この間渋沢栄一の青天を衝けが終わったと思ったら、すぐに次の作品が。
今回始まるのは、鎌倉殿の13人
時代設定は平安末期から鎌倉初期にかけて。
つまり12世紀から13世紀にかけてなので、ざっと今から800年前の物語になる。
物語の鎌倉殿とは源頼朝
そしてこの物語の主人公となるのが北条義時。
鎌倉幕府の初代執権として歴史に残る。
この時代の物語と言えば、源氏と平家の争いと、たいていの人の記憶には残る。
平家の総帥は言わずと知れた平清盛。
そして源氏は当初、平家に戦で敗れた後、主なメンバーは散り散りに。
息子頼朝は死刑を免れて伊豆に流された。
また、頼朝の歳の離れた弟義経は奥州平泉で生きながらえることになる。
この当時、日本の歴史の黎明期にも相当するが、貴族社会が行き詰まりを見せる中、新たに台頭してきた武家集団が世の中を席巻しつつあった。
物語を普通に描けば、かなりシュールでドロドロしたものになりがちだが、今回の脚本家はあの三谷幸喜。
彼は喜劇などを作らせれば天下一品の脚本家。
初回は、彼1流のユーモアあふれる魅力的な作りに。
目次
源頼朝をめぐる様々な人たち


脚本家の腕もあるんだろうね、この時代の歴史物を描けば人物の相関図だけで説明は膨大になってしまう。
調べてみたら、そういったことを感じさせないような物語の作り方を考えたと聞いた。
鎌倉幕府の立ち上げに関わる人たちの物語だが、源氏自体はおよそ30年で途切れることになる。
物語の中心人物に据えられている源頼朝も決して長生きできた人ではなく、いまだに死亡原因は諸説議論が戦われるところ。
鎌倉幕府を実際に取り仕切っていたのは北条家の義時以降の執権たち。
室町時代に至るまで、源氏と呼ばれる人たちは全国に散らばっていたが、源頼朝の時だけ結集できたような。
ドラマの描き方にもよるが、登場人物たちがコメディータッチでデフォルメされて描かれている。
初回を見終わって感じたのはどちらかと言えば脇役たち。
特に北条政子と北条時政かな?
この2人の演技力もさることながら物語の設定が特に面白おかしく、人となりがよく伝わってくる。
源頼朝は実際のところどうだったんだろうか?と思ってみたりもする。
物語を見た感じでは、上品な公家風のお武家さんに描かれていたけれど。
なんとなく育ちの良さをアピールするような不思議な雰囲気だったよね。
演じているのが大泉洋だから役者としては何だってこなせるだろう。
初回には紹介だけの登場だったが源義経などもどんな描かれ方をするのか興味を引くところ。
脚本家三谷幸喜
今年61歳になる彼は凄腕の脚本家。
大河ドラマは今回で3本目の脚本となる。
初回が近藤勇を主人公に据えた新選組。
まだ若かりし日の香取慎吾が主役を演じていた。
この時も見ごたえあったと思う。
2本目に脚本したのが真田丸
こちらは最近の大河ドラマの中でも人気のドラマだったと思う。
真田信繁など、主要な人物の描き方がとにかく秀逸だったと思う。
そういえば、今回頼朝を演じている大泉洋は真田丸の時は信繁の兄を演じていたと思う。
この辺の俳優の割り振りは脚本家や番組の制作スタッフの意向で決まるとは思うが、新人を起用することにはならないんだよね。
やはり、演技力に定評のあるベテラン俳優が徴用される傾向にあるんじゃなかろうか。
時代背景
源平合戦で勝利したのは最初は平家だった。
源氏はまだ幼かった頼朝や義経が何とか生きながらえることができたが、他の主なメンバーはみんな処刑されたようだ。
源氏は、まだ幼かった頼朝や義経が何とか生きながらえることができたが、他の主なメンバーは皆処刑されたようだ。
歴史が始まった頃の物語で、戦いや、生活など今のように民主主義的なものが存在したわけではない。
疑心暗鬼の中、周りはたとえ親兄弟といえども敵かもしれないと言う認識の中、関係が築かれていったものと思う。
物語が進んでいくうちに描かれると思うが日本人は判官贔屓で源義経を愛でる傾向にあるが、
義経の戦略は傍若無人、ルールを無視するような情け容赦のない方法を採用していたようだ。
要するに勝つためには手段を選ばないような、そういった描かれ方をするはず。
また、人を殺すことなどいささかも悪とはせずに、簡単に行ってしったことがこれ以降中世に至るまで一貫して用いられた。
よく言われる斎藤道三の息子が父親を殺したことが下克上の代表のように語られるが、実際は平安末期のこの頃からそれに類するか、それ以上の非道な行いが当たり前のようにまかり通っていた。
普通に描けば、相当凄惨な場面も出てくるだろうに、脚本家はどれだけその辺を巧みに演出するのか、見物でもある。
コメディーとシュールの同居
コミカルに描きながらも歴史的事実はほとんどそのまま描かれているようだ。
源頼朝の子供が川で殺されるシーンなども事実としてきちんと描かれていた。
感心したのは頼朝がお経を唱えるシーン。
観世音菩薩の仏像の前で普門品を唱えていたよね。
お経を知っている人が聞けばすぐに反応すると思うが、これは実際にきちんとその1節を唱えていた。
正式には観世音菩薩普門品偈(かんぜおんぼさつふもんぼんげ)
このお経は、お唱えする人も結構多いと思うくらい有名だけど、空で案じている人は少ないだろうなぁ。
私の知り合いのお坊さんには空で案じている人がいたと思った。
経本があれば、私のような者でもお唱えできる。
大泉洋は、多分かなり練習したと思うな。
唱えているようにそれっぽく聞こえてきたので。
こういったディティールにこだわる演出こそが物語の値打ちを大きくするんだと感じている。
さて、物語は始まったばかりだが主役や周りの人たちの役者は代替わりすることなく、今のままの俳優がそのまま演じることになるんだろう。
著名な俳優女優がこれからもどんどん登場してくるような。
日曜日の楽しみがまた復活したと思う。