らよりも2つ年下の世代なのだ。
モネの妹と言うことで仲間にはしてもらっているが、どちらかと言えば少し距離があるような。
さて物語が大きく流れている中で、登場人物たちの胸の内が巧みに語り継がれていく。
目次
モネと亮ちん
新宿の深夜喫茶(終日営業している)で2人きりのモネと亮ちん。
ぱっと見には恋人同士に見えるけど、2人がそれぞれに対する思いはちょっと違う感じがする。
幼なじみとして、兄弟同然に思っているモネと、なんでも腹を割って話せると親近感を開いている亮ちん。
この2人の関係を周りの友達たちは皆邪推してしまう。
敏感に反応しているのがみーちゃんと明日美ちゃん。
2人の関係に腹を立て、一体どういうつもりなんだと矛先を向けたくなる。
東京へやってきて故郷へ戻ろうとする亮ちん。
東京が好きだと。
東京では、お互い知り合い同士でもそれぞれのテリトリーを侵害する事は無い。
つまり相手が何をやろうと知ったことでは無いのだ。
不思議なもので、それはある意味自由でのびのび生きていける気がするもの。
東京方面でおよそ7年暮らした私にも納得できる。
自分のことを決して侵害してこない。
その事は、少なくとも若者にはとても好都合に感じたもの。
亮ちんはさらに続けた。
人の期待に応えて頑張る事はそれほど難しくは無い、最初のうちはね。
しかしやがてしんどくなって、投げ出したくなる時が。
もうみんな止めていいかなぁ😔
電話で話していたこの言葉には、亮の心の中に消し去ることのできないストレスが溜まりきってしまったことを表していたね。
みーちゃんを押しとどめる仲間たち
汐見湯にはもうとてもいられないと感じてしまったみーちゃん。
逃げ出すように立ち去ろうとするのだが。
実はこの直前、菅波先生がやってきて例の衝撃的な一件があった。
この時、みーちゃんは明らかにうろたえた様子で姉のことをぼろくそにけなしていた。
そんな様子を不思議に落ち着いた表情で眺めていた菅波先生。
明らかに冷静さを失っている事は、すぐに見て取れたに違いない。
この子は明らかに我を忘れている。
どんな事情なのかを詳しく聞いてみる必要が。
そして詳しい説明は明日美ちゃんから丁寧になされたのだ。
話の事情がよく飲み込めて納得する菅波先生。
この時秀逸だなと思ったのは菅波先生とみーちゃんの演技。
彼らはお互いをチラチラと目線で確認しながら、相手がどんな気持ちでいるのか、さらには彼ら本人がどんな気持ちなのかを如実に表現していた。
おかえりモネの役者たちの演技が、物語のグレードアップしている事は間違いないと言える。
気仙沼の親世代
同じ頃気仙沼の仮設住宅では新次と耕治夫婦が。
既に新次は冷静さを取り戻していて、素直に意見に従っている様子。
彼らの会話の内容もとりとめのないもの。
かつて美波さんがみんなのアイドルでマドンナ的存在だったこと。
そのことを羨ましがる亜哉子さん。
このときの会話の中でさらりと出てきたのが伊達政宗の母親義姫の物語。
この母親は、当時伊達藩と勢力を2分していた最上藩の城主最上義光(よしあき)の妹にあたる。
この母親は伊達政宗の弟小次郎を藩主にしようとして政宗に毒を盛るのだ。
この一件で伊達政宗は弟小次郎を自ら殺すことになる。
最上義光は義姫の兄として、勇名を馳せていたが、彼は娘の駒姫を時の関白豊臣秀次の側室として差し出した後、秀次は秀吉の逆鱗に触れて切腹を言いつけられ、彼の身内とされる側室全員が惨殺されることになる。
歴史好きのオタクなら割とよく知られた事柄だけど、私の中でも最上義光は悲劇の大名だなと言う印象。
そのことが今日のエピソードの中にさらりと出てきたところが、脚本家の様々な調査力の底力を感じるもの。
幼なじみたち
屈託なく話している幼なじみたち。
東京まで集まって、こんな馬鹿話をするのかい?
集まったところで何か真面目な話ができるわけじゃない。
お互い顔を見合わせて、同じような飲み物食べ物をとって、同じ空気を吸っていること。
そのことが連帯感だと言えるだろう。
今日の物語の中で大事な役割を果たしていたのが明日美ちゃん。
幼なじみたちがそれぞれ居心地が良いように常に気配りしていたね。
それは、亮ちんにもみーちゃんにも同じように配慮していた。
実はおかえりモネは翌日に続く物語の流れが前日の最後にさらりと語られる。
それは、地元でがんばっている人たちが偉くて、地元を飛び出した人たちはその次みたいな見られ方をすることに明日美ちゃんが異を唱えること。
ここにいる幼なじみたちは皆、東北大震災を経験している。
反応はそれぞれ違っているけれど。
共通して言える事は、皆真面目に自分の運命と向き合っていること。
決していい加減な曖昧なことをしているわけではないのだ。
その意味でたまたま生じた見解の相違。
今週のエピソードはまだ始まったばかり。
地元に残るとか地元を離れるとか、これからの物語のテーマになりそうな雰囲気だね。