物語はいよいよ舞台を変える。
戦後、雉真家で必死に堪えていたところが、様子を見かねた勇君が助け舟を。
岡山を出て別な場所で母娘2人で暮らすように便宜を図ってくれた。
手近な荷物と、ある程度まとまったお金。
安子ちゃんの向かった先は、かつての稔君の下宿先。
とりあえずは母娘が住む場所を見つけなければならない。
さらには生きていくためには、自ら仕事をする必要が。
新生活を始めるための様々な準備が今日の物語の大きなテーマ。
下宿先では物置を掃除して、住む場所と小さな台所を確保。
彼女ができる事は、父から習ったお菓子作りを生かすこと。
お菓子を売って生活費を稼ごうと。
しかし、商売が簡単に軌道に乗るわけでもなさそう。
目次
大阪へ
岡山に残る事はほぼ拷問に近いと思われた。
そのことを身近で1番心配してくれたのが勇君。
彼の計らいがなければ、岡山を出ることにはならなかったはず。
この物語はエピソードがピークに達したところで、助け舟が出てくる。
脚本は、ほのぼのしたホームドラマの雰囲気でいながら、かなりな鬼脚本👹
主人公を始め、関わりのある人たちをこれでもかというぐらいな目に合わせる。
岡山を出て、別な土地に向かうとなれば、思い当たる大阪ぐらいしかないはず。
かつて、稔君と遠距離恋愛で文通をしていたので、住所はよく知っていると同時に、いちど訪ねたことがあったよね。
うまくいくかどうかは別として、そこに向かうしかなかったのだ。
勇ちゃん
勇ちゃんは今日のエピソードの中心的な役割を果たしていた。
彼は安子ちゃん母娘を逃すだけではなく、その後始末にもきちんと配慮していたよね。
兄嫁親子がいなくなったとなれば、両親は必ず探そうとするだろう。
特に母親がかなり問題。
嫁の事はともかく孫の事は自分の息子と同様に溺愛しようとする匂いがプンプン。
そして何かにつけて嫁いびりをしていたからね。
周りの者もとても見ていられなかったに違いない。
物語の中では家族同士のやりとりしか描かれていなかったが、これにお手伝いさんが加わるはずなので、彼女たちがどんなふうに見ていただろうね。
勇ちゃんは母娘を送り出す時に、ユーモアを込めて語りかけていた。
あんこ 気ぃつけてな😌
もし、戻ってきたならわしがもろたる😂
これは安子ちゃんを励ますための精一杯のおふざけ。
ひきつった表情だった安子ちゃんも思わず表情がほころび始めたね。
稔君の下宿先
かつての稔君の下宿先だが、事情を察してくれたおばちゃん。
今はみんな生きることで必死やねん
誰も助けてくれへんで!
この言葉には実感がこもっている。
母娘2人だけで暮らすのだ。
子供はまだオムツが必要な年齢。
苦労する事は目に見えている。
しかし、岡山を離れてみて、
改めて2人だけで生きていかねばならないと覚悟を決める安子ちゃん。
やはり、天下の台所と言われた大阪は、人通りも多く、それなりに頑張れば生きていけないこともないのかもしれない。
おばちゃんが貸してくれた物置は、土間が2坪ほど。
そして畳の4畳半。
ガスは来ていて水道も玄関先に。
土間の2坪は6畳に相当。
かなり狭いけど、とりあえずは生きていく場所は確保できたわけだね。
生きるための仕事
最初に頑張って手がけたのが芋飴作り。
こんな方法で飴ができるなんて知らなかったけど、父から教わったお菓子作りの技術が生かされたと言える。
物資はほとんどが闇市で仕入れるしかなかっただろうが、うまく頼み込んで、値切りも成功しているような。
この当時の日本の様々なものの値段は、一般の人たちが手が出るようなレベルではなかっただろうと思う。
勇君からどれほどのお金を渡してもらえたかはわからなかったが、封筒はかなり厚いようにも見えたよね。
しかし、そんなものは使っていくうちにすぐになくなってしまう。
実際に品物を作って売ろうとしても、簡単に受け入れられるはずもなく。
おばちゃんから言われた言葉、
みんな生きるのに必死
誰も助けてはくれないの言葉の意味を思い知らされることになる。
勧めた芋飴を代金を払わずに立ち去ろうとするものや、さらにはいかがわしいチンピラ風な男たちに絡まれたりで、散々な様子。
一体どの程度売れたんだろうか。
逃げ込んだ路地の先で聞こえてきたのは昔お馴染みだった狸囃子の音楽。
しかし、その歌詞は英文だったね。
調べてみたところ、きっちりYouTubeにアップされていた。
正直なところ、初めて聞いちゃう。
これが逃げ込んだ路地の奥で聞いた懐かしい歌の英語バージョン。
今日の物語はここまで。
この後どんな展開になるのやら。