物語は昭和17年18年の頃について語られる。
すでに世の中は戦争一色。
稔君と安子ちゃんはお互いの気持ちを確認できたものの、2人が一緒になれる事は限りなく無理なことと思われた。
そんな中、物語は稔君の家で新たな縁談話が持ち上がる。
雉真繊維は軍関係の仕事を手広く行っていて、需要に応えるべく新しい工場を増設しようとしていた。
そのためには莫大な資金が必要になる。
そこで、融資を申し出てくれた大東亜銀行。
そこの頭取の娘さんと稔君の縁談を条件に無利子無担保の融資をするとの条件。
仕事のことを考えると願ってもないことだが、会ったこともない人と結婚することなどとても認められない稔君。
心に決めた人が安子ちゃんなことを告白するも、言下に却下。
2人の力では八方塞がりと思われたが、思わぬところから様々な助けが生じて、ついに2人は結婚することになる。
厳しい状態でも、じっと辛抱して待つことで道を切り開くことができた2人の恋物語。
雉真家
雉真繊維は順調な軍の注文を受けて工場を拡張しようと計画。
莫大な資金が必要なことから大東亜銀行と提携して無利子無担保の融資を取り付ける計画が持ち上がった。
ただしそれには条件が。
頭取のお嬢さんと雉真繊維の長男との政略結婚。
この話を聞かされた稔君は心に決めた人がいることを素直に白状するしかなかった。
結果は当然のことながら全面否定される。
そしてそれだけでは済まなかった。
安子ちゃんは雉真美都里さんから絶望的な嫌がらせを受けることにもなる。
物語では、お金をなんとか返そうとする安子ちゃんに変わって幼なじみのきぬちゃんが稔君にお金を返す事態になって、すべてのことが明るみに出てしまう。
周りの激しい抵抗で、稔君と安子ちゃんの恋は、ほぼ八方塞がりな状態に。
橘家
橘家では長男の算太が出征。
職人たちにも次々と召集令状が舞い込んでついに開店休業な状態。
安子ちゃんはそんな中でも、店の仕事を明るく朗らかに手伝い、毎日神社に通って稔君の武運長久を祈っていた。
この頃はすでに学徒出陣の話が持ち上がっていて、泥沼の戦争は全く後戻りできないばかりでなく、国が滅びてしまうような事態にも陥っていた。
年が明ければ稔君も戦地に行かなければならない。
すでに、自分自身の恋は実らぬものと覚悟を決めている安子ちゃん。
しかし、決して焼けを起こすことなく様々な人たちの安全無事を祈願する毎日。
この頃の、カムカムエヴリバディは明るい話題はすっかりなくなって、戦争一色で誰もが苦しい胸の内と闘いつつ日々辛抱する内容が語られて、見ていても暗い気持ちにさせられたかも。
そして、おじいちゃんは遺言を残して亡くなってしまう。
安子 幸せになるんじゃぞ😭
おじいちゃんの思いは切なく儚くも、孫想いの気持ちが溢れていたね。
稔と安子
この頃、稔君も安子ちゃんと一緒になれるとはまるで考えてもいなかったようだ。
どうしても運命にはあらがえない。
何をどう頑張っても、事態を変化させることが叶わない。
そう思った時、弟勇くんの訪問を受ける。
このときの2人のやりとり
北村北斗くんと村上虹郎くんの渾身の演技。
本当に殴っているんじゃなかろうかと思う位迫力のあるシーンだったが。
このやりとりが、この当時のそれぞれの胸の内を如実に表していた。
困難を乗り越える真心
勇君は尊敬する兄のため、そして1度は恋心を抱いた安子ちゃんのため、自分の身を呈してある行動に出る。
それは進められている兄の政略結婚を自分が引き受けること。
そのかわり、兄と安子ちゃんの結婚をどうか許してほしいと父親に頼み込むのだ。
そして一度でいいから橘の家を訪れて安子ちゃんに会ってみてほしいと懇願。
この必死の呼びかけに応える形で父親は橘家を訪れることに。
心の中に何も問題がなければ、弟の意見も無視して自分の計画の通りに行動したはずだったが、世の中のことを考えると自分の会社の業績が果たして本当に世の中のためになっているのか、疑問を感じないわけではなかった。
雉真千吉さんは自分自身の気持ちにも正直になるべく、橘家を訪問。
そこで橘金太とのやりとり、安子ちゃんの対応を見て、考えを180度転換させる。
息子の結婚相手はこの娘さんでいいじゃないかと決心させるのだ。
物語の中でも驚きの結末だったと言えるだろう。
しかし、真心に触れた父は単なる思いつきでこんな行動に出たわけではなかったようだ。
戦地に赴く息子のことを考えれば、こちらの都合ばかりを押し付けたって決して良い結果には結びつかない。
ここは後に思いを残さないようきちんとした対応をしてやるべきだろうと。
1ヵ月間の幸せ
晴れて一緒になることができた安子ちゃんと稔君。
新婚で一緒に暮らせる楽しい時間はわずか1ヵ月。
出征の時が近づいている。
気の早いことだけど、2人の子供の話も話題に乗っていた。
そしてネットでは昨日のうちに公開されている来週の予告編。
安子ちゃんには子供が生まれることになる。
そして岡山にも空襲の爪痕が。
物語は駆け足でどんどん進むのだ。
子供が生まれること、空襲で焼け出されること。
果たして両家の家族はどんなふうに切り抜けていけるんだろうか。