昨日の衝撃のラストから一晩経ってみると物語はおよそ10年経った設定。
18歳になったるい。
そして物語の冒頭のエピソードは雉真千吉さんが亡くなる頃のエピソード。
およそ10年間の間に何があったのかを瞬時に説明する脚本家の心意気。
安子ちゃんは失意の中、ロバートとともにアメリカへ。
私たちはその理由を理解しているが、物語の中の登場人物たちはどうやら正確には判断できていない。
そして37歳の勇君。
やはり思った通り彼は雪衣さんと結婚。
さらに息子も生まれていて、10歳前後と思われる。
雉真繊維の跡取りとして思いがけない形で登場していた。
18歳のるいは、おじいちゃんの葬式を機に雉真家を出て大阪で暮らすことを宣言。
そして、決意は二度と岡山には戻らないと。
目次
おさらい
昨日のネットでは、脚本に対するコメントで溢れかえっていた。
これだけ、暗い厳しい内容でバトンタッチする。
多少なりとも明るい要素がと思いがちだけれど、綿密に計算された藤本有紀脚本の圧倒的な破壊力。
毎日必ず見ている私も、昨日は驚きを隠せなかった。
母親と娘がどんな思いを抱いて最後に別れてしまったのか。
安子ちゃんは娘から決定的に拒絶されたことで生きる理由全てを否定されたと思った。
るいちゃんは自分は母親に捨てられてしまったと思った。
物語の鬼設定は容赦ない。
しかし今日見た限りだと、この2人しか経験していないことをるいちゃんも安子ちゃんも他言していない様子。
なぜ、こんな結末になったかはどうやら周りの人は知らないような雰囲気。
2人がそれぞれ受けた衝撃はそれだけ計り知れなかったってことか。
雉真家
葬式に赴く直前の様子が描かれていた。
千吉さんは病床に伏していてどうやら死期が近づいているような。
勇君との会話が交わされていた。
会社については何も言う事は無い
思いがけない形で跡取りも作ってくれた
足袋だけは注文が少なくなっても作り続けて欲しい
これが感想だったが、1つ想い残す事としてるいちゃんがほとんど笑わない自分の気持ちを表現しない子供に育ってしまったこと。
それはかつて長男の嫁安子ちゃんにるいと離れるように仕向けたことが原因ではないかと。
その言葉を遮るかのように勇君が。
それだけでは無いはずじゃ。
あのあんこがるいを置いてアメリカに渡ったんだから、よくよくの理由がある。
このやりとりで、るいちゃんと安子ちゃん親娘にどんないきさつがあったかを周りの人は知らないでいるような。
さらには、雪衣さんの様子も。
るいちゃんのことを聞かれて、思わず表情が暗くなったのみんな見逃さなかったと思う。
るいちゃんと雪衣さんはそれほど良好な10年間を過ごしてきたわけではなかったような。
ここまでの複雑ないきさつを説明するのに要した時間はわずか数分。
物語の今現在を俳優の演技とセリフで表現することで、今までの物語を見てきた人はその内容を瞬時に理解できる。
脚本家の圧倒的な力をこの辺でも感じた。
るいちゃん大阪へ
るいちゃんはどうやら自分の過去と決別する決意を決めているような。
勇おじさんに自分の気持ちを伝えたときに、お金を持たされそうになった。
それをわざわざ拒否して身1つで雉真を去ると言う。
物語の最後の方で説明されるけど、
るいちゃんは額の傷を目立たなくする手術を頑として受けなかったのだ。
物語の中で明らかにされていたけど、額にはくっきりと三日月形の傷が。
普段 人に見せられるようなものではないので、前髪を眉毛まで垂らして隠している。
今日は面接のときの様子も描かれていて、本当は合格するはずだったのだが、額を見せるように指示されて、とても見せられないと思ったんだろう。
失礼します(汗)
そう言って自ら面接会場を後にした。
大阪にたどり着いたときのエピソードがミュージカル調に演出されていた。
このやり方はエールの時にも使われていたと思う。
窪田正孝くんや二階堂ふみちゃんが楽しそうに踊って歌っていたのを思い出すね。
さて、自分がアルバイトで稼いだわずかばかりのお金を握り締めてたどり着いた大阪だが。
彼女は頼りにしていた面接に失敗した形になる。
次のことを考えるとちょっと切ないし焦りもあるだろうにね。
竹村クリーニング店
買ったばかりのワンピースを自転車に接触して思いっきり汚してしまう。
しかしこの自転車のクリーニング屋さんは思いのほか親切だった。
手を引っ張って自分の店まで彼女を連れてくると、事情を察して別な服をわざわざ貸してくれたのだ。
そして、面接がんばってらっしゃいと。
始まったばかりだからね、これからいろんな人が登場してくるわけだ。
クリーニング店のご夫婦は、大阪風の本当に良い人たち。
こういったところに不思議なご縁で結びつけるところがこの脚本のユニークなところかもしれない。
さて、始まったばかりの物語、るいちゃんはどこへ向かうんだろう。