私たちが知っている明治なんてほとんどうわべだけだってことが今日のエピソードを見て大いに納得。
元アメリカ大統領、当時の特使である、グラント将軍の歓迎レセプション。
そのことを渋沢栄一達日本の民間部門で行うことに。
明治政府主導で、盛大に行うとの事だったが、それは国の威信をかけたことでもあったようだ。
そのことを中心に据えて国内外の模様がそれとなく紹介されていた。
明治政府発足後はとにかく日本は富国強兵で列強に肩を並べるまでがんばり続けなければと上昇志向満載で国家の運営に当たっていたが、そのためには外国との協力関係が是が非でも必要なところ。
さらには幕末に結んだ不平等同条約の改正もどうしても実現したいところ。
対する欧米列強は、この当時アジアは植民地で搾取すべき対象としてしかみなしていなかった。
時代背景を背負いながら物語は語られる。
目次
欧米では男女が等しく行事に参加
アメリカからの珍客グラント将軍は元大統領の身分。
日本としては精一杯の歓迎をして不平等条約の改正に何とか役立てたいものと考えていたようだ。
歓迎のための行事は外国式の方法を取り入れようと皆で画策。
その1番の方法は男性だけではなく女性も参加して、家庭的ながらも豪華さが求められた。
おもてなしをするための様々な方法は渋沢栄一が民部公子に付き添ってパリ留学をしたときの様子が参考に。
特に様々な料理もさることながら、出会った人たちがどのように振る舞っていたかが参考に。
握手とかハグなどは日本ではありえない習慣。
今回の話し合いではそういったことを取り入れるためには、会議に参加している男性の奥方を始めとする家族たちにも大いに協力してもらうことが求められた。
時代的には鹿鳴館があった頃だと思うが、物語的にはその直前のエピソードだと考える。
そしてこの辺の詳しい事情を私たちは全く知る事はなかった。
今思えば、行き当たりばったりの思いつきと言えるようなやり方だけど、なんとかしなければの思いと国を豊にしなければの使命感が行動に駆り立てたと推察。
日本初の女子会だったかも⁉️


史実ではどうなっていたかはわからないが、女性たちだけで集まって打ち合わせのようなものは何度も開かれたような。
自己紹介から始まってどういった催し物をするのか、またどんな服装やどんな振る舞いをするのかが詳しく語られたに違いない。
彼女らは皆幕末の生まれなので、言ってみれば徳川の生き残り。
女性が表舞台に出ることなどあり得なかった時代の生まれ。
しかし、たまたま史実に残っていないだけで、歴史の中で活躍した女性たちは大勢いたに違いない。
ここにいるメンバーは今は着物を着ているが、いざパーティーに参加するときにはそれぞれ思い思いの衣装を着ることに。
宮中の衣装を来たり、あるいは西洋風のパーティードレスを着たり。
ここで、1番のポイントになったのが接し方。
日本では普通 顔も満足に見ない状態で会話することがほとんどだが、まずお互い歯を見せ合うことを確認。
普通はありえない習慣だが、欧米ではこれが親愛の情を表すと。
みんな慣れない習慣ながら、熱心に取り組んで、精一杯のおもてなしをしようとする。
今日の物語で描かれたのは、日本側の熱意ほどにはアメリカのご家族はそれほど喜んではいなかったこと。
おもてなしを受ける側にもそれなりに準備があるとのことで。
外国風のおもてなし
ダンスシーンは鹿鳴館を彷仏とさせるようなシーンだったね。
日本の着物の女性が踊れる事はなかったと思うが、ドレスを着た女性はきちんとダンスを踊っていた。
ヨーロッパの社交界ではこういった事は普通に行われていたような。
そういえば社交界なんてものが存在するらしいが、下々の人がそういった世界に接する事はほぼありえないもので。
さて、物語の中で描かれたのは渋沢栄一の自宅で将軍をおもてなしする話が持ち上がってしまうこと。
これだけは意外だったのかもしれない。
3日ほどで準備をしなければならないのと、欧米の習慣とは言えにわか仕込みで家族パーティーなど普通はありえないことなのだが。
実はここで大活躍したのが栄一の奥さん“千代さん”。
てきぱきと準備して、飛鳥山の新築中の自宅を超特急で設営する。
渋沢栄一にとって自分の奥方がどれだけ頼もしいか、思い知らされたに違いない。


これらのエピソードの元になったのも、渋沢栄一がパリで受けたもてなしの記憶が頼りになった。
もてなしの気持ちの本体になるのはご馳走ではなくて心が受けるおもてなし。
しかし、不思議な絵面だったと思う。
物々しく緋毛繊で行進する一行と、相撲や琴の演奏などは思いのほか互換性は無い。
グラント将軍の貴重な提言


グラント将軍は、
「自分は大統領を退いて今は何の権限もないので、歓待を受けても何も応えられない」と。
しかし、最後に欧米諸国が何を考えているかを詳しく語って聞かせる。
この頃は植民地政策のピークが訪れていた。
イギリス、アメリカなど欧米諸国はアジアは搾取すべき対象としか見ていなかった。
また、外国の商人たちは日本と対等に商売することを決して望んではいないとも述べていたよね。
要するに不平等なままで良いのだと。
商売の取引には、勝者敗者がはっきりと認定される。
やるからには負けるわけにはいかない。
改めて思い知らされたのだ。
時代背景


グラント将軍の提言は驚くほど率直で、日本にとっては衝撃の事実だったかも。
つまり、お人好しでは商売などできはしないと言っていることになる。
そして、商売の本質で勝たなければ意味がないと確信して止まない岩崎弥太郎は三菱商船を礎に日本経済を牛耳ることをと考えていた。
世の中が平和で安穏なこととは程遠い時代。
そして物語の中でうっすら語られていたがこの時外国との往来でコレラが蔓延し始めていた。
来週の予告編では史実の通り、千代さんに重大な事件が起こると思われる。
彼女はコレラにかかって42歳で命を終える。
いよいよ、物語は核心部分に近づく。