青天を衝けで描かれる渋沢栄一。
演じている吉沢亮は考えてみたら仮面ライダー俳優なんだよね。
先週のエピソードで「最後の変身」とあった。
なんとなくわかっていたが、これは脚本家の遊び心だろう。
仮面ライダーは変身を繰り返して強くたくましく成長する。
吉沢亮を表現するのに最もふさわしい言葉かもしれない。
さて渋沢栄一はおよそ3年勤めた大蔵省を辞めることに成功。
自ら銀行を設立、手腕を振るうことになる。
彼のポリシーとして、役人が上から目線で国を牛耳っていたのでは国の発展がないと厳しく受け止めていた。
民間で人々が活躍できてこそ国そのものが発展するのだと信じていた。
今日のエピソードの中では「母親ゑい」がなくなる様子も描かれる。
目次
第一国立銀行
銀行設立とは言え、各民間から何人かの社員が集まって作り上げた寄せ集め所帯。
とにかく明治政府が出発しても近代国家と呼べるようなシステムはほとんど何も始まっていなかったのだ。
今なら当たり前のような紙幣ですらこの当時やっと機能し始めたに過ぎない。
大体、帳簿の付け方も西洋式のものを取り入れたのがこの辺とされている。
ユニークなエピソードだが、西洋の教師に学ぶことになったが、日本式の算盤はそのまま利用されることになった。
算盤に熟達するものは計算機(電卓)の操作の比ではない。
日本式の簿記は今ではそのほとんどはパソコンのソフトに置き換わっているのだが。
この当時は出発したばかり。
渋沢栄一が鬼神の活躍を見せたと思うのは全てを1から出発させたこと。
おそらく、知っていることをやるのならまだ多少なりとも可能性を感じるが、彼の場合現場を見据えてどの方法がふさわしいかを模索しながら行った。
その行動力は今考えても目を見張るものが。
渋沢栄一の身辺
五代友厚は早々と政府を去って民間で活躍し始めていた。
朝ドラの「あさが来た」でもエピソードとして語られていたが、炭鉱を始めとする鉱山業務などにも手を伸ばし始めていた。
その彼の言葉が物語の中で語られていたね。
政府は魑魅魍魎の集まり。
しかし民間は化け物の集まり。
民間で活躍することがどれほど大変なのかを好実に語っていた。
渋沢栄一の自宅には、大勢の人が集まって暮らしていたが、母親が病気で亡くなる時が、今日のエピソードの中で描かれていた。
この時の栄一の妻 千代さんのエピソードが語られていた。
渋沢邸には本妻さんもお妾さんも暮らしていた。
妾のくにを母親の臨終に立ち会わせる様子が描かれていたが、実際のところどうだったかはわからない。
しかし、千代さんの心の優しさが描かれていたと思う。
渋沢栄一の女癖の悪さは今日のエピソードでも姉からお尻をひっぱたかれる形で描かれていたよね。
周りの人も気がついていたと思う。
だれかれ構わず手を出しちゃうんだよなぁ。
荒れる明治政府


この当時の明治政府は西郷隆盛など反発する勢力がどんどん離れていった。
政府とは名ばかりでほとんど“もぬけの殻状態”。
志あるものは皆政府の無様な様子を憂いていた。
こんな連中とは一緒に仕事なんかできない。
やはり、実務経験のない者たちだけで政府を運営しようにもそれは厳しいことだったと言える。
ほとんどの場合は命令直下で家来たちを使役するシステムしか知らない人たちなのだ。
大体、みんなで話し合うとか協力するとか言う言葉もなじみの経験ではなかったようだ。
結局は、悪あがきを繰り返しつつ、世の中はより不透明さを増していた。
岩崎弥太郎の暗躍
岩崎弥太郎は三菱財閥の初代の総裁になる。
明治維新以前から頭角を現してきた彼は、海運業で大成功を収めている。
ただし、物語の中では決して彼を善人には描いていないね。
昔風の自分の利益を追求するタイプの豪商と言って良いだろう。
豪快な出で立ちに見えるが、彼は残念ながら50歳そこそこで胃癌でなくなることになる。
病気には勝てなかったと言うことだろう。
岩崎弥太郎は政府と結託して(ほぼ癒着していると見て良い)第一銀行を潰しにかかる行動を起こす。
政府内の切なる願いとして、素直に意のままに動く商人が欲しいと言わしめる。
このエピソードは、政府が九州派遣のための軍隊を三菱に一任するエピソードとして描かれている。
調べてみると第一国立銀行があったのもこの辺で、渋沢栄一の邸宅もこの付近にあったようだ。
彼は銀行のすぐ横に自宅を構えて業務に励んだと言われている。
五代友厚が民間は化け物の集まりと言ったが、純粋に真心込めて行動する者たちがいかに少なかったか。
その中で活躍できた渋沢栄一の本当の値打ちはそんなところにもあるのかもしれない。
まともに付き合おうとしない悪意に満ちた連中と付き合わなければならないのだ。
並大抵の苦労ではなかったと思う。
青天を衝けは渋沢栄一のこれからの活躍が、物語の中心に据えられるはず。
資本主義関係の商業の発展ももちろんだが、彼の場合社会福祉事業にも造詣が深かったのだ。
数々のエピソードはこれから描かれるに違いない。
さらには彼の女性遍歴もその武勇伝の1つとして語っていただけるとより信憑性が増すと言うもの。